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二年生の二学期
第二百二十九話 誓いの揚羽蝶
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理沙が、雰囲気を変えようとでもするかのように、「くすり」と笑う。
「そうだ。あんた、まだちゃんとタトゥーある?」
そう言って左腕だけセーラー服を脱いで、左肩を曝け出す。二の腕には、濃淡のある紫色でえがかれた揚羽蝶の入れ墨がある。
「もちろん」
南がスウェットをまくり上げて、ブラに包まれた左のまあるいふくらみの下の同じ刺青を見せた。
「萌音は?」
ピープルトゥからのぞく白くマネキュアが塗られた爪をいじっていた彼女が、間をためて顔を上げ、にんまりと笑む。
「わたしのは見せんの大変」
そう言って、左肩を露出させて、ずいっと突き出す。南がスクエアネックに施された黒レースのレイヤードに指を引っかけて肩の背中側を覗くのに合わせて、奈緒も覗いた。やはり、同じ揚羽蝶の刺青がある。
「真理は増えてたりして」
南が笑うと、「ご名答」理沙が答えて、萌音と一緒になって笑った。
肩を隠して自分のモルブラライト[たばこ]のボックスからたばこを抜いて咥えた萌音が、先端にライターの火を当てた。
「あの子は、全身入れ墨だらけだよ。胸元にある元々のアゲハに加えて、背中全体から左の二の腕と左右のふとももの裏までいっぱいにたくさんの蝶が舞い飛んでる。色鮮やかですんごいきれいなの。それに幾つかバラとかひまわり咲かせて、花びらが舞い飛んでる。それと、右足の内腿に、七色の揚羽蝶の入れてた」
「あいつらしい」
しみじみと呟いた南に、奈緒が訊く。
「その人はどこにあるの?」
「タトゥー? 胸のこのへん」右の胸骨端をこねる。
萌音が差し出したボックスから突き出した一本を、手のひらをかざして断った南をなんとなく見やりながら、理沙が肺まで入れたモビアス[たばこ]の煙を天井に向かって吹き出した。
「それにしても南、あんたたばこやめたんだね。よくやめられたと思うよ。あんな吸ってたじゃん。一週間で二カートンくらい」
「うん。でもそこまで吸ってないよ。十…二、三箱くらい。高校入れるってことになった時に、一念発起してやめた。電話で時報聞きながら最後に一本吸ってさ、もう二度と吸わないって誓いながら、日付が変わるまでのカウントダウンで煙吐ききって、残りは捨てた」
「そうだ。あんた、まだちゃんとタトゥーある?」
そう言って左腕だけセーラー服を脱いで、左肩を曝け出す。二の腕には、濃淡のある紫色でえがかれた揚羽蝶の入れ墨がある。
「もちろん」
南がスウェットをまくり上げて、ブラに包まれた左のまあるいふくらみの下の同じ刺青を見せた。
「萌音は?」
ピープルトゥからのぞく白くマネキュアが塗られた爪をいじっていた彼女が、間をためて顔を上げ、にんまりと笑む。
「わたしのは見せんの大変」
そう言って、左肩を露出させて、ずいっと突き出す。南がスクエアネックに施された黒レースのレイヤードに指を引っかけて肩の背中側を覗くのに合わせて、奈緒も覗いた。やはり、同じ揚羽蝶の刺青がある。
「真理は増えてたりして」
南が笑うと、「ご名答」理沙が答えて、萌音と一緒になって笑った。
肩を隠して自分のモルブラライト[たばこ]のボックスからたばこを抜いて咥えた萌音が、先端にライターの火を当てた。
「あの子は、全身入れ墨だらけだよ。胸元にある元々のアゲハに加えて、背中全体から左の二の腕と左右のふとももの裏までいっぱいにたくさんの蝶が舞い飛んでる。色鮮やかですんごいきれいなの。それに幾つかバラとかひまわり咲かせて、花びらが舞い飛んでる。それと、右足の内腿に、七色の揚羽蝶の入れてた」
「あいつらしい」
しみじみと呟いた南に、奈緒が訊く。
「その人はどこにあるの?」
「タトゥー? 胸のこのへん」右の胸骨端をこねる。
萌音が差し出したボックスから突き出した一本を、手のひらをかざして断った南をなんとなく見やりながら、理沙が肺まで入れたモビアス[たばこ]の煙を天井に向かって吹き出した。
「それにしても南、あんたたばこやめたんだね。よくやめられたと思うよ。あんな吸ってたじゃん。一週間で二カートンくらい」
「うん。でもそこまで吸ってないよ。十…二、三箱くらい。高校入れるってことになった時に、一念発起してやめた。電話で時報聞きながら最後に一本吸ってさ、もう二度と吸わないって誓いながら、日付が変わるまでのカウントダウンで煙吐ききって、残りは捨てた」
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