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16.旅行3日目
3.おやじギャル
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遊び疲れた3人は、両親が待つパラソルの下に戻ってきた。加奈子はすぐさま日焼け止めをビニールバッグから取り出す。それを見た陸が言った。
「村上、塗ってやろうか?」
「エロいこと考えているな?」
がはははは、といった笑みを湛えて、加奈子は有紀子の隣に座って、微笑みを投げ掛けて続ける。
「有紀子ちゃん、背中に塗ってあげるから横になって」
陸は、しばらく2人の様子を見ていて加奈子に言う。
「エロい目で見ているな」
「分かるか? お主もエロよのぉ。わたしゃ、女に生まれてこんなにも喜ばしいことは無かったぞよ」
「ちょっとやめてよ、私の体で!」
顔を真っ赤にして起き上がった有紀子は、プンプンしながら日焼け止めをもぎ取って自分で塗り始めた。
しかしこう見ると、有紀子の方が色気があるんだな、と陸は思った。有紀子は普通に可愛い。だが、加奈子は特別可愛い。ボディラインも起伏に富んでいて、形も良い(見たことは無いけど、今ほぼ裸だから分かる)。
だが、どうだ。ビギニを着ているのにあぐらとは。陸は一瞬視線を落としてすぐに逸らした。布一枚隔てただけなのに、よく恥ずかしげもなくそんな姿勢を取れるものだ。だからだ、だから色気が無いんだ。陸は妙に納得した。
タイサイド・ビギニ姿の有紀子が見てみたい。うん、そうだ。加奈子にはラッシュ・ガードがお似合いだ。
さっき、かき氷を食べている時、陸は加奈子に姿勢のことを一度指摘していた。その指摘が一周して今に至っている。もう指摘しない。指摘する体力が無い。
指摘したその時返ってきた反応は、にやけながら「Hマンがいるぞ」だった。しかもその後、有紀子に腕を絡めて、「見よ、ゆっこのボディを!」と言う。
パレオをつければ? と陸は勧めたが、持ってこなかったらしい。理由は、「スカートみたいだから嫌だ」だった。「パンツみたいなのはいいのかよ」とツッコんだら、「我が友よ、一緒にゆっこの媚態を鑑賞しよう」と言う。そして付け加えて、
「美しい体という意味じゃないよ、エロい体(様子)という意味よ」…だと。
そして、逃げる有紀子を追い回していた。陸は、自分のパーカーを着こんで背の裏に隠れる有紀子を守りながら、冗談めいた口調で叫ぶ。
「有紀子を襲うな、エロ女!」
「あはははは」
なんというはしゃぎっぷりだろう。陸が投げつけるビーチボールをピョンピョンよけながら、加奈子は「うっはほーい!」と走り回っていた。
小ぶりなビニールボートを有紀子から受け取った陸は、浮き輪を持つ有紀子と一緒に追いかける。そのまま3人一緒に海に入って、遊泳可能範囲の真ん中辺まで泳いでいって、プカプカと浮かんでいた。
泳ぐのが得意な陸と加奈子は、怖がる有紀子をボートから落として遊ぶ。ふと陸が加奈子を見ると、遠い目で有紀子を見つめて笑っている。少し物悲しげに見えた。当の有紀子は陸にしがみついて浮いている。
(ああ、そうか)陸は思った。変なテンションで騒いでいたのは、俺と有紀子をくっつけるためだ。
今正にくっついている。有紀子は陸の首に両腕を回していた。彼女の胸は陸の胸に押し付けられ、腹部も下腹部も密着している。陸も露出した有紀子の背中に右腕をまわしていた。加奈子がいなければ、これほどまでに接近することは無かっただろう。
(なんて親友思いなんだ。自分にはそんな親友いない)
改めて、有紀子は幸せ者だと陸は思った。
「村上、塗ってやろうか?」
「エロいこと考えているな?」
がはははは、といった笑みを湛えて、加奈子は有紀子の隣に座って、微笑みを投げ掛けて続ける。
「有紀子ちゃん、背中に塗ってあげるから横になって」
陸は、しばらく2人の様子を見ていて加奈子に言う。
「エロい目で見ているな」
「分かるか? お主もエロよのぉ。わたしゃ、女に生まれてこんなにも喜ばしいことは無かったぞよ」
「ちょっとやめてよ、私の体で!」
顔を真っ赤にして起き上がった有紀子は、プンプンしながら日焼け止めをもぎ取って自分で塗り始めた。
しかしこう見ると、有紀子の方が色気があるんだな、と陸は思った。有紀子は普通に可愛い。だが、加奈子は特別可愛い。ボディラインも起伏に富んでいて、形も良い(見たことは無いけど、今ほぼ裸だから分かる)。
だが、どうだ。ビギニを着ているのにあぐらとは。陸は一瞬視線を落としてすぐに逸らした。布一枚隔てただけなのに、よく恥ずかしげもなくそんな姿勢を取れるものだ。だからだ、だから色気が無いんだ。陸は妙に納得した。
タイサイド・ビギニ姿の有紀子が見てみたい。うん、そうだ。加奈子にはラッシュ・ガードがお似合いだ。
さっき、かき氷を食べている時、陸は加奈子に姿勢のことを一度指摘していた。その指摘が一周して今に至っている。もう指摘しない。指摘する体力が無い。
指摘したその時返ってきた反応は、にやけながら「Hマンがいるぞ」だった。しかもその後、有紀子に腕を絡めて、「見よ、ゆっこのボディを!」と言う。
パレオをつければ? と陸は勧めたが、持ってこなかったらしい。理由は、「スカートみたいだから嫌だ」だった。「パンツみたいなのはいいのかよ」とツッコんだら、「我が友よ、一緒にゆっこの媚態を鑑賞しよう」と言う。そして付け加えて、
「美しい体という意味じゃないよ、エロい体(様子)という意味よ」…だと。
そして、逃げる有紀子を追い回していた。陸は、自分のパーカーを着こんで背の裏に隠れる有紀子を守りながら、冗談めいた口調で叫ぶ。
「有紀子を襲うな、エロ女!」
「あはははは」
なんというはしゃぎっぷりだろう。陸が投げつけるビーチボールをピョンピョンよけながら、加奈子は「うっはほーい!」と走り回っていた。
小ぶりなビニールボートを有紀子から受け取った陸は、浮き輪を持つ有紀子と一緒に追いかける。そのまま3人一緒に海に入って、遊泳可能範囲の真ん中辺まで泳いでいって、プカプカと浮かんでいた。
泳ぐのが得意な陸と加奈子は、怖がる有紀子をボートから落として遊ぶ。ふと陸が加奈子を見ると、遠い目で有紀子を見つめて笑っている。少し物悲しげに見えた。当の有紀子は陸にしがみついて浮いている。
(ああ、そうか)陸は思った。変なテンションで騒いでいたのは、俺と有紀子をくっつけるためだ。
今正にくっついている。有紀子は陸の首に両腕を回していた。彼女の胸は陸の胸に押し付けられ、腹部も下腹部も密着している。陸も露出した有紀子の背中に右腕をまわしていた。加奈子がいなければ、これほどまでに接近することは無かっただろう。
(なんて親友思いなんだ。自分にはそんな親友いない)
改めて、有紀子は幸せ者だと陸は思った。
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