FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

第二百四十話 青色の服を着た男の子

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 十二月二十七日。本年最後の開館日だった今日、奈緒は冬休みに読む本を何冊かかりに中延の図書館を訪れていた。
 その帰り道に荏原文化センター通りを歩いている時、「奈緒―」と声が響いて顔を上げる。そこには、はなみずき公園の入り口の向こうを歩く南がいた。
「あらー、どうしたのー?」奈緒が早歩きになって、紺色のトートバックを引っかけた手を一心不乱に振る。
「朝電話でうちに来るって言ってたけど、よく考えたら、お父さんにお酒の無心されるんじゃなかなぁと思って、こっちから来た」
「年末くらいお酒やめなさいって言わなきゃだめよ」
「年末だから飲むんだって反論されるよ」
 南が、奈緒の全身を上から下へ、そして下から上へと見た。この子は、いつも通りの格好で、もこもこした厚手のボアコートに、オーカーベースのチェックで、フルレングスの茶色い脚衣を穿いている。口元はふわもこマフラーに隠れていて、右手はマフに差し込まれていた。
「奈緒の格好は、いつ見ても安心する。薄桃色の白い羊みたいな可愛いらしい恰好をしてるから。流行りとも違うし、女子高生らしくもないのがいい」
 この子のフロントを飾る水牛の角でできたトグルをいじる。
「あ、可愛い」南がこの子の頭を見て、思わず声を上げた。
「ほんとー? えへへ」奈緒は、ベレー帽を大きくしたようなダークグレーのニット帽を恥ずかしげにさする。
「なんか、しいたけの子供みたい」
 頭をなでた南が、ふと気が付いた。
「ん、なんか硬い」
「うん、へるめっと」
 奈緒が後頭部を見せる。後ろから見ると小籠包のようにねじれていて、余計に可愛い。
「障がい者の?」南が訊く。
「うん」
「大きいんじゃない? 歩くうちにずれるじゃん」
「うん、だからこうやってこうなの」アタマを左右に揺らす。
「どうやってどうなの?」
「だから、こうやってこうなの」今度は斜め前後に揺らした。
「分かんない」






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