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二年生の二学期
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舞い落ちるフケを見て、思わず後退りした奈緒に、面倒くさそうに眼輪筋を歪めて瞼をしばたかせると、右手をTシャツの丸首に入れて胸元をボリボリ掻きながら、突き飛ばすように言い放った。
「知らねぇなら帰ってくれ。かまっている暇はねぇんだ」
「おさがしもの ですよね、そうじゃないかと思って、前もって買ってきました。お土産、買ってきました。レタスと、牛肉と、ナスと、じゃがいもと――――…バナナ」
それを聞いた瞬間、態度が豹変の恭介。
「おお、地獄に仏。なんか作ってやるから、中に入ってくれ、さあさあ――って、ちょっと待て。酒はどうした? 肝心の酒は?」
「ないよ」奈緒がきょとんとして答える。
愕然とした恭介が喚き散らす。
「なにやってんだよ、はぁはぁ、動悸がつらい、息苦しい。買い物かごもってなにしてきたの? ったく、これだから子供は……ろくな買い物も出来やしねぇ」
「南ちゃんがだめよって」
「あんなやつの言うこと聞くとこねぇ。今からでも遅くねぇから、すぐに行って買ってきなさい」ぴしゃりと言い切る。
「でも、南ちゃんに 言うよ。無理やり買いに行かされました、わたしのお金でって」
応答に窮した恭介が、答えを求めるように一瞬虚空に視線を辿らす。
「でもあれだぞ。震える手で包丁握って指切ったら、あいつのせいだぞ。そん時は慰謝料請求してやるぞ。お前にもな」
「えー? じゃあ、わたし帰る」
「わー、待て待て。食いもんは置いてけ」
「お酒ないよ」
「いいから」
「一人で食べる気だ。いっぺんプロだと言われるお父様のお料理、食べてみたいんだけれどなあ」奈緒が眼力を添えて返事を待つ。微妙な間が開いた。
「美味いもん作ってやるから、入れ入れ、ちくしょうめ」
「わーい、やったぁ」
「ったく、足元見やがって」そうぼやきながら、恭介はこの子を中へと招き入れた。
部屋の中は、当然のことながら純在来建築で、少しリフォームした跡がある。玄関を上がるとすぐに廊下が横たわっていて、床には薄オレンジ色のシートが張られていた。靴を脱いだ奈緒が、冷えたもちのような中途半端な柔らかさのクッションフロアの上に足を乗せる。
「知らねぇなら帰ってくれ。かまっている暇はねぇんだ」
「おさがしもの ですよね、そうじゃないかと思って、前もって買ってきました。お土産、買ってきました。レタスと、牛肉と、ナスと、じゃがいもと――――…バナナ」
それを聞いた瞬間、態度が豹変の恭介。
「おお、地獄に仏。なんか作ってやるから、中に入ってくれ、さあさあ――って、ちょっと待て。酒はどうした? 肝心の酒は?」
「ないよ」奈緒がきょとんとして答える。
愕然とした恭介が喚き散らす。
「なにやってんだよ、はぁはぁ、動悸がつらい、息苦しい。買い物かごもってなにしてきたの? ったく、これだから子供は……ろくな買い物も出来やしねぇ」
「南ちゃんがだめよって」
「あんなやつの言うこと聞くとこねぇ。今からでも遅くねぇから、すぐに行って買ってきなさい」ぴしゃりと言い切る。
「でも、南ちゃんに 言うよ。無理やり買いに行かされました、わたしのお金でって」
応答に窮した恭介が、答えを求めるように一瞬虚空に視線を辿らす。
「でもあれだぞ。震える手で包丁握って指切ったら、あいつのせいだぞ。そん時は慰謝料請求してやるぞ。お前にもな」
「えー? じゃあ、わたし帰る」
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「わーい、やったぁ」
「ったく、足元見やがって」そうぼやきながら、恭介はこの子を中へと招き入れた。
部屋の中は、当然のことながら純在来建築で、少しリフォームした跡がある。玄関を上がるとすぐに廊下が横たわっていて、床には薄オレンジ色のシートが張られていた。靴を脱いだ奈緒が、冷えたもちのような中途半端な柔らかさのクッションフロアの上に足を乗せる。
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