FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

🍭

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「はい、がんばり ます」
 笑顔ではきはき答えた奈緒が続ける。
「そういえば、“はちゅか”の日の帰り道で、前の日に南ちゃんのおうちに行った時に、へそくり隠したって言ったでしょう。それ 返すね。はいどーぞ」
 机の一番上の引き出しからお年玉用のポチ袋を取り出して差し出す。
「ああ、ありがと」
 南は中身を確認すると、一枚も取り出すことなく奈緒に差し返した。
「この間、ブチャにお金盗られちゃったでしょ。それ返す。ごめんね」
 意表を突かれた奈緒が、慌てて左手を唇の前に掲げて激しく横に振ると、「ううん、ううん、いいのよべつに。それに多い」そう繰り返して、南の手を押し返した。
「いや、受け取って。奈緒がいなかったら、今頃わたしもあいつらと一緒になって逃げていたはずだから。すごい恩義を感じてるの。もしあなたがわたしを見つけてくれなかったら、もう一生を棒に振ることになっていたと思う。一生恩返ししても返しきれないくらい感謝してる」
 真剣にお礼を述べる南の眼差しを見て、奈緒はデレデレもじもじと照れて、自分の頭を撫でる。
「そうだ。お父さんとどうだった? すごく心配して 泣いてたんだよ。お久しぶりで、なにか話しましたか?」
  馥郁たる花が咲き誇るように笑みを湛えた奈緒に、南が顔を赤くして首を傾げる。
「ほんとに~?」
 信じていないのか、訝しげな顔をして続ける。
「お父さん、俺たちは物事の皮相しか見ていなかったんだ。奈緒ちゃんに感謝して、これからは酒を酌み交わしながら腹割って話そうぜ、だって。やんなっちゃう。だからしばいてやった」
「あはははは、面白いお父さん だったよ ねぇ。でも本当にお料理できるの?」
「どういうこと? 一応一つ星シェフだったけど。美味しくなかった?」
「ううん、おいしかったよ。わたしも手伝ったから。でも、わたしが披露したお料理の技、知らなかった」
「ふーん。まあ、イタリアン以外の技術になると分からないことも多いだろうね」
 南は、奈緒が言いたいことがよく分からない様子だった。





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