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第六章
血の争い、偽の女神の平穏5
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「この先の女神像ですか?」
「ああ、あまり知られてはいないが実は女神像は二つあるんだ」
「知りませんでした」
圭が疑問を口にすると捜索隊のリーダーはさらっと答えてくれた。
「奥まで入る覚醒者の方が少ないからな。奥の女神像でも薬草を捧げられるんだ。笑う女神像なんて呼ばれている」
ネットでもそうした情報はなかった。
情報として出回っていないのか、利用する人がいないから載せていなかったのかもしれない。
「笑ってるんですか?」
エントランス近くの女神像も優しく微笑んでいた。
笑っているといえば笑っている。
「そうだ。まあ見てみれば分かるはずだ。笑う女神像で一度落ちあうことになっていた。合図を送ったから他の部隊も集まるだろう」
捜索隊のリーダーがしっかりと周りを率いてくれる。
圭たちも捜索隊について四階を奥へと進んでいく。
覚醒者たちの死体は申し訳ないけれど持っていけないので置いていく。
四階には死体を食い荒らすようなモンスターもいないので今回のことが片付いたら回収する。
「圭さん……」
「薫君、何かあった?」
圭の服の裾を引っ張られて振り返ると薫だった。
少し顔色がおかしい。
「声が……聞こえるんです」
「声が?」
普段なら変なことをと思うかもしれないが、こんな状況なのだから何かある。
「どんな声? 何が聞こえる?」
周りに聞こえないようにヒソヒソと薫が聞こえている声について質問する。
「何を言っているのかはわからないです……でも女性の声のように聞こえます」
「女性の声……」
それだけでは何もわからない。
しかし薫に何か変調を来してはいけないので薫を少し前にして圭が後ろについて何があってもいいようにしておく。
「なんだか声が大きくなっているような気がします」
ただ声が聞こえるだけ。
何があるわけでもないが気分は少し悪い。
「もしかしたら女神像と関係があるんじゃないかねぇ?」
「ありそうだな」
今の状況から女性の声で関わりがありそうなものは女神像なのではないかと夜滝が気づいた。
「はっきり聞こえるようになったら教えてくれ」
「……分かりました」
進んでいくと再びモンスターに襲われた。
もうすでにC級相当のモンスターが現れる場所になっていて、C級にまでなるとほとんど完璧な人型であった。
たまーに腕が多かったり腕のところに足がついていたりするが見た目の気持ち悪さはなくなった。
囲まれるような数は出てこなかったので捜索隊が中心となって戦った。
邪魔にならないようにしつつも圭たちも戦う。
少しでも攻撃しておけばレベルアップに繋がるかもしれない。
捜索隊も戦い慣れている。
危なげなくモンスターを倒してくれた。
「あれが笑う女神像だ」
少し先にエントランス近くにあったものと同じく白い石で作られた女神像が立っているのが見えてきた。
「なんか……嫌な感じだな」
「うん……ニタァって感じ」
女神像の顔を見たカレンと波瑠が顔をしかめた。
確かに女神像は笑っていた。
しかしエントランス近くの女神像と違って穏やかそうな笑みではなく口の端を上げ目も細めている、見ている側として気分の良くない笑顔を浮かべていたのである。
まさしく笑う女神像。
すでに笑う女神像のところに集まっている覚醒者もいた。
「圭さん……」
「薫君、大丈夫か?」
「助けて……そう言ってます」
薫の頭の中で響いている声が大きくなってなんと言っているのか分かった。
助けを求める言葉が聞こえているのだ。
「女神像に近づいてきたら声が大きなったってことはやっぱりそういう意味なのかな?」
捜索隊の覚醒者たちで話してある間に圭たちは女神像を観察する。
顔だけじゃなくポーズも少し違う。
エントランス近くの女神像は手を差し伸べたり抱きしめたりするように手を広げていた。
対して笑う女神像も手を広げているのだがエントランス近くの女神像よりも手の位置が高い。
気味の悪い笑顔と相まって、何かをやってやったと勝ち誇っているような印象を圭は受けた。
「声は変わらないか?」
「はい……」
何か体に影響を及ぼすものではないが、頭の中で声が響き続けているという状況は辛い。
「何かあるんだろうか……?」
圭は真実の目を使って笑う女神像を鑑定してみた。
『偽の女神の像
偽の女神が本物の女神の座を奪い取った証として作った像。
本物の女神と騙された人々を見下すような笑みを浮かべている。
いくら祈っても供物を捧げても偽の女神は何もしてくれない』
「なんだこれ……」
情報としては少ない。
けれど真実の目で見れた少ない情報もあまり面白いものではなかった。
ここから最低限分かることとしてはこの女神像は偽物の女神であり、忘れられた女神像とやらではない。
「でも助けて……なんていうのはきっと忘れられた女神の方だろうな」
本物の女神の座を奪い取られた。
そのことによって本物の女神がどうにかさせられたのは想像に難くない。
助けてというのもおそらく関係してくるのだろうと推測できるのだが、肝心の忘れられた女神像とやらがどこにあるのか未だに不明なのだ。
「ああ、あまり知られてはいないが実は女神像は二つあるんだ」
「知りませんでした」
圭が疑問を口にすると捜索隊のリーダーはさらっと答えてくれた。
「奥まで入る覚醒者の方が少ないからな。奥の女神像でも薬草を捧げられるんだ。笑う女神像なんて呼ばれている」
ネットでもそうした情報はなかった。
情報として出回っていないのか、利用する人がいないから載せていなかったのかもしれない。
「笑ってるんですか?」
エントランス近くの女神像も優しく微笑んでいた。
笑っているといえば笑っている。
「そうだ。まあ見てみれば分かるはずだ。笑う女神像で一度落ちあうことになっていた。合図を送ったから他の部隊も集まるだろう」
捜索隊のリーダーがしっかりと周りを率いてくれる。
圭たちも捜索隊について四階を奥へと進んでいく。
覚醒者たちの死体は申し訳ないけれど持っていけないので置いていく。
四階には死体を食い荒らすようなモンスターもいないので今回のことが片付いたら回収する。
「圭さん……」
「薫君、何かあった?」
圭の服の裾を引っ張られて振り返ると薫だった。
少し顔色がおかしい。
「声が……聞こえるんです」
「声が?」
普段なら変なことをと思うかもしれないが、こんな状況なのだから何かある。
「どんな声? 何が聞こえる?」
周りに聞こえないようにヒソヒソと薫が聞こえている声について質問する。
「何を言っているのかはわからないです……でも女性の声のように聞こえます」
「女性の声……」
それだけでは何もわからない。
しかし薫に何か変調を来してはいけないので薫を少し前にして圭が後ろについて何があってもいいようにしておく。
「なんだか声が大きくなっているような気がします」
ただ声が聞こえるだけ。
何があるわけでもないが気分は少し悪い。
「もしかしたら女神像と関係があるんじゃないかねぇ?」
「ありそうだな」
今の状況から女性の声で関わりがありそうなものは女神像なのではないかと夜滝が気づいた。
「はっきり聞こえるようになったら教えてくれ」
「……分かりました」
進んでいくと再びモンスターに襲われた。
もうすでにC級相当のモンスターが現れる場所になっていて、C級にまでなるとほとんど完璧な人型であった。
たまーに腕が多かったり腕のところに足がついていたりするが見た目の気持ち悪さはなくなった。
囲まれるような数は出てこなかったので捜索隊が中心となって戦った。
邪魔にならないようにしつつも圭たちも戦う。
少しでも攻撃しておけばレベルアップに繋がるかもしれない。
捜索隊も戦い慣れている。
危なげなくモンスターを倒してくれた。
「あれが笑う女神像だ」
少し先にエントランス近くにあったものと同じく白い石で作られた女神像が立っているのが見えてきた。
「なんか……嫌な感じだな」
「うん……ニタァって感じ」
女神像の顔を見たカレンと波瑠が顔をしかめた。
確かに女神像は笑っていた。
しかしエントランス近くの女神像と違って穏やかそうな笑みではなく口の端を上げ目も細めている、見ている側として気分の良くない笑顔を浮かべていたのである。
まさしく笑う女神像。
すでに笑う女神像のところに集まっている覚醒者もいた。
「圭さん……」
「薫君、大丈夫か?」
「助けて……そう言ってます」
薫の頭の中で響いている声が大きくなってなんと言っているのか分かった。
助けを求める言葉が聞こえているのだ。
「女神像に近づいてきたら声が大きなったってことはやっぱりそういう意味なのかな?」
捜索隊の覚醒者たちで話してある間に圭たちは女神像を観察する。
顔だけじゃなくポーズも少し違う。
エントランス近くの女神像は手を差し伸べたり抱きしめたりするように手を広げていた。
対して笑う女神像も手を広げているのだがエントランス近くの女神像よりも手の位置が高い。
気味の悪い笑顔と相まって、何かをやってやったと勝ち誇っているような印象を圭は受けた。
「声は変わらないか?」
「はい……」
何か体に影響を及ぼすものではないが、頭の中で声が響き続けているという状況は辛い。
「何かあるんだろうか……?」
圭は真実の目を使って笑う女神像を鑑定してみた。
『偽の女神の像
偽の女神が本物の女神の座を奪い取った証として作った像。
本物の女神と騙された人々を見下すような笑みを浮かべている。
いくら祈っても供物を捧げても偽の女神は何もしてくれない』
「なんだこれ……」
情報としては少ない。
けれど真実の目で見れた少ない情報もあまり面白いものではなかった。
ここから最低限分かることとしてはこの女神像は偽物の女神であり、忘れられた女神像とやらではない。
「でも助けて……なんていうのはきっと忘れられた女神の方だろうな」
本物の女神の座を奪い取られた。
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