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第十章
不幸を背負う者5
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「大地の力!」
マンネリ化しつつある戦いにカレンが変化を加える。
地面が勢いよく迫り出して青いシタチュフリスアの腹部を殴りつける。
急な変化に反応しきれずまともに食らった。
ダメージこそないものの衝撃で青いシタチュフリスアの体が浮き上がった。
「波瑠、フィーネ、チャンスだ!」
ようやく生み出された好機に圭は攻撃を仕掛ける。
『類い稀なる幸運の効果が発動しました』
圭が剣を振り下ろし、青いシタチュフリスアは剣を振り上げる。
剣同士がぶつかって甲高い音が鳴り響く。
思わず剣を手放してしまいそうな衝撃で弾き返されて肩がズキリと痛んだが、代わりに青いシタチュフリスアの剣も砕け散った。
「くらえー!」
剣が砕けて青いシタチュフリスアに大きな隙ができる。
波瑠は最速で青いシタチュフリスアに近づくとナイフを振った。
青いシタチュフリスアは腕を上げ、鱗に魔力を込めてナイフを防ごうとした。
「いいぞ!」
波瑠のナイフは鱗ごと腕を切り裂く。
赤い血が飛び青いシタチュフリスアは叫び声を上げる。
「負けていられないねぇ!」
叫んで大きく開けられた青いシタチュフリスアの口に夜滝が放った火の玉が直撃した。
表面が硬いモンスターであっても体の中まで硬いということは少ない。
口の中が焼けて青いシタチュフリスアは悶え、顔を炎が包み込んで視界が赤く染まる。
「フィーネ!」
「ピピ、マカセルー!」
痛みと炎で青いシタチュフリスアは完全に隙だらけになっている。
地面を蹴ってジャンプした子供フィーネが大鎌を振り上げる。
「ピー!」
落下の勢いも活かして振り下ろされた大鎌は肩に当たって深々と青いシタチュフリスアの体を切り裂いた。
「これでも死なないのか!?」
肩から腰付近までざっくりと大きく切り裂かれた。
それにもかかわらず青いシタチュフリスアはまだ死んでいなかった。
青いシタチュフリスアの怒りがこもった目は圭のことを睨みつけている。
「まだ動くのか……」
血を流しながらも青いシタチュフリスアは一歩前に出て圭に向かって手を伸ばす。
何があってもいいように剣を構えて警戒するが青いシタチュフリスアの動きは緩慢で脅威は感じられない。
「何かを言ってるのか?」
青いシタチュフリスアは口を動かしている。
呼吸ではなく何かの言葉をつぶやいているように圭には見えた。
ただあまりにも言葉は弱々しく何を言っているのか聞き取ることすらできない。
もう一歩足を振り出そうとして青いシタチュフリスアは口から血を吐き出した。
ゆっくりと膝をつき、荒い呼吸を繰り返す。
「…………死んだ……のか?」
青いシタチュフリスアは最後に何かをつぶやき、そして白目を剥いて地面に倒れた。
赤い血が地面に広がっていく。
少し様子を見ていたけれど青いシタチュフリスアが再び動くことはなかった。
「鎧の方から助けよう」
一体倒したからと終わりではない。
残りのシタチュフリスアは二体である。
圭は素早く状況を確認した。
シャリンが戦う王たるシタチュフリスアとアルデバロンが戦う赤いシタチュフリスアがいる。
相変わらずシャリンの方は優位に立ち回っていて放っておいても勝ちそうな雰囲気がある。
アルデバロンの方は今は拮抗していた。
だからアルデバロンの方から助けようと圭は動き出す。
「はぁっ!」
圭が横から赤いシタチュフリスアに切りかかる。
突然の襲撃に赤いシタチュフリスアは腕で剣をガードしたけれど鱗が砕けて血がにじむ。
「波瑠、今だ!」
赤いシタチュフリスアはアルデバロンを無視して圭のことを狙おうとした。
けれどアルデバロンもそれを許さない。
赤いシタチュフリスアの攻撃しようとした手を掴んで止め、足に剣を突き立てる。
「やぁー!」
波瑠が迫ってきて赤いシタチュフリスアは動こうとしたがアルデバロンは手を離さない。
掴まれていない手で波瑠のことを殴りつけようとしたが、動きの制限された中での殴打を波瑠はギリギリでかわして懐に飛び込む。
波瑠がナイフを胸に突き刺すと赤いシタチュフリスアの体がびくんと大きく揺れた。
「ピッピピッ!」
波瑠の一撃でも致命的だろう。
しかし大きく切り裂かれた青いシタチュフリスアも動いていたのだ、油断はできない。
赤いシタチュフリスアの後ろに回っていたフィーネが大鎌を真横に振り抜く。
フィーネの大鎌が赤いシタチュフリスアの首を刎ね飛ばす。
赤いシタチュフリスアの首が宙を舞い、ボトリと地面に落ちると同時に体も地面に倒れた。
なんとなくそんな感じはしていたがシタチュフリスアたちは圭のことを主に狙っていると圭は思った。
真っ先に攻撃すればシタチュフリスアが自分のことを狙うのではないかと考えて攻撃したがその通りになった。
加えてアルデバロンが上手く合わせてくれたので赤いシタチュフリスアを倒すことができたのである。
「シャリンの方は……」
ドゴンと大きな音が響き渡る。
圭が視線を向けると王たるシタチュフリスアはシャリンの攻撃によって壁にめり込んでいた。
シャリンも頬に軽く傷があるけれど大きなダメージを受けた様子はない。
ーーー
後書き
いつもお読みくださりありがとうございます。
こちらの作品とうとう100万字を越えました!
500話ももう目の前に来ています。
ここまで続けてくることができたのはひとえに読者の皆様の応援のおかげです!
物語としては少しずつ終わりに向かっておりますのでもう少しお付き合いくだされば嬉しいです。
本当に読んでくださってありがとうございます!
現在カクヨムコンに向けて新しく小説投稿しています!
ここまでに公開しました五作品
【原初のネクロマンサー~いかにして死霊術は生まれ、いかにして魔王は生まれたか~】
【ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!~世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした】
【神様、あなたの推しを配信します~ダンジョンの中を配信するので俺にも世界を救えるように投げ銭ください~】
【ヒールが痛いとパーティーを追い出されたヒーラーは痛み無効の獣人少女とのんびり出来るところを探します】
【回帰した俺だけが配信のやり方を知っている~今度は上手く配信を活用して世界のことを救ってみせます~】
という作品です!
よければお読みくださいな!
そして星やフォローいただければ嬉しいです!
他の作品ものんびり書いているので読んでお星様お願いします!
こちらの作品共々よろしくお願いします!
あとはこちらの小説書いてるうちにタイトルと少しずれてきたのでタイトルの変更を検討しております。
試し試し変えていくかもしれないので変わっても驚かないでくださいね。
そんなに大きくは変わらないと思いますが。
それではこれからもよろしくお願いします!
マンネリ化しつつある戦いにカレンが変化を加える。
地面が勢いよく迫り出して青いシタチュフリスアの腹部を殴りつける。
急な変化に反応しきれずまともに食らった。
ダメージこそないものの衝撃で青いシタチュフリスアの体が浮き上がった。
「波瑠、フィーネ、チャンスだ!」
ようやく生み出された好機に圭は攻撃を仕掛ける。
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圭が剣を振り下ろし、青いシタチュフリスアは剣を振り上げる。
剣同士がぶつかって甲高い音が鳴り響く。
思わず剣を手放してしまいそうな衝撃で弾き返されて肩がズキリと痛んだが、代わりに青いシタチュフリスアの剣も砕け散った。
「くらえー!」
剣が砕けて青いシタチュフリスアに大きな隙ができる。
波瑠は最速で青いシタチュフリスアに近づくとナイフを振った。
青いシタチュフリスアは腕を上げ、鱗に魔力を込めてナイフを防ごうとした。
「いいぞ!」
波瑠のナイフは鱗ごと腕を切り裂く。
赤い血が飛び青いシタチュフリスアは叫び声を上げる。
「負けていられないねぇ!」
叫んで大きく開けられた青いシタチュフリスアの口に夜滝が放った火の玉が直撃した。
表面が硬いモンスターであっても体の中まで硬いということは少ない。
口の中が焼けて青いシタチュフリスアは悶え、顔を炎が包み込んで視界が赤く染まる。
「フィーネ!」
「ピピ、マカセルー!」
痛みと炎で青いシタチュフリスアは完全に隙だらけになっている。
地面を蹴ってジャンプした子供フィーネが大鎌を振り上げる。
「ピー!」
落下の勢いも活かして振り下ろされた大鎌は肩に当たって深々と青いシタチュフリスアの体を切り裂いた。
「これでも死なないのか!?」
肩から腰付近までざっくりと大きく切り裂かれた。
それにもかかわらず青いシタチュフリスアはまだ死んでいなかった。
青いシタチュフリスアの怒りがこもった目は圭のことを睨みつけている。
「まだ動くのか……」
血を流しながらも青いシタチュフリスアは一歩前に出て圭に向かって手を伸ばす。
何があってもいいように剣を構えて警戒するが青いシタチュフリスアの動きは緩慢で脅威は感じられない。
「何かを言ってるのか?」
青いシタチュフリスアは口を動かしている。
呼吸ではなく何かの言葉をつぶやいているように圭には見えた。
ただあまりにも言葉は弱々しく何を言っているのか聞き取ることすらできない。
もう一歩足を振り出そうとして青いシタチュフリスアは口から血を吐き出した。
ゆっくりと膝をつき、荒い呼吸を繰り返す。
「…………死んだ……のか?」
青いシタチュフリスアは最後に何かをつぶやき、そして白目を剥いて地面に倒れた。
赤い血が地面に広がっていく。
少し様子を見ていたけれど青いシタチュフリスアが再び動くことはなかった。
「鎧の方から助けよう」
一体倒したからと終わりではない。
残りのシタチュフリスアは二体である。
圭は素早く状況を確認した。
シャリンが戦う王たるシタチュフリスアとアルデバロンが戦う赤いシタチュフリスアがいる。
相変わらずシャリンの方は優位に立ち回っていて放っておいても勝ちそうな雰囲気がある。
アルデバロンの方は今は拮抗していた。
だからアルデバロンの方から助けようと圭は動き出す。
「はぁっ!」
圭が横から赤いシタチュフリスアに切りかかる。
突然の襲撃に赤いシタチュフリスアは腕で剣をガードしたけれど鱗が砕けて血がにじむ。
「波瑠、今だ!」
赤いシタチュフリスアはアルデバロンを無視して圭のことを狙おうとした。
けれどアルデバロンもそれを許さない。
赤いシタチュフリスアの攻撃しようとした手を掴んで止め、足に剣を突き立てる。
「やぁー!」
波瑠が迫ってきて赤いシタチュフリスアは動こうとしたがアルデバロンは手を離さない。
掴まれていない手で波瑠のことを殴りつけようとしたが、動きの制限された中での殴打を波瑠はギリギリでかわして懐に飛び込む。
波瑠がナイフを胸に突き刺すと赤いシタチュフリスアの体がびくんと大きく揺れた。
「ピッピピッ!」
波瑠の一撃でも致命的だろう。
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赤いシタチュフリスアの後ろに回っていたフィーネが大鎌を真横に振り抜く。
フィーネの大鎌が赤いシタチュフリスアの首を刎ね飛ばす。
赤いシタチュフリスアの首が宙を舞い、ボトリと地面に落ちると同時に体も地面に倒れた。
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加えてアルデバロンが上手く合わせてくれたので赤いシタチュフリスアを倒すことができたのである。
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