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二年生の二学期
🍭
しおりを挟む帰り支度をする者たちが徐々に出始める中、三人は、応援しすぎて身も心も疲れ切ってしまったのか、へとへとな様子で呆然と背もたれに寄りかかっていた。しばらくそんな調子であった中、なんとか気をつなぎとめた心愛が、一人立ち上がる。二人と膝をぶつけながらベンチの間にある通路へと出ると、ついてこない連れたちに気がついて振り向き、少し逡巡してから手すりへと駆けて行って、身を乗り出してひだまりの選手が集まってできた塊のほうを見る。
立ち上がろうとした南の手首を握って引いた奈緒に向かって、彼女が頭を倒す。
「行かなくてよかったの? 小山内はコートに下りて高木をねぎらいに行こうとしていたんだよ。わたしたちも行ったほうがよかったんじゃない?」
「っんははは」奈緒が、困ったような笑いを吹いた。
玉響、南の顔から表情が消える。だが冷たい印象は受けない顔色だ。
「高木のやつ――」
南は何かを言いかけてやめた。息を吸いなおして、また口を開く。
「しかし不甲斐なかったね。わたしが小山内について立ち上がろうとした時に、君が手を引いて止めたけど、それでよかった気がする。そうじゃないとわたし、高木のそばまで行った時に、がさつに蹴飛ばしてたかもしれない。危うく負けそうだったじゃん、このふぬけ、もっと3ポイント練習しとけ、とかなんとか言っちゃって」
「ざっくりと言ってるけど、ひどすぎ。疲れ切った春樹君に言ったら息絶えちゃうかも」
「まあなんにしてもよかったよね。これで来週まで首の皮が繋がったから、しっかり疲れ癒して、最終の決勝リーグも勝ち進んでほしいよ、わたしは」
ぎょっとした奈緒が、南へと顔を向ける。
「まだ続くんですか?」
「痛いよ、手首。いいかげん放して」
「ごめん。いつもみたいに、ちゃちゃいちゃちゃいってしてくれればいいのに」
「ああ、いつもみたいなちゃっちい練習試合もどきじゃないから。これ、本番に向けた予選だもん。来週勝ったら、東京代表としてウィンターカップに出るんだよ。そしたら十二月に道府県の代表たちと戦っていくんだからね」
「わちゃぁ、もう結果だけ聞きましょうね、わたしたち」
奈緒は、もうなんかいい感じでした。いい意味で。
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