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二年生の一学期
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諦めた様子で一言返す南に、奈緒が笑いかけた。
「でもまさか、駅から歩か されるとは 思いもよりま せんでした」
「しょうがないじゃん、重かったんだから」
「失礼な」奈緒笑顔で憤激。
春樹が爆笑を抑えるように肩を揺らす。
「失敗だったな。俺かつっちーに頼めばよかったのに」
「うーん」奈緒が首をひねる。「春樹君はエッチなこと考えそうだからなぁ。そしたら務君選ぶかなぁ」
「ひどいやつだな、せっかく助けに行ってやったのに」
歯ぎしりをして右のこぶしを握った南が、光沢のある茶色い床を睨みつけた。
「よもや、半身不随の弱者に、ここまでの仕打ちができるのだろうかって思えるほどのやりようだったよね。それでいて、本人たちは悪気がなかったって言うんだから、信じられないよ。本当、集団心理って恐ろしい」
そして、顧いを詰めた相貌を奈緒に向ける。
「そうだ、前に言った通り、恨みが晴れないようなら、どこかに呼び出してボコボコにしてあげるけど、どうする?」
「やめてくださぁい、南ちゃん。そんなことだから、みんな 怖がるのよ」
「んじゃ、おでこに犬とか書いて授業受けさしてやってもいいよ。久々にいっちょやりますかぁ」
言葉の後半、明るい声を上げる南に、春樹が青ざめた。
「平然と恐ろしいこと言うのな。お前が言うと違和感なく聞こえるところが怖ぇーよ」
「いじめじゃないよ、昔はそういう刑罰あったんだって。犯罪者のおでこに犬って入れ墨ほるの。初犯は一、二犯目でノ、三班目で乀。最後にちょんと付け加えて犬になんの。上下関係をはっきりさせるために晒し者にする。ちなみにまとめて書くよ、油性ペンで」
ドン引き春樹。
「えげつねぇ」
「タイマンで負けたらそうなる決まりがあっただけで、お互い納得づく。まあ拒否したら先輩からリンチ喰らうかシメられるかするけどね。書かなかったら書かなかったで、こちっもなぜ書かなかったんだって因縁つけられてやられるし、しかたなかったの。わたしだってシメられた時は描かれたよ、バカとかアホとか死ねとか色々。当時はみんな、それが当然だと思ってたしね」
その話を聞いた奈緒と春樹は顔を見合わせ、苦そうな笑みを浮かべるしかなかった。
「でもまさか、駅から歩か されるとは 思いもよりま せんでした」
「しょうがないじゃん、重かったんだから」
「失礼な」奈緒笑顔で憤激。
春樹が爆笑を抑えるように肩を揺らす。
「失敗だったな。俺かつっちーに頼めばよかったのに」
「うーん」奈緒が首をひねる。「春樹君はエッチなこと考えそうだからなぁ。そしたら務君選ぶかなぁ」
「ひどいやつだな、せっかく助けに行ってやったのに」
歯ぎしりをして右のこぶしを握った南が、光沢のある茶色い床を睨みつけた。
「よもや、半身不随の弱者に、ここまでの仕打ちができるのだろうかって思えるほどのやりようだったよね。それでいて、本人たちは悪気がなかったって言うんだから、信じられないよ。本当、集団心理って恐ろしい」
そして、顧いを詰めた相貌を奈緒に向ける。
「そうだ、前に言った通り、恨みが晴れないようなら、どこかに呼び出してボコボコにしてあげるけど、どうする?」
「やめてくださぁい、南ちゃん。そんなことだから、みんな 怖がるのよ」
「んじゃ、おでこに犬とか書いて授業受けさしてやってもいいよ。久々にいっちょやりますかぁ」
言葉の後半、明るい声を上げる南に、春樹が青ざめた。
「平然と恐ろしいこと言うのな。お前が言うと違和感なく聞こえるところが怖ぇーよ」
「いじめじゃないよ、昔はそういう刑罰あったんだって。犯罪者のおでこに犬って入れ墨ほるの。初犯は一、二犯目でノ、三班目で乀。最後にちょんと付け加えて犬になんの。上下関係をはっきりさせるために晒し者にする。ちなみにまとめて書くよ、油性ペンで」
ドン引き春樹。
「えげつねぇ」
「タイマンで負けたらそうなる決まりがあっただけで、お互い納得づく。まあ拒否したら先輩からリンチ喰らうかシメられるかするけどね。書かなかったら書かなかったで、こちっもなぜ書かなかったんだって因縁つけられてやられるし、しかたなかったの。わたしだってシメられた時は描かれたよ、バカとかアホとか死ねとか色々。当時はみんな、それが当然だと思ってたしね」
その話を聞いた奈緒と春樹は顔を見合わせ、苦そうな笑みを浮かべるしかなかった。
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イラスト担当:さんさん
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