FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

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 一瞬きょとんとした奈緒だったが、くすりと笑って首を横に振る。
「ううん、ありがとう。でも いいの。なんでもかんでも 人の世話になるわ け に は いかない し、わたしは 出来るだけ 健常者と同じように 生活して いき たい から。右手が動かないのはもう しょうがないし、同じようには出来 ない けれど、でも、自 分 が 生きていくのに必要な、最低限のことは、満足できる形じゃなくても、やり 切り たい。それに、昔はそんなこと思わなかった けど、いろいろな人に 支えられて 生きてるん だなぁ、 、 、
 病気になって分かった。病気だからとかじゃなくて、学校でも。中学生の時は 勉強して 遊んでた だけだったし、それしか考えて いなかった けど、知らず知らずの う ち に みんなで 支えあって いたんだなぁっ、て 思った。そう思わせてくれたのは、南ちゃんのおかげ」
「わたしなにした?」
「前にほら、南ちゃんがぶちょーのはなしした。それで、いろいろ友達のこと思い出して、振り返ると、何気にした た の み 事 を聞いてもらったり、聞いたりし た し。頼んでなくても協力してくれたり、したりした。それもこれも南ちゃんが、ぶちょーを思い出して、話してくれたから だ と 思う」
「わたしが? 奈緒がしたんでしょ。なんでわたしが奈緒の中学時代の部活の部長知ってるのよ」
「知らない。なんで知ってるの?」
「こっちが訊きたいよ」
 南から、自分が知らない理由と、クラブの時に春樹を含めた三人で交わした美術部の会話の内容を説明されたが、奈緒はよく分からない様子で顔をしかめ、首を傾げる。
「でも、とりあえず、あの時の会話のおかげだから いいよね。なにか温かい気持ちがあって、それがなにか言い表せ なくて、もやもやして い た けど、南ちゃんと春樹君としたお話しで、答えが 出た。とか言って、やっぱり言いあわら、あわら……“言いあわらせ”られないけど。あら~って思うけど、いいの。幸せなんだなぁって思ったら、それで いいの」
 そう言って、奈緒は気が付いたように訊いた。
「あ、南ちゃん なんか いる?」
 奈緒が渡したのは、麻生地でできたクリーム色の四枚はぎのカットソーフレアスカート。
「もうだいぶ2nd way[リサイクルショップ]に売っちゃった。それ最後の一枚かも。ミニスカートとかは もう穿かないし」
 次に渡したのは、白いラッフルスリーブシャツ。
 手に取ったそのトップスの大きなドレープを眺めながら、南が困った様子を見せる。
「どうせもう、いらないやつだから。大したものでは ありません か ら」
 と、菜緒は恬淡した様子で勧めるが、悪い物ではないどころか、どちらかといえばいい物に見えるそれらを前にして、彼女は躊躇をやめない。
「うーん、うれしいけど、こういうのは着ないかな。そもそもこんな可愛い服着ると思う?」
「ううん、思わない。ふりょう だ か ら」
「なによー、その言い方。なに着ると思ってんの」眉をひそめて訊く。
「ボンダン」
「……」
 滑らかに答える奈緒を見て、「せめてスケバンスカートにして」と、南がぼやいた。



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