4 / 16
3話
しおりを挟む
もし、あの時、戦いになっていたら、コナー伯父さんが勝っていたでしょう。
貴族としての誇りと気概が天地ほど違うのです。
伯父さんがウィンターレン公爵やラングストン侯爵に負けるはずがありません。
ですが、伯父さんにはどうしようもない弱点があったのです。
私です、私と言う弱点があったのです。
義母、いえ、母などとは言いたくありません。
後妻と言うべきですね。
後妻のアイラが、私を人質にしたのです。
酸で焼かれた顔の傷が癒えていない私を、進撃してくる伯父さんの前にまで無理矢理連行して、これ以上進むなら殺すと脅したのです。
伯父さんは苦しまれました。
ここまで準備するのに多大な費用がかかり、領地経営を圧迫します。
ウィンターレン公爵領やラングストン侯爵領を奪うか、莫大な賠償金を手に入れなければ、ペンブルック侯爵家は破綻してしまうかもしれません。
ですが伯父は苦悩してくれました。
私を助けるために、不利な条件で交渉は始めてくれました。
領地や金ではなく、私の命を重んじてくれたのです。
ですがここで救世主が現れました。
レオナルド様です!
この時はまだ第一王子だったレオナルド様が、こう言ってくださったのです。
「人質を取っての交渉など卑怯千万。
貴族にあるまじき下劣な行いである。
これでペンブルック侯爵の方が正しい事が分かった。
アイラという腐れ女がグレイスを毒殺して、ジェミーを傷つけたのだ!
この戦いの結果がどうあろうと、私は二度とウィンターレン公爵とラングストン侯爵の顔は見ない。
私が参加するあらゆる場で二人を排除しろ」
幼くて何の権力もなかったレオナルド様が、精一杯に援護をしてくださったのですが、それが大きく事態を動かしました。
ウィンターレン公爵とラングストン侯爵が驚き慌てたのです。
幼いながら俊英と評判の第一王子に毛嫌いされる。
第一王子のおられる場所には参加できなくなる。
事実上の王宮追放です。
交渉の内容が激変したそうです。
私の安全対策とアイラの処刑が絶対条件で、それに賠償金や台所領の返還の多寡が加わる形で交渉が進みました。
このまま終われば、全ては丸く収まったでしょう。
レオナルド様が顔に焼印を押され、追放される事もなかったでしょう。
ですがそうはいきませんでした。
またアイラが暗躍したのです。
アイラは国王と交渉したのです。
生き残るために王とベットを共にしたという噂ものもあります。
ラングストン侯爵ローワンとベットを共にして、王の側室になっていたローワンの妹イザベラを通じて王を動かいたという噂もあります。
そのイザベラが腐れ外道のネイサンの母です。
私を助けるために動いたことで、レオナルド様は有力貴族を敵に回してしまわれたのです。
そしてこの時も惰弱な王が、正しい被害者を踏みつけにしたのです。
貴族としての誇りと気概が天地ほど違うのです。
伯父さんがウィンターレン公爵やラングストン侯爵に負けるはずがありません。
ですが、伯父さんにはどうしようもない弱点があったのです。
私です、私と言う弱点があったのです。
義母、いえ、母などとは言いたくありません。
後妻と言うべきですね。
後妻のアイラが、私を人質にしたのです。
酸で焼かれた顔の傷が癒えていない私を、進撃してくる伯父さんの前にまで無理矢理連行して、これ以上進むなら殺すと脅したのです。
伯父さんは苦しまれました。
ここまで準備するのに多大な費用がかかり、領地経営を圧迫します。
ウィンターレン公爵領やラングストン侯爵領を奪うか、莫大な賠償金を手に入れなければ、ペンブルック侯爵家は破綻してしまうかもしれません。
ですが伯父は苦悩してくれました。
私を助けるために、不利な条件で交渉は始めてくれました。
領地や金ではなく、私の命を重んじてくれたのです。
ですがここで救世主が現れました。
レオナルド様です!
この時はまだ第一王子だったレオナルド様が、こう言ってくださったのです。
「人質を取っての交渉など卑怯千万。
貴族にあるまじき下劣な行いである。
これでペンブルック侯爵の方が正しい事が分かった。
アイラという腐れ女がグレイスを毒殺して、ジェミーを傷つけたのだ!
この戦いの結果がどうあろうと、私は二度とウィンターレン公爵とラングストン侯爵の顔は見ない。
私が参加するあらゆる場で二人を排除しろ」
幼くて何の権力もなかったレオナルド様が、精一杯に援護をしてくださったのですが、それが大きく事態を動かしました。
ウィンターレン公爵とラングストン侯爵が驚き慌てたのです。
幼いながら俊英と評判の第一王子に毛嫌いされる。
第一王子のおられる場所には参加できなくなる。
事実上の王宮追放です。
交渉の内容が激変したそうです。
私の安全対策とアイラの処刑が絶対条件で、それに賠償金や台所領の返還の多寡が加わる形で交渉が進みました。
このまま終われば、全ては丸く収まったでしょう。
レオナルド様が顔に焼印を押され、追放される事もなかったでしょう。
ですがそうはいきませんでした。
またアイラが暗躍したのです。
アイラは国王と交渉したのです。
生き残るために王とベットを共にしたという噂ものもあります。
ラングストン侯爵ローワンとベットを共にして、王の側室になっていたローワンの妹イザベラを通じて王を動かいたという噂もあります。
そのイザベラが腐れ外道のネイサンの母です。
私を助けるために動いたことで、レオナルド様は有力貴族を敵に回してしまわれたのです。
そしてこの時も惰弱な王が、正しい被害者を踏みつけにしたのです。
193
あなたにおすすめの小説
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
愛のない結婚をした継母に転生したようなので、天使のような息子を溺愛します
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
目が覚めると私は昔読んでいた本の中の登場人物、公爵家の後妻となった元王女ビオラに転生していた。
人嫌いの公爵は、王家によって組まれた前妻もビオラのことも毛嫌いしており、何をするのも全て別。二人の結婚には愛情の欠片もなく、ビオラは使用人たちにすら相手にされぬ生活を送っていた。
それでもめげずにこの家にしがみついていたのは、ビオラが公爵のことが本当に好きだったから。しかしその想いは報われることなどなく彼女は消え、私がこの体に入ってしまったらしい。
嫌われ者のビオラに転生し、この先どうしようかと考えあぐねていると、この物語の主人公であるルカが声をかけてきた。物語の中で悲惨な幼少期を過ごし、闇落ち予定のルカは純粋なまなざしで自分を見ている。天使のような可愛らしさと優しさに、気づけば彼を救って本物の家族になりたいと考える様に。
二人一緒ならばもう孤独ではないと、私はルカとの絆を深めていく。
するといつしか私を取り巻く周りの人々の目も、変わり始めるのだったーー
[完結]出来損ないと言われた令嬢、実は規格外でした!
青空一夏
恋愛
「おまえなど生まれてこなければ良かったのだ!」そうお父様に言われ続けた私。高位貴族の令嬢だったお母様は、お父様に深く愛され、使用人からも慕われていた。そのお母様の命を奪ってこの世に生まれた私。お母様を失ったお父様は、私を憎んだ。その後、お父様は平民の女性を屋敷に迎え入れ、その女性に子供ができる。後妻に屋敷の切り盛りを任せ、私の腹違いの妹を溺愛するお父様は、私を本邸から追い出し離れに住まわせた。私は、お父様からは無視されるか罵倒されるか、使用人からは見下されている。そんな私でも家庭教師から褒められたことは嬉しい出来事だった。この家庭教師は必ず前日に教えた内容を、翌日に試験する。しかし、その答案用紙さえも、妹のものとすり替えられる。それは間違いだらけの答案用紙で、「カーク侯爵家の恥さらし。やはりおまえは生まれてくるべきじゃなかったんだな」と言われた。カーク侯爵家の跡継ぎは妹だと言われたが、私は答案用紙をすり替えられたことのほうがショックだった。やがて学園に入学するのだがーー
これは父親から嫌われたヒロインが、後妻と腹違いの妹に虐げられたり、学園でも妹に嫌がらせされるなか、力に目覚め、紆余曲折ありながらも幸せになる、ラブストーリー。
※短編の予定ですが、長編になる可能性もあります。
(完)婚約解消からの愛は永遠に
青空一夏
恋愛
エリザベスは、火事で頬に火傷をおった。その為に、王太子から婚約解消をされる。
両親からも疎まれ妹からも蔑まれたエリザベスだが・・・・・・
5話プラスおまけで完結予定。
(完結)私より妹を優先する夫
青空一夏
恋愛
私はキャロル・トゥー。トゥー伯爵との間に3歳の娘がいる。私達は愛し合っていたし、子煩悩の夫とはずっと幸せが続く、そう思っていた。
ところが、夫の妹が離婚して同じく3歳の息子を連れて出戻ってきてから夫は変わってしまった。
ショートショートですが、途中タグの追加や変更がある場合があります。
婚約者に突き飛ばされて前世を思い出しました
天宮有
恋愛
伯爵令嬢のミレナは、双子の妹キサラより劣っていると思われていた。
婚約者のルドノスも同じ考えのようで、ミレナよりキサラと婚約したくなったらしい。
排除しようとルドノスが突き飛ばした時に、ミレナは前世の記憶を思い出し危機を回避した。
今までミレナが支えていたから、妹の方が優秀と思われている。
前世の記憶を思い出したミレナは、キサラのために何かすることはなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる