FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の三学期

🌇

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 会話が途切れた三人が下を向いたままとぼとぼ歩いていると、急に南が顔を片手で覆って、かぶりを振る。
「あー、なんでわたし、あんな言葉かけちゃったんだろ。思い返すと、一字一句全部後悔の念しか思い起こさない。普通にしてたかったんだけど、表情ひきつっちゃったかも。そばまで寄ると高木のやつ、痛々しくってさ。なんか、ひび割れた金魚鉢から水が漏れているような顔してんだもん。中にいる一匹の金魚が絶望に苛なまれているようなさ。可哀想で仕方なかったよ。小山内の言う通り、みんな薄情すぎる。クラスのやつらだって何人かいたんだよ、女子も男子も。せめてクラスメイトくらいそばまで来て、称えてあげたっていいじゃないねー。試合中は、体の熱が観覧席まで伝わってくるほどの感じだったのに、燃え尽きたっていうか、灰になったみたいだったじゃん。健闘を称えて冷えた体を温めてあげないと、そのまま凍えて死んじゃいそうだったよ」
 嘆くように言って、後悔からくるストレスで悶えるように喘鳴した。
 落ち込んだ様子の心愛が、口を開く。
「言えただけまだいいと思う。わたし、真っ先に駆け付けたのに、声をかけるどころか、そばにも寄れなかった。どうしていいか分からなくて、見ているだけだったよ。もし、わたしがMVP選べたら、絶対……ひだまりなのに、伝えたいこといっぱいあるのに、気持ちが整理できなくて、言葉にならない」
「今から言ってきたら?」と、南が正門を出る前に立ち止まる。
 振り向いて、心愛が弱々しく笑んだ。
「ううん、やめておく。余計空気が冷えてしまいそうな気がするし。言い訳かもしれないけど、今はそっとしておいてあげたほうが、みんなのためにいいと思う。来週様子を見て、クラスの部員か、試合に出た高木君に伝える」
 言い終わって、自分に言い聞かせるように「うん」と頷いたすずらんは、日が暮れ始めた空を見上げて、悲しそうに口をつぐむ。
 奈緒たちも空を見上げた。乾いた冬の空は、会場の熱をすべて奪い取ってなお、冷たく静かに広がっていた。






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