弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全

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第二章

第46話:商業

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「景気の方はどうだい。
 店を維持できるくらいの利益は出ているのかい」

 商家の主人は俺が領地改革をやっている時からの顔見知りだ。
 決して悪人ではないが、代々の商家を守るためなら、父やミヒャエルにワイロを贈りおもねる事も平気でやれる。
 そのワイロの金を作るために商品の値上げだって平気でやれる。
 商人としては正しい生き方ができる男だ。

 だからこそ俺が権力を握れば俺の方針に合わせて商売をしてくれる。
 暴利をもくろんで権力を背景にした商売をしようと暗躍する事はない。
 俺の指示した商品を売買して堅実に手数料を稼ぐ道を選ぶ。
 目先の利益よりも商家を守る事を優先する漢だ。
 しかし気をつけなければいけない事もある。
 ある程度の利益が稼げる指示をしなければ商家を守るために裏切るのだ。

「何とかギリギリという所でございます。
 できましたら今少しは利が得られるようにしていただきたいと思っております」

 老練な商人が相手だから、普通なら俺のような若造は簡単に手玉に取られる。
 以前の俺は前世の記憶と経験を生かして何とか太刀打ちしていた。
 だが今の俺には大賢者の力がある。
 商人が裏切らない最低限の利益を与えることも可能だ。
 だが俺の一番の目的は領地を守り富ませる事だ。
 その為なら商家に莫大な利益を与えることもありえる。

「そうか、その方がそう言うのなら今少し手数料が増えるようにしよう。
 どうせいざという時のための兵糧を購入しなければならない。
 だからといって、父たちのように増税して領民を苦しめる訳にもいかん。
 そこで他領や他国から穀物を購入してきて欲しいのだが、無理無体に買い集めて他領や他国で穀物の暴騰を引き起こすのは嫌なのだよ」

「それは、豊作の領地や国を選んで、その領地や国で穀物の暴騰が起こらない程度に買い集めろと申されるのですな」

「そうだ、そうしてくれれば私もうれしい」

「念を押すようで申し訳ありませんが、手間がかかるので買値が高くなりますが、買い集めてきた穀物は以前に約束した手数料で確実に買い取って頂けるのですね」

「ああ、約束しよう。
 原価と経費に手数料を加えて全て買い取る。
 だがそれだけでは購入だけでしか利益がでないであろう。
 お前なら何か売れるモノを選んで販売でも利益を上げるだろうが、確実に利益を上げられて荷物にもならない商品を提供しよう」

「ほう、公爵閣下がそう申されるほどの商品ならばとても興味がひかれます」

「これだ」

 俺は複合魔術で創り出したダイヤモンド、サファイア、ルビー、エメラルド、パール、オパールを見せた。

「おお、噂にはお聞きしておりましたが、これが公爵閣下の資金源ですな。
 確かにこれならば確実に高価な値で売ることができますし、現地の権力者に取り入る事も可能でございます。
 宝石も御約束の手数料を頂けるのでしたら、十分な利益を手に入れられます」

「そうか、では俺が言った条件で穀物を買い集めて来てくれ」
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