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三年生の一学期
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
しおりを挟む「……なにが不安で心配なの?」南がこの子の黒星の奥を見ようとした。
「その人のこと好きかもしれない。もう一度会いたいなぁ」今にも花開くつぼみのような笑みを浮かべた。
「そっちか、わたしはまたクスリ飲まされて、ひどいことされたのかと思った」
「くすりって?」
南が困った顔「あー、あー、えっと……、眠り薬とか、ドラッグ系とか?」
「えー⁉」奈緒が驚く。同時に自分の声にも驚いて首をすぼめて、辺りを見渡した。
「飲み物とか食べ物になんか入れられてなかった?」
奈緒が思い返すように虚空を見やる。
「わかんない」
「ていうか、なんで奈緒んち知ってたんだろ?」
「知り合いとか?」
「それなら、君が誰だか知ってるんじゃないの? おばさんも知ってるだろうし、もし知らなくても、その彼が自己紹介するでしょ」
「でも、お母さんが、高校生くらいだって言ってた。あ、そうだ。学校の人かも しれない」
「なら、なおさら、自分の身元を明かすでしょ。何組の誰それですって」
二人は、ああでもないこうでもない、と意見を取り交わしていたが、この子が「あっ」と気がついて、問答に終止符が打たれた。
「わたしのてさげに、障がい者手帳が入ってる。もしかしたら、それ見たのかも」
「それなら合点がいくか。一番あり得そうな話だよね」
奈緒が、昨日の彼の残り香を吸い込んだかのようにして笑った。
「でも、楽しかった。そうだ、今度一緒に合コンしようか。久しぶりに」
「久しぶりって、いつしたの? わたし誘われたことない」
「中学の時」
「なんと。ずいぶんませた子共だったんだね」
「うん。他校の男子とカラオケパーティーしたり、ダブル[ハンバーガー店]でお食事したりした」
「それは合コンとは言わないんじゃない?」
「そうかな? 南ちゃんはしたことないの?」
「合コンっていうか。貫徹で飲み会とか。集会で乱痴気騒ぎ起こしてたとかならあるけど、俗に言う合コンっていうのはないね」
「じゃあ、しよう」
「いいよ、やめとこう。体だけが目当ての男になんか引っかかったら、奈緒大変だよ。ちゃんと吟味しなきゃ」
「ずいぶんとうがった見方するのね」
「世の中、土屋や高木みたいなやつのほうが珍しいと思うよ。もう合コンの話は、今後封印。いいね?」
「うん」と答えた奈緒に何度も言い聞かせた彼女は、別れを告げてからバイトをしているドラッグストアへと向かっていった。
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