FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

🐿️

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 握ったこぶしを向ける南の力強い明眸を、春樹が命乞いをするかような瞳で見つめる。
「杏奈は、奈緒がいじめられていた時に、いつでも助けてきたろ」
「わたしたちも助けてきた」南が息つく間も与えず反駁。
「杏奈がどれだけ奈緒の居場所を作るのに奔走したと思ってんだよ、そんな頑張りまでもを否定すんのか?」
「だからわたしたちだってそれをしてきた。あいつだけが特別頑張ってきたわけじゃない。それに、あいつがいなくたって、わたしたちが一緒にいるだけで、それが居場所になる。なんの問題もなかった」
 衝撃を受けた様子で、春樹が言い返す。
「本気で言ってるのか? 奈緒が入学してきたばかりの頃のいじめで、真っ先に手を上げて庇ったのはお前だったかもしれないけど、杏奈がいなかったらそののろしも意味を成せなかっただろ。魚子たちと喧嘩沙汰起こして、全ておじゃんだった。違うか⁉」
「違うね。ウィップスなんて三人はすぐに黙らせられた。この間ので証明済み」
「それを誰が支持するよ。暴力で黙らせたとして、誰が支持してくれんだよ。そうならないように杏奈は、クラスをまとめようと必死だった。奈緒をクラスに馴染ませようとして、みんながそれぞれ様様な意見言い合うのと悪戦苦闘してただろ」
 南が首を傾げて宙を眼殺する。
「はっ、だからわたしたちも頑張ってきたって言ってるでしょ」
「でも出来なかった。杏奈だけが出来たんだ。表立ったいじめは鳴りを潜めたけど、実際なくなったわけじゃなかっただろ。直接奈緒が受けてた被害なんて氷山の一角だぜ、どんだけおどろおどろしい悪口が渦巻いていたか、お前だって気がついてたんだろ。それらを杏奈が全部受け止めていたんだぜ。奈緒が知らずにいられたのも、あいつのおかげだ」
「ひどい。今奈緒のまで言うことじゃないでしょ」
 春樹は、一瞬悔いるような表情を奈緒に向けたが、歯を食いしばって視線を南へと戻す。
「ダンスで奈緒へのいじめをなくそうって発案したのは杏奈だったろ。その話を通して実行するまで持ち込んだのもあいつだった。誰でも出来る芸当じゃないだろ、出来たか? 南に。クラス全員動かすなんて並大抵のことじゃないぞ、そればかりか学年全部までもさ。あれが決定的に効いたんだ、奈緒の居場所を作ることに。実際、地域交流会のあと、いじめ激減したじゃん」
「それは――奈緒の頑張りがあったから」








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