おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。

お茶飲み人の愛自好吾(あいじこうご)

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第38話 街道警備任務 ①

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 今日のブラボー中隊の任務は、街道警備任務だ。

各小隊長が隊長会議を行っていて、サキ隊長も参加しているだろう。

その後、俺達サキ小隊の面々でブリーフィングをする事になり、俺とニールはブリーフィングルームに集合した。

サキ隊長が俺達の前で説明しだした。

「よーし野郎共、よく聞けよ。私達の今回の任務は街道警備だ、この町、クラッチから西へと延びる道を港町ハッサンまで行く。二日間の行程だ、各自準備しとけよ。それと懸念事項だが、ここ最近一人旅の旅人や行商人などがモンスター被害に遭っているらしい。対象はゴブリンライダーらしい事が判明している、見かけたら討伐する事。以上だ。各自行動に移れ。」

サキ隊長の説明を聞いて、ニールが手を挙げて質問した。

「隊長、質問であります。ゴブリンライダーとは何でありますか?」

「うむ、ゴブリンライダーとはワイルドウルフに跨ったゴブリンの事だ。一応騎兵扱いとの事だが、相手はゴブリンだ。大した戦力では無いと思う。日頃の訓練を思い出し、適切に対処していけば問題ない。」

「は、ワイルドウルフにゴブリンでありますか。自分がやって見せます。」

「ほ~う、ニール、当てにするぞ。」

(ニールの奴、そんな事言って大丈夫かよ。)

こうして俺達は装備課へと赴き、おやっさんに装備を受け取る。

俺はショートソードに革の鎧、あと投げナイフを6本、ベルトに固定した。

ニールの奴は両手持ちの大剣である、バスタードソードに鉄の鎧だった。

ニールの奴は相変わらず威力重視の装備武器だな、ちゃんと扱えるのか心配だよ。

そのあとは備品課へと行き、備品課のマドンナ、クリスちゃんに対応して貰う。

「クリスちゃん、回復薬を一つと携帯食料を4日分頂戴。」

「あ、俺も俺も、ジャズと同じの。」

「はい、只今お持ちしますね、食料という事は任務ですか?」

「ああ、街道警備任務さ、港町までね。」

クリスちゃんは色々と品物を準備して、荷下ろししながらも会話をしてくれた。優しい娘さんだ。

「はい、こちらが回復薬に4日分の食料になります。落とさないように大切に扱って下さいね。」

「ありがとう、クリスちゃん。」

俺は申請した物資を受け取り、俺のアイテムボックスに入れておく。

ニールも同じ物を受け取っていたが、その直後、俺に荷物を渡すような仕草をした。

「なあジャズ、お前ってさ、アイテムボックスのスキル持ってたよな。俺の分の荷物をお前のアイテムボックスに入れといてくれよ。」

「しょうがねえなあ、鞄か何かに一纏めにしておけよ。それと、回復薬は常に使える様に、腰のベルトホルダーに固定しとけ。」

「はいはい、解ってるよ。ほら、これが俺の鞄だ、入れといてくれよ。」

「ああ、いいぜ。」

ニールからの鞄を受け取り、俺のアイテムボックスの中に入れる。

メニューコマンドのアイテムボックスには、しっかりと「ニールの鞄」と表示されている。

よし、これで準備は整った。早速集合場所の基地内のグラウンドに行こう。

 グラウンドに着いた俺達は、ここでサキ隊長を待つ。

直ぐに隊長はやって来た。

何やら手荷物が少ない様に見受けられるが、サキ隊長は荷物をどうしたんだろう?

「待たせたな。」

「いえ、それより隊長、隊長の荷物を俺のアイテムボックスに入れておきましょうか?」

「いや、それには及ばん。私もアイテムボックスのスキルを持っているからな、金貨二枚で購入した「スキルの書」を使ってな。」

「そうでしたか、隊長もアイテムボックスのスキルをお持ちでしたか。」

スキルの書。

こいつは只その本を読むだけで、その表紙に書かれたスキルを習得できるという。便利な魔道具だ。

経験や研鑽を積み、長い間修行をして習得出来るスキルを、たった一冊の本を読むだけで習得できるので、とても高価な品物だ。

所謂、後天的に習得したスキルの一種という事だな。

「よーし! 出発するぞ! 気合を入れていけよ野郎共!」

「「 はい! 」」

 こうして俺達は、クラッチの町を後にして、街道を西へと向かう。

目指すは港町ハッサン。片道二日間の道のりだ。

天気もいい。

快晴ってやつだな、こう、陽の光を浴びていると、汚れた心が洗い流されていく感じがするな。

気分もいい。

暫く街道を歩いていると、ふと、サキ隊長が話しかけてきた。

「ところでジャズ上等兵、貴様スキルを二つも持っているのか? 確か投擲のスキルも持っていたんだったな。私と同じ二つのスキル所持者か。」

「は、自分はスキルの書を購入した訳ではありませんが、まあ、早い話、習得したという事であります。」

「ふーん、そうなのか。私と同じでスキルの書を買ったものとばかり思っていたがな。習得にどれ程の時間が掛かったのだ?」

(ふーむ、そう言われてもなあ、スキルポイントを使ってちょちょいとやってしまった。などと言えないよな。この俺のユニークスキルは出来れば秘密にしときたい所だ。)

「はあ、それが、自分でも解らないのですが、ある日、突然スキルを使える様になったとしかお答えできず、すいません。要領を得ず。」

「いや、気にするな。ふーん、そういう事もあるのだな。」

サキ隊長と話していると、ニールから焦った様な声を上げるのを聞いた。

「た、隊長! 前方にモンスターを発見しました!」

「何! 種類と数は?」

「おそらく、ワイルドウルフと思われます! 数は2匹! こちらに近づいてきます!」

「全員抜刀! 備えろ! 警戒態勢!」

このげきを聞き、俺はショートソードを抜き、片手で持って身構える。

前方を見据える。

確かにワイルドウルフ2匹確認。

こっちに気づいている、涎を垂らしながらゆっくりと近づいて来る。

サキ隊長が命令を飛ばす。

「ジャズは後衛、投擲で牽制、ニールは私と前衛、一人一匹ずつ対処! いいな!」

「「 は! 」」

ほう、中々的確な判断をする隊長さんだ。

王都での士官学校で、色々と学んできたという事かな。

おっと、こうしている間にもモンスターは接近してきている。

俺はその場で留まり、腰ベルトに仕込んであるナイフを二本引き抜き、片手に持って狙いをつける。

隊長が刺突剣のエストックを素早く突き、ワイルドウルフの一匹にダメージを負わせていた。

やるなあ隊長。戦闘の間合いが実に的確だ。一方、ニールはというと。

「あれ!? 何で攻撃が当たらないんだ!」

「ニール落ち着け! 相手の動きをよく見て対処するんだ!」

「そ、そんな事! 言ったってよ! うわ!?」

ニールがワイルドウルフの鋭い牙に喰いつかれそうになっている。

危ない! 俺はすぐさまナイフを一本投擲する。

精神コマンドの類は使わない。スキル「投擲」だけで対処できそうだったからだ。

俺の放ったナイフは勢いよく飛んでいき、一撃でワイルドウルフの額に刺さり、モンスター一体を倒す。

(よし、あと一つ。)

もう一方のワイルドウルフの方を見る。

サキ隊長が既にワイルドウルフを攻撃して、エストックでワイルドウルフの体を刺し貫いていたところだった。

やるなあサキ隊長。一人でモンスターを倒してしまった。

伊達に少尉に任官されていない、という訳か。

「よーし! 倒したな! 野郎共、まだ平気か?」

「はい、何とか。」

「すまんジャズ、助かった。」

「気にするな、お前は武器の命中率が低い、カバーしてやるから思い切ってやってみればいいさ。」

「ああ、助かる。」

ニールはしょんぼりとしていたが、直ぐにまた気を取り直して、サキ隊長に声をかけていた。

「流石隊長ですね、一人でモンスターに対処してしまうとは、御見それ致しました。」

サキ隊長は武器を仕舞い、辺りを警戒しながらニールに返事をした。

「ニール二等兵、貴様、ちゃんと武器を自分に合う物にしているか? どうにも貴様は武器が合っていない様な気がするんだが。」

ああ、それは俺も思う。

ニールの奴、恰好をつけて両手持ちの大剣なんか持ち出して、上手く扱えないんじゃないのかな?

もっと軽い武器にすればいいのに。

そんな事を思っていたら、ニールからまた何かを発見したらしく、声を上げた。

「あ! 隊長! 街道沿いに何か人影が見えますが、」

言われて、辺りを見回していた隊長が、ニールが指をさした方向を見る。

そこには、俺達と同じ軍服を着た三人の人影が見えた。誰だろうか? 

「ジャズ、ここから見えるか?」

「いえ、見えません隊長。もう少し近づいてみましょう。」

「そうだな。」

こうして、俺達は遠くに待機している三人の友軍に向かい、歩みを進める。

こんな場所で、一体何をやっているのやら。











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