FRIENDS

緒方宗谷

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三年生の一学期

🐿️

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 奈緒は、なぜ自分が誘われたか特別説明されたわけではなかったが、要するに、来るはずだった鏡花の代わりとして、人数合わせに呼ばれたようだった。
 話を聞いていたこの子に、麗が微笑みかける。
「鏡花と仲悪いんだっけ? 悪い子じゃないんだけどね、わたし友達だから」
 いやな顔をした奈緒に、彼女が続ける。
「手を出さないでって、わたしからも言っておいてあげたから大丈夫だよ。それに、小沢さんが戻ってきて、いつシメられるか分かんなくて、すっごい怖がっているよ。ヤンキーに拉致られたとかって事件だってあったしさ」
「うそだよ、そんなの」
 奈緒の言葉を受け流して、麗が黒目がちでつぶらな瞳を優しく細める。
「和解したいんだよ。猛烈に反省してるから、仲直りのしるしに一緒に遊びたいってさ。でも、いじめられたんだから許せないよね。だから、あの子がいない時にわたしたちだけで遊ぼうよ」
 彼女は目じりが上がっていたが、薄い眉が緩やかな八の字だったので、狐顔ながらもあまりきつそうな印象を受けない。
「小沢さんには内緒にした?」麗が奈緒に訊く。
「うん。した。今日来る“ひぽ”たちは芸能人だって聞いたから」
「うん。まだそんなメジャーじゃないけど、世田谷区内のストリーミングランキングでは月間一位にもなったことあるらしいよ。わたしもよく聴いてて元気出る」
 そう喋る麗の黒いプリーツスカートから延びる内腿の間を、玲央名が見やる。
「小沢さんに言ったらどこに漏れるか分からないからね。お喋りそうな高木君とかもそばにいるし。でも成瀬さんも、他の誰であっても言っちゃいけないよ」
「うん」奈緒が頷く。
「それでいて、みんながファンになるように色々応援してあげるの」
「でも、芸能人なのに、女の子と会っていいの?」
「自分たちで事務所立ち上げて、ネット上で歌公開しているような地元系だから大丈夫。こういうのもファンサービスの一環だから。でも気に入ってもらえると、本当の彼女にしてもらえるかもしれないから、今日は気合入ってんの」
「勝負パンツ穿いてきた」麗が「きゃはは」と笑って手を叩いた。









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