FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

🍭

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 南が、鷹揚に笑みを湛えた。
「それでこそ、菜緒だよ。わたしは、君をなにがあっても応援する。それがひいては、わたしの力にもなるって信じてるし」
「みんなの助けがあれば、わたしは幸せです」奈緒も笑みで答える。
「お互い助け合うんだよ。わたしが腐らずいいままでやってこられたのは、奈緒がいたからなんだよ。みんな口にはしないけれど、男子にも女子にも、励まされた子、多いと思うよ」
「てへへ。そしたら、旅行が楽しみです ねぇー」
 奈緒は、「そうだ」といった面持ちで、ふと部屋を見渡した。
「あれだ。あれもらった。来年のカレンダーもらった」
 机の一番下の引き出しを開けて、それを取り出す。
「見てこれ。世界の風景写真がきれいでしょ? ここ、こうこうってなっているから、使いやすい」
 今年のカレンダーと見せ比べながらの説明を受ける南は、書き加えられた文字を見る。
「ああ、日付のとこがマス目になってるから、メモとか書き加えられるってことね」
「うん、そう。だから、今のうちに卒業旅行のことを 書き加えておく。最初に書く出来事。わたし、あれするこれするって思っても、すぐに忘れちゃう。でも書いておくと、忘れないから、出来る。出来るって言うのも変だけれど」
「夢や目標は書き出したほうが、現実にできるっていうものね」
 奈緒は、三月のページを広げて床に置き、アゲハちゃんボールペンを構える。
「ここに書いておこう」
 驚いた南が止める。
「え? そこ来年のだよ。わたしたちが卒業するのは再来年の三月じゃない?」
「そう。だから、三月」
 おかしなものでも見るかの如く顔を上げた奈緒に、南が続ける。
「来年三月っていったら、三年に進級する前の春休みだよね。ていうか、今書き入れようとしたところ、まだ三学期中だと思うよ」
 奈緒は、首を傾げてしばらく考える。
「じゃあ、何月に書けって言うの? 三月は 三月よ。他にはないのよ」少し憤慨した様子だ。
 何度も何度も丁寧に説明を受けて、ようやく理解することができたこの子は、なんとなく腑に落ちない様子を見せながらも来年のカレンダーをかたづけて、いつものカフェへと向った。
 南が行方不明だった時間を全て埋めようとでもするかのように、とても長い時間を楽しくおしゃべりして過ごした。









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