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第一章
第12話:女公爵
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「ヒルダ・フォン・サヴィル・メクスバラを公爵に叙爵する」
「謹んでお受けさせていただきます」
私はサヴィル公爵家の当主になりました。
実際の儀式の場では長たらしい挨拶が儀式が続く、地獄のような苦痛に満ちた世界で、もう二度と同じ事はしたくありませんし、思い出したくもありません。
ですが私自身の為にもオーウェンの為にも耐えてやらなければいけませんでした。
ノーマンにはとても悪い事をしたと思っています。
私のために国王との間に入って色々と交渉してくれたようです。
下手に私が介入すると、想いとは真逆に状況が悪化するので、黙って頼るしかなかった事には凄く胸が痛みました。
全て私の油断と無能が引き起こしてしまった事です。
「公爵閣下、テニソン侯爵ニコラスを捕らえて連行したしました」
「よくぞやってくれました、これほど大きな功績はありません。
見事私の失敗を帳消しにしてくれました。
感謝の言葉もないほどの功績です。
その功績を称えるには貴君を正騎士に取立てて領地を任せるしかないでしょう。
傭兵フィランダー・ゲインズバラを今日よりサヴィル公爵家の騎士とする」
「有難き幸せでございます」
私が王宮で叙爵されている間も私の軍は戦ってくれていた。
ピーター国王が逃がしたのはサヴィル公爵家だけで、グロリアの不義密通相手だったテニソン侯爵ニコラスまでは逃げる手助けをしていなかった。
私も色々失敗してしまったが、ピーター国王も失敗していたのだ。
テニソン侯爵を生きたまま捕らえることができれば、真実の証言をさせてグロリアの不義密通を証明させることができるのだ。
そうすれば国内外で広まっているメクスバラ王家に対する不当な非難や陰口も影を潜め、ノーマンをサヴィル公爵家の養嗣子に迎える事が可能になる。
そうなればナサニエル国王の警戒心を緩める事もできるだろう。
テニソン侯爵を生きて捕らえることができて本当によかった。
名誉の戦死でもされていたら真実の証言をさせられなくなっていた。
死ぬ危険がある時には秘密にしている魔力を使って捕らえていましたけどね。
こう考えてみれば、ピーター国王はテニソン侯爵に逃げるように言っていたかもしれませんね。
ピーター国王に亡命するように言われても、テニソン侯爵が暗殺を恐れて従わなかったのかもしれません。
一番確実に秘密を守ろうと思うのなら、関係者を皆殺しにすべきなのです。
不義密通をなかった事にするならグロリアとテニソン侯爵を殺してしまえば一番簡単なのです。
テニソン侯爵が暗殺されないように細心の注意を払わないといけませんね。
グロリアはピーター国王に殺されずにすむのでしょうか。
「公爵閣下、今から首実検を行わせていただきます」
本当は生首など絶対に見たくありません。
見たくはありませんが、見ないわけにはいきません。
もう私は公爵令嬢ではなく公爵家の当主なのです。
事の結末を自分の目では確かめなければいけないのです。
油断と無能でグロリア達を逃がした失敗を繰り返すわけにはいかないのです。
「謹んでお受けさせていただきます」
私はサヴィル公爵家の当主になりました。
実際の儀式の場では長たらしい挨拶が儀式が続く、地獄のような苦痛に満ちた世界で、もう二度と同じ事はしたくありませんし、思い出したくもありません。
ですが私自身の為にもオーウェンの為にも耐えてやらなければいけませんでした。
ノーマンにはとても悪い事をしたと思っています。
私のために国王との間に入って色々と交渉してくれたようです。
下手に私が介入すると、想いとは真逆に状況が悪化するので、黙って頼るしかなかった事には凄く胸が痛みました。
全て私の油断と無能が引き起こしてしまった事です。
「公爵閣下、テニソン侯爵ニコラスを捕らえて連行したしました」
「よくぞやってくれました、これほど大きな功績はありません。
見事私の失敗を帳消しにしてくれました。
感謝の言葉もないほどの功績です。
その功績を称えるには貴君を正騎士に取立てて領地を任せるしかないでしょう。
傭兵フィランダー・ゲインズバラを今日よりサヴィル公爵家の騎士とする」
「有難き幸せでございます」
私が王宮で叙爵されている間も私の軍は戦ってくれていた。
ピーター国王が逃がしたのはサヴィル公爵家だけで、グロリアの不義密通相手だったテニソン侯爵ニコラスまでは逃げる手助けをしていなかった。
私も色々失敗してしまったが、ピーター国王も失敗していたのだ。
テニソン侯爵を生きたまま捕らえることができれば、真実の証言をさせてグロリアの不義密通を証明させることができるのだ。
そうすれば国内外で広まっているメクスバラ王家に対する不当な非難や陰口も影を潜め、ノーマンをサヴィル公爵家の養嗣子に迎える事が可能になる。
そうなればナサニエル国王の警戒心を緩める事もできるだろう。
テニソン侯爵を生きて捕らえることができて本当によかった。
名誉の戦死でもされていたら真実の証言をさせられなくなっていた。
死ぬ危険がある時には秘密にしている魔力を使って捕らえていましたけどね。
こう考えてみれば、ピーター国王はテニソン侯爵に逃げるように言っていたかもしれませんね。
ピーター国王に亡命するように言われても、テニソン侯爵が暗殺を恐れて従わなかったのかもしれません。
一番確実に秘密を守ろうと思うのなら、関係者を皆殺しにすべきなのです。
不義密通をなかった事にするならグロリアとテニソン侯爵を殺してしまえば一番簡単なのです。
テニソン侯爵が暗殺されないように細心の注意を払わないといけませんね。
グロリアはピーター国王に殺されずにすむのでしょうか。
「公爵閣下、今から首実検を行わせていただきます」
本当は生首など絶対に見たくありません。
見たくはありませんが、見ないわけにはいきません。
もう私は公爵令嬢ではなく公爵家の当主なのです。
事の結末を自分の目では確かめなければいけないのです。
油断と無能でグロリア達を逃がした失敗を繰り返すわけにはいかないのです。
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