人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第五章

薫姫を探せ!1

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 みんなで歯を磨いていたら急に窓からモンスターが飛び込んできた。
 夜滝と波瑠とカレンで応戦しようとしたのだが当然武器など持っていない。

 子供たちを守りながらの厳しい戦いを強いられ、子供を守ろうとした梅山がモンスターに殴られて壁に叩きつけられた。
 1体は夜滝が魔法で大きくダメージを与えたのだが、他の襲いかかってくるモンスターから子供を庇った薫がそのままモンスターに連れ去られてしまった。

「すまない……」

「いや、カレンのせいじゃないよ」

 誰のせいでもない。
 こんな状況、こんな場所に突然モンスターが出てくるなんて誰も思いはしない。

「うぅ……」

「梅山さん、大丈夫ですか?」

「こ、子供たちは……?」

 モンスターに殴られた梅山の顔色は悪い。
 骨ぐらいは折れているかもしれない。

「子供たちは無事ですが、薫君が……」

「助けに……お願いします……」

「そのつもりです。けれどまずはみんなをどうにかしましょう」

 まだ建物の中や周りにモンスターがいるかもしれない。
 梅山や子供たちを放置しては薫を助けにもいけない。

「どこか窓なんかがない部屋はありませんか?」

 モンスターが外から入って来られないような部屋があればそこでみんなに隠れていてもらおうと考えた。

「地下に……部屋があります。あそこならモンスターも簡単には……」

「そこにいきましょう。みんなも行こう」

 不安げな表情をしている子供たちも圭たちが冷静なのでなんとかパニックにならずに済んでいた。
 地下には倉庫のように使用している部屋があり、ドアも丈夫そうだった。

「うっ……」

「すいません、大丈夫ですか?」

「大丈夫です」

 圭とカレンで梅山を支えて床に座らせる。

「ここは電波入りますか?」

「地下ですが一応入ります」

「じゃあ電波が戻っても、もし俺たちが帰ってきていなかったらすぐに助けを呼んでください」

「ああ、分かった」

「みんなは俺たちが外に出たら協力してドアの前に物を移動させてくれ」

 少しでもリスクを減らす。
 幸い地下には色々と物がある。

 ドアの前に移動させれば簡単には開けられなくなるはずだと思った。

「お兄ちゃん助けてね!」

「任せておいて」

 圭たちが地下の部屋を出るとすぐさま子供たちが協力して物を動かす音が聞こえ始めた。
 強い子たちである。

「まずは車に装備を取りに行こう」

 真っ暗な孤児院の中で武器もなく、懐中電灯だけが唯一の光である。
 先ほどまではあまり気にならなかったのに孤児院に広がる闇が急に薄気味悪く感じられてきた。

 モンスターに襲われたら厄介だ。
 早く装備を確保しなければならない。

 現状夜滝だけがまともに戦える。
 素早さと耐久もある程度ある圭が先頭に立ち、カレンは1番後ろで警戒する。

 いざとなれば夜滝を守ってモンスターを攻撃してもらうしかない。

「チッ……モンスターが出たってだけで全く感じ方が違うな……」

 カレンも渋い顔をしている。
 光を多く取り込めるように作られた聖堂は何もない時は厳かな雰囲気だったのに、今の状況ではどこからモンスターが飛び込んでくるのかわからない危険な場所になっている。

 少し天気が落ち着いてきたと思ったのにまた荒れ始めた。
 雷の光がステンドグラスを一瞬照らす。

「くそっ!」

 さっさと車まで行こうとした瞬間窓が割れてモンスターが飛び込んできた。
 あと少しで教会前に止めてある車まで行けるのに。

 現れたのは猿のようなモンスター。
 しかしやや腰は曲がっているけれど完全に二足歩行をしていて普通の猿よりも人に近いがある。

 教科書なんかで見た人間に至る進化の過程の途中のような姿でありながら毛深さもある。
 圭たちを見てサルは口を大きく開けて雄叫びを上げた。

「お兄さん、先に行くんだ!」

「圭、カレンは私がフォローするから早く!」

「……わかった!」

 カレンなら多少の怪我をしても戦うことはできる。
 夜滝がカレンのフォローに入り、圭と波瑠でサルの横を走り抜ける。

 教会のドアを開けると一気に風が吹き込んでくる。
 体が吹き飛ばされそうな突風に逆らって外に飛び出す。

「とりあえず武器を取るんだ!」

 足止めしてくれているカレンのところに早く戻って加勢しなきゃいけない。
 防具をつけているような時間はない。

 圭は自分の剣とカレンの盾、波瑠はナイフと夜滝の杖を手に取って教会に戻る。
 ほんの一瞬外に出ただけなのに打ち付けるような雨に体中水浸しになってしまった。

「カレン、受け取れ!」

 圭は教会に入ってすぐに盾をカレンに向かって投げた。

「ナイス! この……痛えんだよ!」

 カレンは両手で盾をキャッチするとそのままサルの頭を盾で殴りつける。
 硬い盾で殴られたサルは意識が混濁して足をふらつかせる。

「ふんっ!」

 今がチャンスと圭は走っていってサルを背中から切り付けた。
 しっかりと切ったのでサルはそのまま倒れて動かなくなる。

「カレン、大丈夫か?」

「これぐらいヘーキだ」

「足止め助かったよ」

 細かな切り傷がカレンにはあったが意識を集中させると小さい傷などあっという間に治ってしまう。
 モンスターは置いておいてちゃんと装備を取りに行く。
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