FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

第百九十一話 心の距離

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 車の停められていない駐車場で、バスケットボールを小脇に抱えた春樹が、奈緒から受け取った手紙を、言葉なく読み進めていく。その間この子は、南と共にどら焼きを食べながら静かに待っていた。
 白いスリムなTシャツに覆われた胸で大きく深呼吸した春樹が、おずおずと上目遣いで見つめる片目の半分が見えない少女に言った。
「でもさ、一方通行の便箋で出欠と希望日選択させても送り返せないんだから意味ないんじゃね?」
「ありゃりゃ」奈緒が頓狂な声を上げて戸惑い、困った様子の瞳で南に助けを求める視線を送ると、「やだぁ、もうだめだぁ、失敗したぁ」諦めた感を漂わせて、くよくよと自分をなじるように言葉を零す。
 女子が二人して面白い紛擾劇を繰り広げていたが、それを見てくすりとも笑おうとしない男が一人、思い余った様子で前のめりに言葉を発した。
「なあ、奈緒。杏奈のこと……。杏奈のこと、許してあげてくれないか」
 言葉を詰まらせた少女に変わって、南が答える。
「はあぁ? なに言ってるのあんた? 自分でなに言っているか分かってる? 杏奈がなにしたと思って言ってるの?」
「分かってる。取り返しのつかない裏切り行為をしたと思ってるよ。でもいつまでもこのままってわけにはいかねーだろ」
「わたしは絶対に許さないよ。あいつがなにをして、なにを言ったか覚えてるでしょ。あれから三カ月近くも経っているっていうのに、謝りに来もしない。謝ってきても許さないけど。そもそも、わたしたちが考えることじゃないでしょ、そんなこと」
「出来心だったんだよ。あの時の杏奈は、どうかしていた。どうにかして奈緒を助けたくて、ほとぼりが冷めるまで少し休ませようとしていただけなんだ」
「それがどうしてあんな酷い行為にいたるわけ? 初めっからそのつもりだったんだよ、あの女はっっ」













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