FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

🍭

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 窮地に立たされた様子の南が食い下がるのを、春樹が振り払う。
「それもそうだけど、たこ焼きの店員に三年の野球部員がいたんだよ。先生が大量にたこ焼き買ったことへの感謝に乗じて、杏奈が頼み込んだんだ。運動部系からのいじめは、息の根が止まったようにめっきり無くなっただろ。うそじゃねぇ。杏奈の名前は出なかったけど、バスケ部にも伝令回って来たから、すぐにピンときた」
「杏奈が立ち回ったって証拠ないじゃん。野球部の先輩が自主的にしたのかも」
「そんなら野球部の中だけで回るんじゃね? 部の垣根超えて回ってくることなんておかしいだろ。そもそもたこ焼きを焼いていた先輩はずっと外にいて、一年のダンスは見ていないんだぜ。そんな三年が、見ず知らずの一年に対してそこまでするか? それ自体がどう考えてもあり得ないし」
 南は押し黙った。先ほどまでの和気あいあいとした雰囲気とは一転して、重々しい空気が辺りを包み込む。
 奈緒が景色の変化に気がついて家の窓を見やると、レースカーテン越しに誰か女性がこちらを見ている。二人を止めるかどうか瞳を右往左往させた。
 一瞬眺め入った南が気を吐く。
「奈緒のためなんかじゃない。ウィップスのためだ」
「ちがう。杏奈が奈緒のために学年生徒会で他のクラスを説得したんだ」
「なに騙されてるの? 高木の言っていることおかしいよ、あれはダンス部創設のためでしょ。それを手土産にして、生徒会でのし上がろうとしていたんだよ」
「そう言わなければ、通らなかっただろ。学校にも他の学年にもメリットねーことなのに、なんで協力してくれんだよ」
「詭弁だ」
 南の顔が渋面と化す。それでも春樹はお構いなしに、のべつ幕なしに言い立てる。
「杏奈は、その件でクラスの吹奏楽部とか演劇部とか、大所帯の部員から突き上げられてたんだぜ、なんで自分たちが出し物できないんだって。でもそれを抑え続けた。そしてウィップスを抑えた。もともと奈緒と踊ることには全然やる気示さなかったじゃんか、散々嫌がっているのを説得し続けていたんだぜ」
「そのウィップスをけしかけて奈緒を襲わせたのは、どこの誰だったかしら。こっちの仲間だと思っていたのに、実はウィップスの仲間だった。裏切られた気分だよ。地域交流会にしても、ダンス部を作ったことに関しても、奈緒を利用して、はぐれ者だったウィップスを人気者にするためだったんだから」
 南が左の肘を右手で握って、三歩後ずさりした。春樹から離れたその短い距離は、訣別のための距離ともとれる異様な遠さに感じられる無機質な空間だった。









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