FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

第二百十一話 心愛の洞察力

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 信じられない光景が、コートの内側で展開している。バスケの申し子のような春樹の動きにキレが無くなっていて、保徳選手から赤子のように弄ばれるようになってきていた。
 切り込む敵をとめようと、春樹がフリースローラインの内側に立ちはだかるが、保徳選手はいとも簡単にすり抜けていく。
 慌てて回り込んだ勢いで敵を追い越してしまった春樹が戻る間に、ペイントエリアでバスケットシューズをキュキュッと鳴らした保徳選手が、ジャンプシュートの態勢に入る。ボールが弧を描くであろうと思われる空中に手を伸ばす春樹の意表をついてアンダーハンドパスを発し、ゴール下で受けた選手が運動会の玉入れのように放り入れた。
 心愛が嘆息する。
「春樹君がフェイントに翻弄されるようになってきた。息も上がってるし、敵についていけていない気がする。どうしたんだろう」
 第二クウォーターが終盤に差し掛かると、29対40で11点差を追いかけるひだまり高校。蜂が飛ぶように一線を引くボールをゴール手前で受け取った春樹が、フックシュートを決めれば、今度は本田が3ポイント。他の選手のシュートも立て続けに決まって、じりじりと詰め寄っていく。だが、保徳も黙っていない。キャプテンが連続で3ポイントシュートを決めると、38対46。三度[みたび]3ポイントをきめて38対49。流れを渡さそうとない。
 ハーフタイムに入ってベンチに集まって話しているひだまり選手たちを、座った姿勢で身を乗り出して見ていた心愛が、恐る恐る言った。
「高木君以外の攻撃を育てられたから、マークしてくる敵を出し抜いてみんなで攻撃しているんだと思っていたけれど、なんか違う。春樹君の調子が出ないから、周りがやらないといけない状況に陥っていたのかも」
 南が、第三クウォーターが始まってコートに戻った彼の動きを観察するように視線で追いかける。
「確かに。瞬時にマーク剥がすことなんてお茶の子さいさいなのに、それしないもんね。しても変なところにドリブっていくし」
 三人の目の前には、果敢にトライするも、放ったシュートが得点に繋げられない春樹の姿があった。










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