FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

🐿️

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 春樹が笑う。
「三回、四回も頭を引いてようやくちぎれるほど伸びんの? どんだけだよ」
「エビの他に、サイコロ状のじゃがいもとほうれん草が入っている。控えめなマスタードがエビの味を引き立てていて美味しい」
 春樹が自分の歯型がついた噛み口を見やる。
「見た目によらず、結構ボリューミーだな」
「胃袋に甘いものがたまってるって話もあるけどね(笑)」
 南が吹き出すのを堪えきって続けた。
「イタリアにパニーニってホットサンドあるけど、こっちのほうが食べやすいし、優しい味と食感で好きかも。どっちかって言えばカルツォーネに近いかな? ピザと食パンの差はあるけれど。今度お父さんに作ってあげよー」
「この棒なに味なんだろう?」務がつまみ上げる。
 奈緒が得意げに答える。
「みみ。パンの耳」
 南も一本手に取って、「それさっきわたしが言った」と付け加えた。「これ、二本で一本にくっついている。ラスクほどカリカリしてなくて、程よくしっとりだね。昔からパン屋さんで売ってる耳を揚げたお菓子とも違うし、チュロ[長細いお菓子]ほどお菓子お菓子してなくって、主食感がある」
 春樹も一本手に取って、ひとくちかじる。
「照り焼きソースがついてるところを見ると、挟んでから切り落としてるんだな」
 南が「なるほど」と頷く。「それに切る時、端がくっつくくらい圧力をかけるんだ。もしこれ食べ歩き用に三角に切らずに提供したら、いつまでたっても中身熱々だろうね」と感服する。
 その話に、奈緒が関心を寄せた。
「テイクはそうなの。すんごいよ、何十分経ってもやけどする」
「すでに経験者がいたよ」南が聞き流すようにつっこむと、「奈緒には敵わんな」と春樹が頷く。
 務が、壁に飾られた港の白黒写真を見た。右隣りには、緑の花瓶に生けられた赤い花束がえがかれた絵もある。
「雰囲気ある絵が多いよね。広さがちょうどいいせいか、アートに囲まれているように感じる。外は稀に車が通るけど、それ以外は静けさがある。こういう立地だからこそまた来たいって思える。アーケードも魅力的なお店が多かったけれど、このお店はここにあるからこそすばらしいんだと思う」
 奈緒が、頬をテーブルの中央に寄せる。
「枯れ葉の押し葉のようなものが、いくつか並んでいるでしょ? ああいうのを絵手紙で描きたい。リアルに描けないけど、“ふいんき”」


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