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第一章
激戦
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「うわぁ」
「殿、奇襲でございます」
「何、どこから現れたのだ」
「そんな事はどうでもよい。直ぐに迎え討つのだ」
「はい、父上」
「衛友は搦手を守れ」
「父上はどうなされるのですか」
「儂は大手を守る」
「御武運を」
「そなたもな」
「我に続け」
「我こそは毛利にその人ありと言われた生石中務少輔なり」
「よき敵かな。我こそは織田にその人ありと言われた谷大膳衛好なり」
「ぬおぉ」
「どりゃぁ」
「こなくそぉ」
「まだまだ」
「殿」
「助太刀いたす」
「生石、卑怯だぞ」
「合戦に卑怯も糞もないわ」
「死ねやぁ」
「谷大膳衛好討ち取ったり」
「木下与一郎推参」
「与一郎殿、出過ぎでございます」
「駄目です。ここで兵糧を運び込まれたら、今迄の籠城が無駄になります」
「与一郎殿」
「者共、かかれ、かかれ」
「うわぁ」
「逃がすな、止めを刺すのだ」
「与一郎殿、兵糧を確保してください」
「駄目です。先ずは敵を追い散らしてからです」
「しかし与一郎殿」
「兵に兵糧を確保させたら戦わなくなります。先ずは敵を叩いてからです」
「分かりました」
「小荷駄だけのようですね」
「与一郎殿。殿の申されるように、葉武者の蛮勇は御止めください」
「されど儂はまだまだ若輩者。周りの者にも武を示さねばなりません」
「初陣からこれまで、十分武を示されております。これからは知略に重きを置いて下さい」
「分かりました。だがどうすればいいのです」
「この場に潜んでいれば、敵の援軍がやってまいります」
「なるほど。奇襲を仕掛けるのですね」
「はい」
「うわぁ」
「逃げるな、戦え」
「我は木下与一郎、その首おいて行け」
「我こそは、三枝小太郎治政なり、尋常に戦え」
「貴様など与一郎殿の敵ではないわ」
「我こそは、播磨にその人ありと言われた淡河弾正忠定範なり、尋常に勝負いたせ」
「何。先日の敵を取ってくれる。我こそは羽柴長秀が一子、木下与一郎なり」
「そのような嘴の青い小僧など知らぬは、儂の相手をするには十年早い」
「何をこの糞爺が。目にもの見せてくれる」
「ぬおぉ」
「どりゃぁ」
「こなくそぉ」
「まだまだ」
「与一郎殿を御助けせよ」
「手出し無用じゃ」
「なりませんぞ。囲んで討ち取るのだ。与一郎殿に傷一つ付けるな」
「「「「「うぉ」」」」」
「淡河弾正忠定範討ち取ったり」
「よいか皆の者、敵は勝に奢って城を囲もうとしています」
「「「「「はい、奥方様」」」」」
「ですがこのような時ほど、油断があるものです」
「「「「「はい、奥方様」」」」」
「日没とともに城を討って出て、川を渡って背後から攻めかかれば、敵に一泡吹かせることが出来ます」
「「「「「はい、奥方様」」」」」
「では、参りますよ」
「「「「「おう」」」」」
「やあ、やあ
遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見よ。
我こそは三木城主・別所長治の叔父、別所吉親が妻、波
我と思わん者はかかって参れ」
名乗りを上げた女武者は、樅の鉢巻きに桜縅の鎧に美しい陣羽織る、艶やかな武者姿だった。
白芦毛の馬に打ち乗って、二尺七寸余の太刀を振りかざし、千余の兵を引き連れて敵陣に斬り込む姿は、戦女神と見紛うほどであった。
そして戦女神同様に、情け容赦なく逃げる敵を馬の蹄にかけて、太刀を振るって切り捨てた。
「殿、奇襲でございます」
「何、どこから現れたのだ」
「そんな事はどうでもよい。直ぐに迎え討つのだ」
「はい、父上」
「衛友は搦手を守れ」
「父上はどうなされるのですか」
「儂は大手を守る」
「御武運を」
「そなたもな」
「我に続け」
「我こそは毛利にその人ありと言われた生石中務少輔なり」
「よき敵かな。我こそは織田にその人ありと言われた谷大膳衛好なり」
「ぬおぉ」
「どりゃぁ」
「こなくそぉ」
「まだまだ」
「殿」
「助太刀いたす」
「生石、卑怯だぞ」
「合戦に卑怯も糞もないわ」
「死ねやぁ」
「谷大膳衛好討ち取ったり」
「木下与一郎推参」
「与一郎殿、出過ぎでございます」
「駄目です。ここで兵糧を運び込まれたら、今迄の籠城が無駄になります」
「与一郎殿」
「者共、かかれ、かかれ」
「うわぁ」
「逃がすな、止めを刺すのだ」
「与一郎殿、兵糧を確保してください」
「駄目です。先ずは敵を追い散らしてからです」
「しかし与一郎殿」
「兵に兵糧を確保させたら戦わなくなります。先ずは敵を叩いてからです」
「分かりました」
「小荷駄だけのようですね」
「与一郎殿。殿の申されるように、葉武者の蛮勇は御止めください」
「されど儂はまだまだ若輩者。周りの者にも武を示さねばなりません」
「初陣からこれまで、十分武を示されております。これからは知略に重きを置いて下さい」
「分かりました。だがどうすればいいのです」
「この場に潜んでいれば、敵の援軍がやってまいります」
「なるほど。奇襲を仕掛けるのですね」
「はい」
「うわぁ」
「逃げるな、戦え」
「我は木下与一郎、その首おいて行け」
「我こそは、三枝小太郎治政なり、尋常に戦え」
「貴様など与一郎殿の敵ではないわ」
「我こそは、播磨にその人ありと言われた淡河弾正忠定範なり、尋常に勝負いたせ」
「何。先日の敵を取ってくれる。我こそは羽柴長秀が一子、木下与一郎なり」
「そのような嘴の青い小僧など知らぬは、儂の相手をするには十年早い」
「何をこの糞爺が。目にもの見せてくれる」
「ぬおぉ」
「どりゃぁ」
「こなくそぉ」
「まだまだ」
「与一郎殿を御助けせよ」
「手出し無用じゃ」
「なりませんぞ。囲んで討ち取るのだ。与一郎殿に傷一つ付けるな」
「「「「「うぉ」」」」」
「淡河弾正忠定範討ち取ったり」
「よいか皆の者、敵は勝に奢って城を囲もうとしています」
「「「「「はい、奥方様」」」」」
「ですがこのような時ほど、油断があるものです」
「「「「「はい、奥方様」」」」」
「日没とともに城を討って出て、川を渡って背後から攻めかかれば、敵に一泡吹かせることが出来ます」
「「「「「はい、奥方様」」」」」
「では、参りますよ」
「「「「「おう」」」」」
「やあ、やあ
遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見よ。
我こそは三木城主・別所長治の叔父、別所吉親が妻、波
我と思わん者はかかって参れ」
名乗りを上げた女武者は、樅の鉢巻きに桜縅の鎧に美しい陣羽織る、艶やかな武者姿だった。
白芦毛の馬に打ち乗って、二尺七寸余の太刀を振りかざし、千余の兵を引き連れて敵陣に斬り込む姿は、戦女神と見紛うほどであった。
そして戦女神同様に、情け容赦なく逃げる敵を馬の蹄にかけて、太刀を振るって切り捨てた。
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