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48.Wデート
4.陸♡里美 💘💘
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里美は、バスケットから2つのお弁当箱を出して広げながら、「どれが食べたい?」と訊いた。一緒にサンドウィッチを覗き込むふりをして、里美は目だけをあげて陸の様子を見る。選ぶ様子はとても楽しげで、少年のように可愛い。視線を揺らす度に微かに起こる空気の流れが、春の草原の棚引く緑の様だ
陸は、レタス、卵、ハムの三種類のサンドウィッチを選んだ。
「陸君それでいいの? こっちのチキンサンドとかじゃなくて?」気を使って一番シンプルなやつを選んだのではないか、と疑った里美が訊く。
「うん、さっきの話だと、この後おやつと夕食があるんでしょ? そっちの楽しみも取って置かないと」
「あはは、そうだね。でもそれだと私は満腹になっちゃうから、チキンは陸君が食べて。これ、陸君のために作ったの。(お母さんが作った)ハーブのサラダチキン(もも肉)、パンにちょっと塗ったハリッサがアクセントになってて美味しいよ」
「ハムのやつ取ったけどいいの?」
「うん、男の子なんだからたくさん食べて」
そう言って、里美は卵サンドとチキンサンド、レタスサンドとクロックムッシュを交換した。更に、具だくさんのボリュームサンドも陸にあげた。
楽しかった出来事を友達に教えてあげる子供の様に、堪えきれない喜びを満面に浮かべて、里美が陸を見る。
「クロックムッシュはホットサンドなの。のってる柚子が爽やかで美味しいの。こんがり感が絶妙だから食べ比べてみてね」
「うん」
陸は、サンドウィッチを手に取ってすぐ、パンがまだ温かいことに気が付いた。挟んであるチキンもだ。
「美味しい‼」そう呟いて、陸は里美を見て言った。「もしかして、ここ来る直前に作ってきたの?」
「そうだよ、本格的でしょ? パンから焼くんだよ。パンを焼くのはお母さんだけど、今日は早起きして私も手伝ったの。と言ってもオーブンに入れてボタン押しただけだけど(笑)。」
確かに、市販の食パンなんて足元にも及ばないふんわりした味わいだ。耳は薄くてパリッパリ、中はしっとりふわふわの綿あめみたいな優しい食感。
里美は、嬉しそうに話した。
「柔らかすぎて、切るのにも技術がいるの。私まだうまく切れなくて何度やっても潰れちゃう。だから千切って食べる。あはははは。
余計なものなんて何も入ってないのにすごく美味しいでしょ? 何もつけずにそのままでも満足できちゃう。私はまだうまくパン焼けないの。でもいつかはお母さんの食パンみたいに美味しい食パンを焼くつもり」
陸は話を聞きながら、マジマジとお弁当箱を見た。2箱のアケビの蔓で編まれた長方形のお弁当箱に、それぞれサンドウィッチが3つとピクルスが入っている。そのビジュアルの凄さに、「想像していたものより豪華だ」と、陸は驚いた顔で言った。
「どんなのが出てくると思ったの?」
「コンビニにあるやつ。レタスサンドと、卵サンドと、ハムサンド」
「200円位のやつ?」
「そう」
「そんなのが出来上がったら私怒るよ。500円も600円も材料費かけて何だこれは! って」
2人はクスクス笑った。
大満足の陸が、「こんなおいしいサンドウィッチを食べるのは初めてだ」と言ったので、里美はほっとした。
「やっぱり夕食は、僕が出すよ」レモンティを飲みながら、陸が言った。
「ダメ、私が出す」
「じゃあ、半分だけでも出させて」
幾度かの(実際二の腕を使った)押し問答を経て、夕食の代金は割勘で、おやつを里美が払うことになった。
陸は、レタス、卵、ハムの三種類のサンドウィッチを選んだ。
「陸君それでいいの? こっちのチキンサンドとかじゃなくて?」気を使って一番シンプルなやつを選んだのではないか、と疑った里美が訊く。
「うん、さっきの話だと、この後おやつと夕食があるんでしょ? そっちの楽しみも取って置かないと」
「あはは、そうだね。でもそれだと私は満腹になっちゃうから、チキンは陸君が食べて。これ、陸君のために作ったの。(お母さんが作った)ハーブのサラダチキン(もも肉)、パンにちょっと塗ったハリッサがアクセントになってて美味しいよ」
「ハムのやつ取ったけどいいの?」
「うん、男の子なんだからたくさん食べて」
そう言って、里美は卵サンドとチキンサンド、レタスサンドとクロックムッシュを交換した。更に、具だくさんのボリュームサンドも陸にあげた。
楽しかった出来事を友達に教えてあげる子供の様に、堪えきれない喜びを満面に浮かべて、里美が陸を見る。
「クロックムッシュはホットサンドなの。のってる柚子が爽やかで美味しいの。こんがり感が絶妙だから食べ比べてみてね」
「うん」
陸は、サンドウィッチを手に取ってすぐ、パンがまだ温かいことに気が付いた。挟んであるチキンもだ。
「美味しい‼」そう呟いて、陸は里美を見て言った。「もしかして、ここ来る直前に作ってきたの?」
「そうだよ、本格的でしょ? パンから焼くんだよ。パンを焼くのはお母さんだけど、今日は早起きして私も手伝ったの。と言ってもオーブンに入れてボタン押しただけだけど(笑)。」
確かに、市販の食パンなんて足元にも及ばないふんわりした味わいだ。耳は薄くてパリッパリ、中はしっとりふわふわの綿あめみたいな優しい食感。
里美は、嬉しそうに話した。
「柔らかすぎて、切るのにも技術がいるの。私まだうまく切れなくて何度やっても潰れちゃう。だから千切って食べる。あはははは。
余計なものなんて何も入ってないのにすごく美味しいでしょ? 何もつけずにそのままでも満足できちゃう。私はまだうまくパン焼けないの。でもいつかはお母さんの食パンみたいに美味しい食パンを焼くつもり」
陸は話を聞きながら、マジマジとお弁当箱を見た。2箱のアケビの蔓で編まれた長方形のお弁当箱に、それぞれサンドウィッチが3つとピクルスが入っている。そのビジュアルの凄さに、「想像していたものより豪華だ」と、陸は驚いた顔で言った。
「どんなのが出てくると思ったの?」
「コンビニにあるやつ。レタスサンドと、卵サンドと、ハムサンド」
「200円位のやつ?」
「そう」
「そんなのが出来上がったら私怒るよ。500円も600円も材料費かけて何だこれは! って」
2人はクスクス笑った。
大満足の陸が、「こんなおいしいサンドウィッチを食べるのは初めてだ」と言ったので、里美はほっとした。
「やっぱり夕食は、僕が出すよ」レモンティを飲みながら、陸が言った。
「ダメ、私が出す」
「じゃあ、半分だけでも出させて」
幾度かの(実際二の腕を使った)押し問答を経て、夕食の代金は割勘で、おやつを里美が払うことになった。
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