FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

第二百二話 ホットサンド

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 テーブルに最初のホットサンドが届いた。南が注文したアメリカンペッパーだ。思わず彼女が感嘆する。
「焼き色の模様がきれい。まるで正方形に広がる水波紋の影のよう。まあるいお皿に敷かれたオレンジや緑のラインと紫色した水玉模様の四角いペーパーも可愛い。なんだろこのスティック。パンの耳かな?」
 二つに切られたホットサンドに寄り添う一本のクラスト[パンの耳]をつつく。その他にも三本あるようで、斜めに切ったホットサンドの土台になっている。他には、つまみ部分が花の形になった緑のプラスチック爪楊枝に刺さった一口サイズのピクルスあった。
 南が、一緒に届いた奈緒のチキントマトを見やる。盛り付けは同じで、ペーパーは紫色一色。ピクルスに刺さった楊枝はピンク色。
「どうする? 待つ?」
 迷いを見せた奈緒たち二人に、春樹が鼓膜をくすぐるように優しく言った。
「いいよ、先食っちゃいなよ。熱々が一番おいしいんだろからさ。それに俺らのほうが食べるの早いだろうし」
 お礼を言った二人が、こんがり焼き色のついた二等辺三角形のホットサンドを手に取る。示し合わせたわけでもないのに、「あーん」と同時に口を開いた。
上下の歯で噛み切った南が、意外そうな顔をしてこぶしを口元にあてがう。
「チーズがあまり伸びないけど、キャベツの甘みとコンビーフの塩気にペッパーの辛みがよくマッチしてる。パンは薄くてサックサク。じゃがいもの柔らかな舌触りがアクセントになってるし、他の具材の味がそれによく乗っかってる。厚みもいいよ。薄すぎず厚すぎず、親指の第一関節くらいかな」
 奈緒が「ふふん」と勝ち誇ったような笑いを鼻から吹く。
「わたしのチーズは 超伸びる。チキントマトって言うくらいだから、トマト ソースの味かと思いきや、トマトの味 しない。あっさりした味。あ、下のほうにあった。たぶん次かじるとトマトの味するよ、きっと。たぶんだけどね。なんか鶏肉入ってるよ」
「そりゃ入ってるよね、チキントマトなんだから」務がつっこむ。
「んふふ、他に“ブロッコリン”がシャクシャクする。トマトの果汁が熱すぎて、やけどしちゃう」
 カウンターの奥から、チン、という乾いた音がすると、間もなくして春樹のキャベツチキンと、務のWシュリンプが届く。
 眼前に置かれるや否や、春樹がすぐさまかじりついた。
「照り焼き味だ。これは本当に日本の誉れだよな。鶏肉とキャベツと照り焼きソースの組み合わせは王道。どんな料理にしても間違いねぇ」
 言い終わった直後、三人の注目を務が集めた。
「なにこれ、チーズがちぎれない」



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