幼い頃、義母に酸で顔を焼かれた公爵令嬢は、それでも愛してくれた王太子が冤罪で追放されたので、ついていくことにしました。

克全

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2話

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 レオナルド様が火傷の治療もされず、王都から叩きだされてしまいました。
 私はそれを見ていながら、何もできません。
 私はレオナルド様が罪を犯すことになった元凶だとして、厳しく拘束され猿轡までされていましたから、助けに入るどころか、主張すら出来なかったのです。

 ネイサンの腐れ外道も、ウィンターレン公爵家には気を使ったのです。
 私まで罪に落とそうとしたら、ウィンターレン公爵家の家名に傷をつけます。
 公爵家がレオナルド様に味方しないように、私は何も知らなかったことにしていますが、事が全て終わったら、私も殺されるか追放にされるでしょう。

 私を拘束したのは父です。
 いえ、父などとは言えません。
 アイラの色香に迷ったウィンターレン公爵は、アイラが母上を毒殺するのを黙認しました。

 私がアイラに顔を焼かれたのに、何の罪も問いませんでした。
 罪のない女官に冤罪を着せて処刑しただけです。
 罪がない、ではすみません。
 母に従ってウィンターレン公爵家についてきてくれた女官です。
 母上亡きあと、私を護り育ててくれた女官を冤罪着せて処刑したのです。

 ですがさすがにここまででした。
 母の実家、ペンブルック侯爵が戦争も覚悟で厳重に抗議してくれたのです。
 若くして当主となられたコナー伯父さんが、領地に根こそぎ動員をかけ、全てを投入してウィンターレン公爵領に攻めこもうとしてくれたのです。

 これにはウィンターレン公爵も驚き慌てました。
 惰弱で女好きの最低男です。
 誇りのために全てをかけて戦う気概のあるコナー伯父さんに、対するだけの度胸などあるはずもなく、全ての交渉を元凶のアイラに押し付けました。
 アイラの実家、リクストバラ侯爵家を味方につけようという、嫌らしい考えもあったのでしょう。

 ですがコナー伯父さんはそんな事では怯みませんでした。
 全ての事情を友人知人の貴族士族に伝え、味方につけようとされましたが、それは小手先の事だけで、誰も味方につかなくても戦う覚悟で、領民の女子供まで動員して、籠城に準備を整えられました。

 コナー伯父さんの覚悟は、全ての貴族士族に伝わり、国王にも伝わりました。
 注進する者がいたのでしょう。
 いえ、コナー伯父さんを牽制するために、アイラかリクストバラ侯爵が知らせたのかもしれません。

 戴冠したばかりのヘルムート王は、その頃から惰弱な王でした。
 国内で戦いが起こるのを嫌がり、事の真実や正義に関係なく、停戦命令をだしたのですが、コナー伯父さんの覚悟は揺るぎませんでした。
 母上の敵と、私の敵を討つためなら、王家の停戦命令も無視すると、自身で軍を率いてウィンターレン公爵領に向けて出陣されたのです。
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