人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第六章

人工ブレイキングゲート3

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 人の間を駆け抜ける。
 遠目に警備員だろう覚醒者が戦っているのが見える。

「ええと、どこだっけ」

「E-7だよう」

 大きな施設なので駐車場も広い。
 車に乗ってものすごい速さで逃げていく人もいてかなり危ない。

「うわぁっ!」

「あっちにモンスターがいるよ!」

 駐車場の方にもモンスターが流れてきていた。
 車に乗り込もうとしていた男性がカエルのモンスターに襲われている。

「カレン、先行ってくれ!」

 圭が車のキーを取り出してカレンに投げ渡し、モンスターに向かって走り出す。

「僕も圭さんを支援します!」

「分かった。波瑠、夜滝行くぞ!」

 夜滝は魔法が使えるので装備がなくても戦える。
 けれど車が密集している駐車場で魔法を使うのは危ない。
 
 ここは大人しく軽の装備を持ってきたほうがいいと夜滝もカレンたちと一緒に車に向かった。

「ぐああああっ!」

 圭が間に合わずカエルのモンスターにナイフを刺されて男性が悲鳴を上げる。

「やめろ!」

 ただ男性も急所を刺されているわけじゃない。
 助けられる可能性があるなら助ける。

 圭はカエルのモンスターに飛びかかってフィーネをまとった拳で殴りつける。
 カエルのモンスターは自ら後ろに飛んでダメージを軽減させるとすぐさまジャンプして圭に反撃する。

「くそぅ!」

 車と車の間は狭い。
 さらには倒れた男性もいるのでむやみに回避もできない。

「フィーネ、大丈夫か?」

「ピピ、ヘイキ」

 ナイフをフィーネで受ける。
 これまで貴重な金属を摂取してきたフィーネはカエルのモンスターのナイフごときでは傷もつかない。

 力が入りにくいためか槍の時よりも圭とカエルのモンスターの力は拮抗している。
 薫の支援の力も大きい。

「……この!」

 カエルのモンスターはぴょんぴょんと飛び回り、車の上から飛びかかったり影から飛び出すようにして圭のことを狙ってくる。

「すいません、少し我慢してください!」

 このままでは上手く戦うこともできない。
 圭は男性の服を掴むと一気に後ろに下がる。

 車の間から抜け出して通路に出る。
 男性が痛みに呻き声を上げるが死ぬよりはマシなので許してほしいと圭は心の中で謝る。

「ふっ! おりゃあ!」

 車の上から飛び上がって襲いかかってきたカエルのモンスターのナイフを圭が掴む。
 そして逆の手でカエルを殴る。

 こちらの手は素手なので大きなダメージは与えられないが衝撃はあったようでカエルのモンスターがふらつく。

「圭君!」

「良いタイミングだ!」

 自分のナイフと圭の剣を掴んで波瑠が戻ってきた。
 波瑠が剣を投げると回転しながら圭に向かって飛んでいく。

 上手く剣をキャッチした圭は鞘を投げ捨てるように剣を抜く。

「おりゃあー!」

 衝撃から立ち直ったカエルのモンスターに剣を振り下ろす。
 カエルのモンスターは剣をナイフで防ごうとしたけれどまともにナイフで剣を防ぐことなどできやしない。

 カエルのモンスターはナイフごと深々と切り裂かれて倒れる。

「薫君、その人をお願い!」

「分かりました!」

 圭はカエルのモンスターに剣を振り下ろしてトドメを刺し、その間に薫が男性の怪我を治療する。

「うぅ……ありがとう」

「おじさん、早く逃げてください」

「ありがとな、お嬢さん」

「あっ……僕は男……」

 男性はお礼を言うと上がベコベコになった車に乗り込んで行ってしまった。
 薫が男だということはおそらく伝わらなかっただろうなと圭は思う。

「お兄さん、大丈夫か!」

「カレン、夜滝ねぇ、こっちはとりあえず大丈夫」

 波瑠のおかげもあってなんとかカエルのモンスターは倒すことができた。
 すでに武装したカレンたちに守られて圭も車に向かって装備を整える。

「ん?」

 圭のスマホに着信があった。
 表示される番号は知らないもので今は出ている余裕もない。

「なんだよ……」

 無視しても何度も同じ番号からかかってくる。

「はい、ちょっと余裕が……」

「私よ、上杉かなみ」

「上杉さん!?」

「もう、かなみって呼んで」

 電話に出てみると相手は大海ギルドのギルドマスターであるA級覚醒者の上杉かなみであった。

「なんで俺の番号……」

「薫に教えてもらったの。迷惑かもと思ったから今までかけなかった……ってそんなことはいいのよ! 電話してる余裕がないってことはまさかブレイキングゲートのところにいるんじゃ……」

「そのまかさですよ」

「なんだってそんなところに!」

「そう言われても……」

 たまたま買い物していただけでブレイキングゲートがあるから来たわけではない。

「ともかく逃げなさい!」

「そんなわけにはいかないですよ」

 今もモンスターが人を襲っている。
 カエルのモンスターは倒せるぐらいの強さだったので他の人を見捨てて逃げるなんてことはできない。

 モンスターが強そうなら逃げていた。

「……はぁ、分かったわ。うちも対処向かうから無理はしないで」

「……ありがとうございます」

「誰から?」

「心強い味方が来てくれるみたいだ」

 なんでかなみから電話かかってくるんだ。
 そんなことを聞かれると面倒なので若干ぼかしたように答える。
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