人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第五章

闇に包まれた孤児院3

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 次の日になっても停電は復旧しなかった。
 そして完全に日が上がった時間になっても外は暗い。

 荒天がいまだに続いているのだ。
 本当に休みでよかったと思う。

 停電でも通信局は生きているのか何とかスマホで情報収集はできた。

「倒木のため一部区間通行止め……」

 せめて薫と波瑠だけでも帰そうかと思っていたら道が通行止めになっている情報が入ってきた。
 ちょうど孤児院から町に向かう道の途中であった。

 迂回しようとするとかなり遠回しなくてはいけない。
 いまだに停電が続き、荒れた天候の中で知らない道を回っていくのは危険が大きい。

 悩んだけれど再び梅山の厚意に甘えて孤児院に留まることにした。

「天気は明日には回復しそうですね」

 電気もないのでスマホの使用は抑えてラジオで情報を集める。
 ちょうど天気予報について流れていて、この酷い荒れ模様は今日一日いっぱい続いて次の日には回復するらしかった。

 最初は不安げにしていた子供たちであるが、流石に子供というか停電や荒天も物珍しい環境として受け入れていた。
 梅山だけでなく圭たち大人がいてくれる安心感もあったのかもしれない。

 ガスを使うこともできたので温かいものも食べることができた。
 風も強かったが建物を壊すようなものが飛んでくることはなかった。

「なんだかお泊まり会みたいだよね」

 することもないので子供たちに勉強を教えたり遊んだりした。
 トランプやオセロなんかの室内でもできることで遊んで時間を潰していると意外とあっという間に夜になった。

 大きくなってからトランプで遊ぶことも少ない。
 みんなでワイワイとトランプで遊んでいたりすると子供の時に友達の家に泊まった時のことを波瑠は思い出した。

「とんだお泊まり会だけどな」

「そうだねぇ、なんというかミステリーの導入みたいな泊まり方だもんねぇ~」

 今は停電とかしててワイワイしているのだけど要素だけ取り出すとちょっと不穏な感じがあるのは否めない。
 嵐の夜に停電、そして倒木で通行止めで帰ることができない。

 言われてみれば少しミステリーの導入な感じはあるかもしれない。

「そんなこと言ったら殺人事件でも起きちゃうみたいじゃん!」

「ふふ、まあそんな事件があっても圭が守ってくれるだろうけどね」

「まあ守るけど……夜滝ねぇだって戦えるだろ?」

「私はこう……ヒロインだからねぇ」

「なんかずるいぞー!」

「カレンは被害者1人目だ」

「なんでだよ!」

 ミステリーのような重たい雰囲気などなく笑い合う。

「みなさん、そろそろ就寝時間ですよ」

 梅山が手を打ち鳴らしながら立ち上がる。
 いつまでも暗いので時間を忘れがちだがもうすっかり夜なのだ。

 みんなが楽しんでいるので少し大目には見てくれていたけれど夜ふかしはいけない。

「あれ……圏外になってる」

 最後にまた天気予報を確認しておこうと思ってスマホを見たら圏外になっていた。
 先ほどまで電波が入っていたのに。

 停電の影響かもしれないと圭は天気を確認するの諦めた。
 圭は最後に穴の空いたところを確認してから寝ようと思った。

「うん……大丈夫そうだな」

 懐中電灯で照らしてみる。
 水の一滴も垂れておらずしっかりと塞がれている。

「……なんだ!」

 ガラスが割れる音。
 続いて子供たちの悲鳴が聞こえてきて、圭は慌てて一階に降りた。

「どうした!」

「モンスターだ!」

「なに!」

「薫が……さらわれちまった!」
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