65 / 107
新たな旅立ち
1
しおりを挟む
ある朝、ミリィは旅立つことを決めた。
既に旅の目的(ラーミに会う事)を果たしたミリィは、ルーゲイル退治のために、とりあえず城に情報を訊きにいくことにした。
2人だけでは危なっかしいと、ウォーロックが同伴することになった。ミリィにとっては、戦闘面で楽になる、と嬉しい限りだったが、サラは別の意味で嬉しそうだ。
「ウォー君も行くんだ~!!」
「あぁ、お前らじゃ、いくら命があっても足りないからな」
ウォーロックは、赤くなりながら言った。
(あ~、雨上がりで寒いはずなのに、熱いわ・・・)
ミリィまで赤くなる。
戦いが終わったばかりだと言うのに、フィリスは大変なにぎわいだった。中半壊した多くの建物を修繕しなければならないから、首都の男たちは総出で働いている。
さすがに規模の大きい城の修復は始まってすらいない。オーストテリス城を抜けると、沢山の大工が、応急措置のための資材の山を宮殿に運んでいる真っ最中だった。
正門の前まで来ると、兵士たちが並び、誰かを送り出すところのようだった。
兜で顔は見えないが、軽装備の国境騎士・・・。まさかと思ったが、一応、整列している騎士に誰かと聞くと、案の定ラングだった。
天使出現によって、今のフィーリアン騎士がそれほど強くは無い事が明らかになった。そこで、国を守る力を旅で身につけ、それを騎士たちに伝授するという任務を任されたらしい。
ラングは3人に気付き、馬を下りて近づいてくる。
「お前、国境騎士小隊隊長だったのか・・・」
ウォーロックは、少し驚いた様子で尋ねる。
「・・・? そうだが、なぜ?」
「ソードウェーブはともかく、剣は素人だな」
ラングは痛いところを突かれた。
普段、トロルやゴブリンとしか戦わない(やつらと戦うこともほとんどないが・・・)ため、ソードウェーブを覚えるまでは、全くの見掛け倒しだった。才能はあるのに・・・。
先の戦いにおいて、第8騎士団は騎士の半分を失っているため、本当は1人の騎士も外に出したくないらしいが、最下位で、しかも出来損ないのエンジェルに、数では百倍もいた王室第八騎士団が、ほぼ全滅(生き残った半数も一時戦闘不能)に近い大敗をきしたとあって、力をつけなければならない、と国王が命じたらしい。
まあ、中央亜大陸最強の王室騎士団(8番目とはいえ)が出来損ないに負けたとあっては、焦るのも無理はない。実際、連邦各国は不況に陥ってしまったし、北方のラルガルマン帝国や西の亜方大陸が、中央に大遠征してくるのではないかという噂まで出ている。
城でも、これといった情報は手に入れておらずミリィたちの行く当ても決まらなかったため、4人で旅をすることになった。
各地の情報が集まるムーブルの港町に向けて、民間の船に便乗して、運河から枝分かれしたルルト川を南へ下った。さらにオーストウェル王国との国境である運河を東に進み、一気に海にまで出た。
既に旅の目的(ラーミに会う事)を果たしたミリィは、ルーゲイル退治のために、とりあえず城に情報を訊きにいくことにした。
2人だけでは危なっかしいと、ウォーロックが同伴することになった。ミリィにとっては、戦闘面で楽になる、と嬉しい限りだったが、サラは別の意味で嬉しそうだ。
「ウォー君も行くんだ~!!」
「あぁ、お前らじゃ、いくら命があっても足りないからな」
ウォーロックは、赤くなりながら言った。
(あ~、雨上がりで寒いはずなのに、熱いわ・・・)
ミリィまで赤くなる。
戦いが終わったばかりだと言うのに、フィリスは大変なにぎわいだった。中半壊した多くの建物を修繕しなければならないから、首都の男たちは総出で働いている。
さすがに規模の大きい城の修復は始まってすらいない。オーストテリス城を抜けると、沢山の大工が、応急措置のための資材の山を宮殿に運んでいる真っ最中だった。
正門の前まで来ると、兵士たちが並び、誰かを送り出すところのようだった。
兜で顔は見えないが、軽装備の国境騎士・・・。まさかと思ったが、一応、整列している騎士に誰かと聞くと、案の定ラングだった。
天使出現によって、今のフィーリアン騎士がそれほど強くは無い事が明らかになった。そこで、国を守る力を旅で身につけ、それを騎士たちに伝授するという任務を任されたらしい。
ラングは3人に気付き、馬を下りて近づいてくる。
「お前、国境騎士小隊隊長だったのか・・・」
ウォーロックは、少し驚いた様子で尋ねる。
「・・・? そうだが、なぜ?」
「ソードウェーブはともかく、剣は素人だな」
ラングは痛いところを突かれた。
普段、トロルやゴブリンとしか戦わない(やつらと戦うこともほとんどないが・・・)ため、ソードウェーブを覚えるまでは、全くの見掛け倒しだった。才能はあるのに・・・。
先の戦いにおいて、第8騎士団は騎士の半分を失っているため、本当は1人の騎士も外に出したくないらしいが、最下位で、しかも出来損ないのエンジェルに、数では百倍もいた王室第八騎士団が、ほぼ全滅(生き残った半数も一時戦闘不能)に近い大敗をきしたとあって、力をつけなければならない、と国王が命じたらしい。
まあ、中央亜大陸最強の王室騎士団(8番目とはいえ)が出来損ないに負けたとあっては、焦るのも無理はない。実際、連邦各国は不況に陥ってしまったし、北方のラルガルマン帝国や西の亜方大陸が、中央に大遠征してくるのではないかという噂まで出ている。
城でも、これといった情報は手に入れておらずミリィたちの行く当ても決まらなかったため、4人で旅をすることになった。
各地の情報が集まるムーブルの港町に向けて、民間の船に便乗して、運河から枝分かれしたルルト川を南へ下った。さらにオーストウェル王国との国境である運河を東に進み、一気に海にまで出た。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる