おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。

お茶飲み人の愛自好吾(あいじこうご)

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第39話 街道警備任務 ②

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 街道警備任務中に、道を歩いていたら、三人の人影を目視で確認する。

結構離れているので、誰かは解らない。

もう少し近づく必要があり、俺達サキ小隊は人影のある方へと進む。

同じ軍服を着ている事から察するに、おそらくは友軍だろう。

三人の人影に接近したら、どうやら三人共女性の友軍らしい。

見た事があるな、リップとあれはナナ少尉だ。

もう一人は知らないな、新メンバーかな?

サキ隊長が元気よく手を振り、ナナ少尉も既にこちらに気付いていて、俺達の事を待っている様子だった。

サキ隊長がナナ少尉に声を掛ける。

「な~んだ、誰かと思えばナナじゃない。こんな所で何やってんのよ?」

「あらサキ、丁度良かったわ。わたくし達に協力しません事。」

どうやらナナ少尉も三人構成になり、小隊として機能し始めたみたいだな。

ナナ少尉とリップ、それと犬耳の獣人族のこじんまりとした女の子が一人、大きなリュックを背負っている。

おそらくポーター係だろう。所謂いわゆる荷物持ちだな。

「それで? 何でこんな所で待機してるのよ、ナナ。」

「先ずは紹介するわ、メリー伍長よ、犬耳族の女性で、こう見えてわたくしより年上でしてよ。」

紹介されて、メリーと呼ばれた女の子、もとい、女性は恐縮しながら自己紹介した。

「は、初めましてです、メリーと言いますです。よろしくです。」

「ああ、よろしくな、メリー伍長。それで、ナナ、どうした?」

ナナ少尉は一つ咳払いをして、俺達に説明しだした。

「こちらのメリーさんは鼻が利くのでしてよ、それでメリーさんが言うには、この先にゴブリンの臭いと獣臭い臭いを同時に嗅ぎ分けたみたいですの。しかも3体分。解りますでしょ?」

「なるほど、ゴブリンライダーがこの先に居るって訳か。だが、ナナ、あんたゴブリン相手に後れを取らないぐらいには強いんじゃなかったっけ?」

サキ隊長に言われて、ナナ少尉が腰に帯剣している刺突剣のレイピアの柄を指でコツンと弾き、得意げにしつつも説明した。

「まあ、そうなんですけど、数的不利を解消したかったのですわ。わたくし達は前衛二人、ポーターであるメリーさんは戦えないから後衛で待機。対してゴブリンライダー3体が相手ではこちらが不利、ワイルドウルフに跨ったゴブリンは合わせて合計6体。なので、友軍をここで待っていたのですわ。」

なるほど、それでこんな所で待機していたという訳か。

俺達友軍を待っていたんだな。

先走らずに数的不利を解消する為、仲間が来るのをを待っていたなんて、状況判断が出来る人みたいだな、ナナ少尉は。

ナナ少尉の説明を聞いて、サキ隊長は俺達の方を向いて一つ溜息をつき、肩をすくめながら答えた。

「まあ、確かに。私のとこの小隊は前衛三枚の囲んで殴るタイプだからな。そうか、相手はゴブリンライダーか、よし! いいだろう! 手を貸すよ、ナナ。」

「ありがと、サキ、助かるわ。それで、作戦指揮は誰が執るのかしら?」

「あんたでいいよ、ナナ。」

「あら、そう。ではわたくしが僭越せんえつながら指揮を執らせていただきますわ。皆さん、よろしく。」

「「「「 は! よろしくお願いします。ナナ隊長。 」」」」

こうして俺達は、六人編成になり、ナナ隊長の指揮の下、ゴブリンライダー討伐作戦を開始した。

俺とニールが前衛、サキ少尉とナナ少尉が中衛、リップとメリー伍長が後衛にそれぞれ布陣した。

街道を港町ハッサン方面へ向けて、移動を開始した。

 街道は静かなものだ、左右を草原地帯が広がっていて、遠くの景色が見える。

見晴らしが良くて時折吹く風が心地よい、草原にはモンスターの影は見えない。

いい天気だし、絶好のピクニック日和だな。任務が無ければだが。

辺りを警戒しながら歩みを進める。

俺は左側面の警戒、ニールは右側面を見張っている。

慎重に歩き、ゆっくりとした歩行速度で街道を進む。

と、その途中、メリー伍長が声を上げた。

「皆さん、警戒して下さいです! モンスターの気配がするです! 来ますです!」

言われて周りを警戒する。するとニールの方から声が上がった。

「右側面から何か来る! 何かワイルドウルフに跨ったゴブリンっぽい感じだ!」

ニールからの報告を聞き、ナナ隊長が指示をする。

「やはり来ましたか。男は前衛、足止めをなさい! その間わたくし達がモンスターを挟み込みます! リップさん、貴女はメリー伍長の護衛! メリーさんはそこを動かないで下さいまし!」

「は、はいです!」

いよいよ始まったか、俺とニールは前方に向け前進する。

すると、ワイルドウルフに跨ったゴブリンが3体ともワイルドウルフから飛び降り、その場で待機しだした。

先に近づいて来るのは、ワイルドウルフ3匹だ。

「ニール! 来るぞ!」

「わかってらい!」

俺はナイフを一本手に持ち、1匹のワイルドウルフに向け狙いをつける。

接近戦に入る前に、ワイルドウルフの頭にナイフを素早く投擲。

ワイルドウルフに命中、額に深々とナイフが突き刺さり、一撃で1匹を倒す。

(よし! まず一つ。)

ニールと俺に両方からワイルドウルフが接近し、それぞれに相対した。

俺はショートソードを構え、向かって来る奴を迎撃する。

ワイルドウルフの鋭い牙がズラリと並んでいて、とても怖い。

涎を垂らしながら接近してきて、口を大きく開け、襲い掛かって来た。

「ガウッ」

「おっと危ない!」

俺はサイドステップを踏んで、ワイルドウルフの攻撃を避ける。

返す刀でショートソードを袈裟切りし、ワイルドウルフの胴体に直撃、ワイルドウルフをこれまた一撃で倒した。

やはりスキル「ストレングス」レベル5は強力だ。

この辺りのモンスターはほぼ一撃で片が付くと思う。まあ、油断せずいこう。

(これで二つ。)

ニールの方を見ると、ワイルドウルフの攻撃を、大剣のバスタードソードで防いでいた。

「ニール! 平気か?」

「だ、大丈夫! 俺一人でやってやらあ!」

ふむ、ニールは大丈夫そうだ。何とか持ち堪えている。

ゴブリンの方を見る。

サキ少尉とナナ少尉が、それぞれ左右から挟み撃ちする作戦らしい。

ゴブリン3体相手に、果敢に攻めていた。

「逃がしませんわよ!」

「これでも、喰らえ!」

サキ少尉がエストックでゴブリン1体を刺し貫き、倒していた。

やるなあ、サキ少尉。

一方のナナ少尉もレイピアを高速で振り、ゴブリン1体に痛烈なダメージを負わせていた。

流石に二人共少尉だけあって中々やるようだ。

「ギギャア………」

ナナ少尉がゴブリン1体を倒した。

ゴブリンは残り1体、そこでゴブリンもようやく反撃に移る。

手に持った石斧を振るい、ナナ少尉に対して攻撃していた。

だが、ナナ少尉もこの動きについて来ていて、バックステップを踏んで華麗に避けていた。

「甘いですわ!」

これを見ていたサキ少尉が、ナナ少尉に向けて声を上げた。

「ナナ! あの手で行くわよ!」

「解りましたわ!」

何だろう? サキ少尉もナナ少尉もゴブリンを起点に円を描くようにクルクルと回り始めた。

ゴブリンはこの動きについていけず、目を回していた。

ゴブリンの足元がふらつき始めたところで、サキ少尉とナナ少尉が一斉にゴブリンに飛び掛かり、それぞれの武器で突き攻撃を繰り出した。

「「 メガスマアアッシュ!! 」」

二人の攻撃は息がぴったり合っていて、ほぼ同時攻撃。

左右からの刺突剣による刺し貫き攻撃は、見事ゴブリンに同時に命中。

ゴブリンは断末魔を上げる事無く、絶命した。

やるなあ、あの二人、息ぴったりじゃないか。

それにアクティブスキルの「スマッシュ」というのは知っているのだが。

二人の同時攻撃の「メガスマッシュ」は初めて見た。

ゲーム「ラングサーガ」にもそんなの無かった筈だ。

凄いな、二人の編み出した必殺技ってところか。

(よし! これで五つ、あと一つ。)

ニールの方を見ると、丁度ニールのバスタードソードが炸裂したところだった。

「くらえええ!」

しかし、ニールの攻撃は外してしまった。

その直後、ワイルドウルフが牙をむき、ニールに襲い掛かって来た。

俺はすぐさまナイフを投擲、ワイルドウルフの額にナイフが直撃、倒す。

「やった! 遂にやったぞ! 剣の風圧だけでモンスターを倒したぞ! 俺はやったんだぁー!」

「すまんニール、俺の投げたナイフだ。それ。」

「………………。」

まあ、これでようやくゴブリンライダー3体を討伐する事ができた。

ふう~~やれやれ、何とかこの場は凌いだみたいだな。

そう思った瞬間、戦場の更に遠くの方から石斧が投げ込まれた。

狙いはこちら、かなりの遠距離攻撃だった。

俺はその石斧の投擲攻撃を避けて、飛んできた方向を見据える。そこには。

「な、何だ? あれは、只のゴブリンか? あんな距離から石斧を投げてきたってのか?」

どうやら只のゴブリンではなさそうだ。

両手に石斧を持っていて、今にも襲い掛かってきそうだった。

それに、そのゴブリンはなんと鎧を着ていた。

おそらく冒険者から奪った物であると思うが、さて、この状況には見覚えがある。

「うぐっ!?」

なんと、先程ゴブリンの投げた石斧は俺ではなく、その隣にいたニールに向けたものだった。

ニールはくの字になり、呼吸が出来ない状態のようだった。

「ニール! 大丈夫か!」

「うっ、げほっぐはっ、ごほっ、い、息ができない………」

何だと!? あの距離からの投擲でこのパワー、侮れんな。まさか、こいつ。

「こいつは、エースだ! 間違いない、エースモンスターだ!」




















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