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第一章
第43話:幸福・シモン視点
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家族が学院領に落ち着いてひと月になる。
領主が逆恨みして家族を襲わないか不安だったが、杞憂に終わった。
ロイド君の話では、国王や有力貴族にかなり厳しく叱責されたそうだ。
王や有力貴族からすれば、僕がフローラ嬢とエレノア嬢に取立てられ宮廷男爵になった事で、フローラ嬢とエレノア嬢と縁が繋がったのだ。
上手くすればフローラ嬢の王配に王族を押し込む工作を頼めるかもしれないと、裏で動きだしている所だったらしい。
だがその前に領主が僕を安く使役しようと家族を脅していたのだ。
僕の母国に対する心証が最悪だと悟っただろう。
もし母国の国王と有力貴族がチャールズ国王のような愚者だったら、家族を人質にして僕を手先に使おうとした事だろう。
いや、もしかしたらそうしようと考えていたかもしれない。
フローラ嬢とエレノア嬢が手紙を送ってくれなければ、何が起きたか分からない。
フローラ嬢は「私の大切な側近の家族を無事に送ってくだされば感謝します」という内容の手紙を送ってくれた。
エレノア嬢が「キングセール王国の事を知っているか」と明白な脅迫文を送ってくれたので、母国の国王と有力貴族は命の危険を感じたのだろう。
僕だってそんな手紙をもらったら命の危険を感じて全面降伏する。
僕ももう十分裕福な生活ができるようになっている。
家族に徒歩で学院まで旅をさせるような事はない。
十分な護衛を雇い、多くの馬車を仕立てて、途中で泊まる宿も貴族が宿泊するような上等の宿を手配できる。
まあ、よく考えれば僕ももう貴族に叙爵されているのだ。
すぐ忘れてしまうが男爵に叙爵されたのだ。
とは言っても貴族が行うべき旅の手配が俺にできるはずもない。
分離独立戴冠したばかりのフレイザー王国もまだ名前が通っていない。
家族には母国で護衛や馬車を雇う金がなかったから、ロイド君が支援してくれなかったら、旅の途中で山賊や盗賊に襲われてしまった可能性もある。
ロイド君が実家の伝手を使ってボースウィック皇国の名前で信用を買ってくれた。
護衛費用も馬車代金も宿泊費用も、ロイド君が商人の信用ですむようにしてくれたから、手数料は必要だったけれど僕がロイド君にお金を払うだけでよくなった。
フローラ嬢とエレノア嬢の母君が、ボースウィック皇国のアトス辺境伯家出身だったことで全てがスムーズに運んだそうだ。
僕の家族は小心者ばかりだから、僕が男爵に叙爵されたからといって、急に態度が悪くなって反感を買う事もない。
ドロシー嬢もピエール君もその点だけは厳しく家族に言い聞かせているようだ。
せっかく手に入れた幸せを、家族の迂闊な態度で壊してしまうのは嫌だ。
臆病者と言われるかもしれないが、フローラ嬢とエレノア嬢を怒らすのが怖い。
特にエレノア嬢を怒らすのだけは絶対に駄目だ。
「ああ、シモン君。
エレノア嬢の事で相談があるんだが、ちょっと僕の部屋まで来て欲しい」
ロイド君が俺を個人的に呼び出すなんて、今まで一度もなかった事だ。
最悪の想像しか浮かんでこない。
領主が逆恨みして家族を襲わないか不安だったが、杞憂に終わった。
ロイド君の話では、国王や有力貴族にかなり厳しく叱責されたそうだ。
王や有力貴族からすれば、僕がフローラ嬢とエレノア嬢に取立てられ宮廷男爵になった事で、フローラ嬢とエレノア嬢と縁が繋がったのだ。
上手くすればフローラ嬢の王配に王族を押し込む工作を頼めるかもしれないと、裏で動きだしている所だったらしい。
だがその前に領主が僕を安く使役しようと家族を脅していたのだ。
僕の母国に対する心証が最悪だと悟っただろう。
もし母国の国王と有力貴族がチャールズ国王のような愚者だったら、家族を人質にして僕を手先に使おうとした事だろう。
いや、もしかしたらそうしようと考えていたかもしれない。
フローラ嬢とエレノア嬢が手紙を送ってくれなければ、何が起きたか分からない。
フローラ嬢は「私の大切な側近の家族を無事に送ってくだされば感謝します」という内容の手紙を送ってくれた。
エレノア嬢が「キングセール王国の事を知っているか」と明白な脅迫文を送ってくれたので、母国の国王と有力貴族は命の危険を感じたのだろう。
僕だってそんな手紙をもらったら命の危険を感じて全面降伏する。
僕ももう十分裕福な生活ができるようになっている。
家族に徒歩で学院まで旅をさせるような事はない。
十分な護衛を雇い、多くの馬車を仕立てて、途中で泊まる宿も貴族が宿泊するような上等の宿を手配できる。
まあ、よく考えれば僕ももう貴族に叙爵されているのだ。
すぐ忘れてしまうが男爵に叙爵されたのだ。
とは言っても貴族が行うべき旅の手配が俺にできるはずもない。
分離独立戴冠したばかりのフレイザー王国もまだ名前が通っていない。
家族には母国で護衛や馬車を雇う金がなかったから、ロイド君が支援してくれなかったら、旅の途中で山賊や盗賊に襲われてしまった可能性もある。
ロイド君が実家の伝手を使ってボースウィック皇国の名前で信用を買ってくれた。
護衛費用も馬車代金も宿泊費用も、ロイド君が商人の信用ですむようにしてくれたから、手数料は必要だったけれど僕がロイド君にお金を払うだけでよくなった。
フローラ嬢とエレノア嬢の母君が、ボースウィック皇国のアトス辺境伯家出身だったことで全てがスムーズに運んだそうだ。
僕の家族は小心者ばかりだから、僕が男爵に叙爵されたからといって、急に態度が悪くなって反感を買う事もない。
ドロシー嬢もピエール君もその点だけは厳しく家族に言い聞かせているようだ。
せっかく手に入れた幸せを、家族の迂闊な態度で壊してしまうのは嫌だ。
臆病者と言われるかもしれないが、フローラ嬢とエレノア嬢を怒らすのが怖い。
特にエレノア嬢を怒らすのだけは絶対に駄目だ。
「ああ、シモン君。
エレノア嬢の事で相談があるんだが、ちょっと僕の部屋まで来て欲しい」
ロイド君が俺を個人的に呼び出すなんて、今まで一度もなかった事だ。
最悪の想像しか浮かんでこない。
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