FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🐿️

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「きょーと~ぅ? きょーとーせんせーとかじゃ ないよね? 誰と戦うの?」奈緒が更に渋い顔をして首を突き出し、懐疑的なまなざしを送る。
「場の空気と。一人じゃ窒息しちゃうけどぉ、三人いれば、とりあえず息する場所は確保されるしぃ。あの三席が安全地帯だって思えることが大事。なおちんも見ていて分かるでしょ、ひなちっちは弾かれちゃうタイプだって。あの子自主性ないしぃ、向上心ないしぃ、やる気もないしぃ、惰性で生きてるっていうかぁ、みんなが高校行くからわたしも来ましたって感じの子でしょ」
 瑠衣は、満足そうに玉のような唇の端をゆるりと上げて微笑む。
「当たり障りないけど特色もないし、普通。ひなちっちだけじゃなくて、大半のみんなは普通なんだけれどぉ、らしさがあるじゃない。それが場の空気で生まれた本当の自分じゃなかったとしても、その中になにか自分らしさを見つけて打ち込むことで、自己肯定しているんだと思う。でもそれって、主体性がないから多様性も生まれない、偽りの自分だと思うけど。ひなちっちは、そんな人たちの極まったもの」
「どちらがいいの? 南ちゃんとみんな」
「分からない。人生逃げ切っちゃえばそれで幸せって定義も出来ると思うけどぉ、生ませる前に死んだ可能性とかに気がついていないから、幸せに思えるだけなのかもぉ。気がついてしまったら、とっても後悔する人生に変貌する可能性が大だよ。同じ人生なのに。あれやっておけばよかったとかこれやっておけばよかったって気がつくよりも、知らないふりして目を背けていれば、幻想の幸福の中に浸っていられる。我が道を行くのは容易じゃないものねぇ。でも自我を押し通して一年来たんだから、小沢さんには苦じゃないのかもしれないしぃ、今は幸せなのかもぉ。結局、自分で選択したことだもんねぇ、なおちんのもとに歩み寄ったのも、鳥羽さんとぶつかったのも、廣飯さんと口論したり協力し合ったりしたのも、そしてなおちんから離れたのも……」
「前半は 分かった。でも 後半は 難しすぎて、なに言っているか  さっぱり 分から ない」
「自分を押し通すのは大変だけれど、押し通してしまえばつらいけど幸せだし、自分を押し殺すのは大変だけれど、押し殺してしまえば、つらいけど幸せ。小沢さんは自分で勝ち得た幸せを感じていて、みんなは、誰かからもらった幸せを感じているの、偽りの」
「南ちゃんは、不良だって差別されて幸せだっていうの?」
 
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