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二年生の二学期
🐙🍈
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南が、アメリカンスリーブを親指で直した。
「うちの近くには一つあるよ。おばあちゃんがやってる小さな商店のやつ」
「ふーん、今度食べようね。そういえばお父さんが、あっちやこっちのどこかの商店街に、キッチンカーで売ってるたこ焼き 屋 さんがあったって 言ってた。探したけどないの」
「へぇ、美味しいの?」
「ううん、くそまっずいって言ってた」
「なによそれ、潰れたんじゃない?」南が、読めない符牒を目の当たりにしたかのような目つきで、怪訝そうにベイビーバングをかぶった目元を見やる。
「分かんない。でも子供の時って言ってた。コンタクトレンズみたいな形していて、味付けしてない小麦粉の塊に、たこが入ったやつ。三百円」
「じゃあもうないよ」
笑いながら話を聞いていた務も店員から串を一本受け取り、ソースとマヨネーズを纏った熱々団々なたこ焼きを一つもらって口に運ぶ。
「高木が遊びに来ると、いつも買うんだ。ここのが一番うまいって。僕もそうだと思う。でも、大阪の梅田のほうに行くと生だこを使ったたこ焼き屋があるらしいんだ、ここの生地を使ってそれを食べてみたいって言ってた」
「へぇ~、気になるね、生だこのたこ焼き」
南が店のベンチに座って、味を想像するように宙を見やる。
「あーー、あーー」
突然、南の右側に回った奈緒が甲高い声で叫んだ。
「どうしたっ奈緒!」
南が、何事かと立ち上がって振り返る。
「あけて ください」
「なにを?」
「ここを 開けて ください」
自分も座りたいらしい。そう察した南が、胸を撫で下ろす。
「なんだよ、びっくりさせて」
呆れる彼女の左斜め前いた務が、薄灰色の折り襟Tシャツのハーフジップを揺らして大いに笑った。
奈緒が、商店街のほうを見やる。
「でもここいいなぁ。駅の目の前に大学があって 図書館があるって 書いてあった。本 格的なパン屋さんが二つもあって、キャロットケーキとたこ焼 きのお店がある。ここのキャロットケーキが人生で一番おいしいキャロットケーキでした」
「人生最後の時みたいないい方しないでよ」
「うちの近くには一つあるよ。おばあちゃんがやってる小さな商店のやつ」
「ふーん、今度食べようね。そういえばお父さんが、あっちやこっちのどこかの商店街に、キッチンカーで売ってるたこ焼き 屋 さんがあったって 言ってた。探したけどないの」
「へぇ、美味しいの?」
「ううん、くそまっずいって言ってた」
「なによそれ、潰れたんじゃない?」南が、読めない符牒を目の当たりにしたかのような目つきで、怪訝そうにベイビーバングをかぶった目元を見やる。
「分かんない。でも子供の時って言ってた。コンタクトレンズみたいな形していて、味付けしてない小麦粉の塊に、たこが入ったやつ。三百円」
「じゃあもうないよ」
笑いながら話を聞いていた務も店員から串を一本受け取り、ソースとマヨネーズを纏った熱々団々なたこ焼きを一つもらって口に運ぶ。
「高木が遊びに来ると、いつも買うんだ。ここのが一番うまいって。僕もそうだと思う。でも、大阪の梅田のほうに行くと生だこを使ったたこ焼き屋があるらしいんだ、ここの生地を使ってそれを食べてみたいって言ってた」
「へぇ~、気になるね、生だこのたこ焼き」
南が店のベンチに座って、味を想像するように宙を見やる。
「あーー、あーー」
突然、南の右側に回った奈緒が甲高い声で叫んだ。
「どうしたっ奈緒!」
南が、何事かと立ち上がって振り返る。
「あけて ください」
「なにを?」
「ここを 開けて ください」
自分も座りたいらしい。そう察した南が、胸を撫で下ろす。
「なんだよ、びっくりさせて」
呆れる彼女の左斜め前いた務が、薄灰色の折り襟Tシャツのハーフジップを揺らして大いに笑った。
奈緒が、商店街のほうを見やる。
「でもここいいなぁ。駅の目の前に大学があって 図書館があるって 書いてあった。本 格的なパン屋さんが二つもあって、キャロットケーキとたこ焼 きのお店がある。ここのキャロットケーキが人生で一番おいしいキャロットケーキでした」
「人生最後の時みたいないい方しないでよ」
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