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一年生の二学期
第六十四話 お鍋の難
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十二月二十三日。終業式に出席したあと、なんとなく行われた二学期最後の補習が終了すると、奈緒は南を連れて、一目散に学校をあとにした。
自分の部屋に入るなりクローゼットを開けて、置いてあったデパートの大きな紙袋を二つ左手に取る。
「あら~、重たい。これ、重たい」
そう言いながら徐々に左手を下げて、大変さをアピールするかのように表情を歪める。
「いいよ、二つとも持つよ」南が両方とも受け取る。「でも寂しいね。クローゼットの中、スカスカじゃん」ドアのそばに紙袋を置いて言った。
「そんなことないよ、ほれ」
ほら、と、これ、が合わさったような発音で指さす先には、手に取りやすいように積まれた冬服がある。
南が、納得気味に言った。
「ああ、そうか。出してるからスカスカなのね。でも奈緒かわいいんだから、もっとおしゃれしたいでしょ」
「うーん。子供の頃はそう思っていたけど、今は もう 思わない。めんどくさいのが先に来る。それに、昔とは違うけど、今もおしゃれできてるから。もう当時のおしゃれは いーの」
「子供の頃って今でも子供じゃん」
「まあそうだけど、なんか遠い 昔に思 える。昔の写真 見ると、あんな頃も あったんだ なぁ、昔は若かったなぁ って。あはは」
この日、南は自分のお弁当を持ってきていたので、奈緒は母親に頼んで、自分の部屋にお昼ごはんを運んでもらって食べることにした。
持ってきてもらった料理が目の前に置かれた瞬間、きらきらと煌めいていた瞳が一瞬のうちに曇って、変な声を発する。
「うへぇ、変なのが入ってる。やだぁも~」
「美味しそうじゃん」南がのぞき込む。「ゆずの香りがするね。お野菜も豊富でバランスいいよ」
正方形のお盆には、一人用の浅い土鍋とご飯、おしんこ、そしてバナナとほうじ茶がのっていた。
自分の部屋に入るなりクローゼットを開けて、置いてあったデパートの大きな紙袋を二つ左手に取る。
「あら~、重たい。これ、重たい」
そう言いながら徐々に左手を下げて、大変さをアピールするかのように表情を歪める。
「いいよ、二つとも持つよ」南が両方とも受け取る。「でも寂しいね。クローゼットの中、スカスカじゃん」ドアのそばに紙袋を置いて言った。
「そんなことないよ、ほれ」
ほら、と、これ、が合わさったような発音で指さす先には、手に取りやすいように積まれた冬服がある。
南が、納得気味に言った。
「ああ、そうか。出してるからスカスカなのね。でも奈緒かわいいんだから、もっとおしゃれしたいでしょ」
「うーん。子供の頃はそう思っていたけど、今は もう 思わない。めんどくさいのが先に来る。それに、昔とは違うけど、今もおしゃれできてるから。もう当時のおしゃれは いーの」
「子供の頃って今でも子供じゃん」
「まあそうだけど、なんか遠い 昔に思 える。昔の写真 見ると、あんな頃も あったんだ なぁ、昔は若かったなぁ って。あはは」
この日、南は自分のお弁当を持ってきていたので、奈緒は母親に頼んで、自分の部屋にお昼ごはんを運んでもらって食べることにした。
持ってきてもらった料理が目の前に置かれた瞬間、きらきらと煌めいていた瞳が一瞬のうちに曇って、変な声を発する。
「うへぇ、変なのが入ってる。やだぁも~」
「美味しそうじゃん」南がのぞき込む。「ゆずの香りがするね。お野菜も豊富でバランスいいよ」
正方形のお盆には、一人用の浅い土鍋とご飯、おしんこ、そしてバナナとほうじ茶がのっていた。
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