FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

第百九十二話 秘められた想い

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 春樹は、苦しそうに歯を食いしばりながら、言葉の粒を落とし続ける。
「まとまりのないクラスをまとめるのに、ウィップスのダンス力を利用しようと考えるのは当然だろう? それに、いじめの中心にいたウィップスを落とせば、いじめ自体がなくなる」
「なぜそこまでしてあいつをかばうのよ。高木…お前、あいつと噂があったよね、もしかしてなにか頼まれたの?」
 春樹は、わなわなと震えながら、訥々と声にならない声を舌の上に転がす。絶望に打ちひしがれたような表情をして強張り、身を反らす。
「杏奈は――杏奈は、つっちーのことが好きなんだと思う。それを成就させてあげたい。奈緒が杏奈を許してくれれば、きっとつっちーも許すと思う」
 南の表情の端端に見えていた刺々しさがすうっと退いて、代わりに哀れみに似た雰囲気が醸し出される。
「そんなこと聞いているんじゃないよ、言葉を濁さないで。火のないところに煙は立たないっていうよ。あの女に言い寄られて、体と引き換えになにかを頼まれてたって噂があった。そんなの、アンチが仕掛けたうそだって思ってたけど――まさか……」
「違う。事実じゃねぇ。俺が声をかけて、つっちーと仲直りできるように仲介してやるって申し出た。プライド傷つけちまったみたいで、ひっぱたかれて、けんもほろろに断られたけど。でも仲直りさせてやりたいんだよ。あいつはずっとつっちーのことが好きで、ほとんど恋心だけで生徒会活動をまい進させてきたようなやつなんだ。小学校の時から児童会やってて、六年の時には会長やってたっていうから、みんな杏奈のこと強いって思っているんだろうけど、そんなことない。いろいろ活動してきたけど、一人で成し遂げられたことなんてなにもないじゃん。全部つっちーと二人三脚でなしてきたんだ。あいつの励ましやフォローがあったから、進んでこれた道なんだよ。気づいてないだろ、お前と言い争ってる時だって、すっげー足震えてたんだぜ、いつもいつも。そんな弱さや挫けそうな気持をひた隠しにしてやってきたんだ。どれもこれも、ただひたすら好きな人に振り向いてもらうためだけに」
「なぜそこまで――」
 口ごもった春樹は、瞬息逡巡すると、弱々しい声を零す。
「……友達だから。今なんとかしてやらないと、あいつ人生だめにしちゃうよ。あいつ親もあれだから、子供の頃からずっとエリートで、挫折なんて経験してこなかったんだろ。ああいうやつほど、ほんとは心がもろいんだよ。一人になったら、立ち直るなんてもう不可能かもしれない」







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