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第九章
父あるいは母の面影3
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「ママ~」
「うっ!?」
赤い瞳の悪魔は圭の目にキスをした。
「ピー!」
圭の胸から金属の拳が飛び出してきた。
突然のことに赤い瞳の悪魔は反応ができず顔を殴られて後ろに吹き飛ぶ。
「マスターハママジャナイ!」
圭の服の中から出てきたフィーネが人型になる。
その表情には怒りが見られた。
「どうして邪魔をするの?」
ゆっくりと立ち上がった赤い瞳の悪魔は圭に向けていた笑顔を消してダンテたちを睨みつける。
「邪魔をしないで!」
「うっ!」
「これは!」
赤い瞳の悪魔から魔力が放たれる。
あまりに強い魔力に耳鳴りのような甲高い音が聞こえ、上から押さえつけられるような圧力を感じる。
A級覚醒者であるダンテやジャンですら圧力に耐えきれず膝を屈しかけていた。
ただその中で圭は何も感じていなかった。
「むっ!」
さらにフィーネは魔力の圧力にさらされながらも耐え抜いている。
「これは……魔王級の力があるな」
ルシファーが顔をしかめている。
赤い瞳の悪魔から感じられる力は非常に強い。
それこそルシファーの本体とも戦えるほどの力ありそうだと思った。
「邪魔するなら殺す……」
「マズイ……」
仮にルシファーに匹敵する力があるのならダンテやジャンがいても勝てない。
このまま戦えば全滅してしまう。
「シャリン!」
ママと呼ばれたのだし赤い瞳の悪魔にすがりつきでもしてみようかと思っていると別の悪魔が飛んできた。
こちらの方もほぼ人間の女性のような容姿をしているが赤い瞳の悪魔と同じく背中に黒い翼が生えていて、おでこに小さな角がある。
「ママ」
「ママ……?」
「一体どうなっているのだ?」
赤い瞳の悪魔はツノの悪魔のこともママと呼んだ。
圭もルシファーも状況が分からなくて困惑するしかなかった。
「……ごめんなさいね。何があったの、シャリン?」
「ママ!」
「それはなんなんだよ……」
シャリンと呼ばれた赤い瞳の悪魔は圭のことを指差してママと言う。
ツノの悪魔のこともママと呼ぶし、そもそも圭は女でもなくもちろん子供もいない。
「ママ……? そういえば……」
「あの悪魔も準魔王ぐらいの力があるな」
なんてことはなさそうなツノの悪魔からも強い力をルシファーは感じ取っていた。
「ピッ!」
「フィーネ!」
ツノの悪魔が圭に近づこうとしてフィーネが間に割り込む。
得体の知れない悪魔を圭に近づかせるわけにはいかないと守ろうとしてくれている。
「異質な存在ね? 人でも悪魔でもない何か……ただ…………邪魔よ」
「フィーネ!」
ツノの悪魔の前に立ちはだかったフィーネは腹を殴り飛ばされた。
とんでもない勢いでフィーネが飛んでいってはるか後方にあった大きな黒岩に衝突した。
黒岩は粉々に砕け散りフィーネがどうなったのか圭の位置からは確認ができない。
「うっ!」
フィーネが吹き飛ばされた方から視線を戻すとツノの悪魔が目の前に立っていた。
ツノの悪魔はおもむろに手を伸ばすと圭の首を鷲掴みにして持ち上げた。
一見すると細身の女性なのに圭が抗えないほどの力を持っていた。
「その目……彼の力ね?」
「な、なんの……」
「死んだと思っていたけれど……どういうことかしら? 説明しなさい」
何を説明したらいいのか。
あるいは説明しようにも首を掴まれていてはなんの言葉も発することができない。
「ママ、それはママ」
圭の意識が遠のきかけた。
するとシャリンがツノの悪魔の手を掴んだ。
「……ふう、そうね」
ツノの悪魔が圭から手を放した。
「ゲホッ……!」
圭は慌てて息を吸い込む。
首には手の形がくっきりと残っていてあと少しでも掴まれたままだったら気を失っていたところだった。
「急に彼は帰ってこなくなった……どこからか死んだのだと噂が流れていて、私も死んだんだと思っていたわ。なぜあなたが彼の力を持っているのかしら?」
ダンテとジャンのことはルシファーが手で戦わないように制していた。
今のところ話し合う意思はあるように見えるのでここで攻撃して怒らせると止めることは難しくなってしまう。
「この目のことを言っているのか?」
「そうよ」
「ママの力を感じる」
どうやら圭の真実の目のことを言っているようだ。
「……この目は……」
圭は真実の目を手に入れた経緯を説明した。
なんてことはない。
圭のことを襲ったヘルカトが事故で死んで、ヘルカトから取れたスキル石を偶然使ってしまって圭が真実の目を手に入れた。
「………………あのバカ。弱っていたのだから油断なんかしなければよかったのに。子供だっていたのに」
「なるほどな」
ツノの悪魔と同じく話を聞いていたルシファーが納得したように頷いた。
「どういうことだ?」
「言っただろう? 悪魔も子をなすことがある、そして子をなすと子に力が奪われるということを」
「そういえばそんな話していたな」
「おそらくあのシャリンとかいう悪魔はお主が力を得た悪魔の子なのだ」
「えっ……」
「ヘルカト……名前は知らぬが悪魔種のモンスターに偽装していたその悪魔はシャリンという子をもうけて力を失っていたのだ。人を襲っていたのも快楽のためもあるのだろうが力を取り戻そうとしたのかもしれん。
そしてその結果……事故に巻き込まれて死んだ。弱っていた力では対処できんかったのだろう」
「そんな、ことが……」
ここにきて明かされる衝撃の事実に圭は驚くことしかできない。
「うっ!?」
赤い瞳の悪魔は圭の目にキスをした。
「ピー!」
圭の胸から金属の拳が飛び出してきた。
突然のことに赤い瞳の悪魔は反応ができず顔を殴られて後ろに吹き飛ぶ。
「マスターハママジャナイ!」
圭の服の中から出てきたフィーネが人型になる。
その表情には怒りが見られた。
「どうして邪魔をするの?」
ゆっくりと立ち上がった赤い瞳の悪魔は圭に向けていた笑顔を消してダンテたちを睨みつける。
「邪魔をしないで!」
「うっ!」
「これは!」
赤い瞳の悪魔から魔力が放たれる。
あまりに強い魔力に耳鳴りのような甲高い音が聞こえ、上から押さえつけられるような圧力を感じる。
A級覚醒者であるダンテやジャンですら圧力に耐えきれず膝を屈しかけていた。
ただその中で圭は何も感じていなかった。
「むっ!」
さらにフィーネは魔力の圧力にさらされながらも耐え抜いている。
「これは……魔王級の力があるな」
ルシファーが顔をしかめている。
赤い瞳の悪魔から感じられる力は非常に強い。
それこそルシファーの本体とも戦えるほどの力ありそうだと思った。
「邪魔するなら殺す……」
「マズイ……」
仮にルシファーに匹敵する力があるのならダンテやジャンがいても勝てない。
このまま戦えば全滅してしまう。
「シャリン!」
ママと呼ばれたのだし赤い瞳の悪魔にすがりつきでもしてみようかと思っていると別の悪魔が飛んできた。
こちらの方もほぼ人間の女性のような容姿をしているが赤い瞳の悪魔と同じく背中に黒い翼が生えていて、おでこに小さな角がある。
「ママ」
「ママ……?」
「一体どうなっているのだ?」
赤い瞳の悪魔はツノの悪魔のこともママと呼んだ。
圭もルシファーも状況が分からなくて困惑するしかなかった。
「……ごめんなさいね。何があったの、シャリン?」
「ママ!」
「それはなんなんだよ……」
シャリンと呼ばれた赤い瞳の悪魔は圭のことを指差してママと言う。
ツノの悪魔のこともママと呼ぶし、そもそも圭は女でもなくもちろん子供もいない。
「ママ……? そういえば……」
「あの悪魔も準魔王ぐらいの力があるな」
なんてことはなさそうなツノの悪魔からも強い力をルシファーは感じ取っていた。
「ピッ!」
「フィーネ!」
ツノの悪魔が圭に近づこうとしてフィーネが間に割り込む。
得体の知れない悪魔を圭に近づかせるわけにはいかないと守ろうとしてくれている。
「異質な存在ね? 人でも悪魔でもない何か……ただ…………邪魔よ」
「フィーネ!」
ツノの悪魔の前に立ちはだかったフィーネは腹を殴り飛ばされた。
とんでもない勢いでフィーネが飛んでいってはるか後方にあった大きな黒岩に衝突した。
黒岩は粉々に砕け散りフィーネがどうなったのか圭の位置からは確認ができない。
「うっ!」
フィーネが吹き飛ばされた方から視線を戻すとツノの悪魔が目の前に立っていた。
ツノの悪魔はおもむろに手を伸ばすと圭の首を鷲掴みにして持ち上げた。
一見すると細身の女性なのに圭が抗えないほどの力を持っていた。
「その目……彼の力ね?」
「な、なんの……」
「死んだと思っていたけれど……どういうことかしら? 説明しなさい」
何を説明したらいいのか。
あるいは説明しようにも首を掴まれていてはなんの言葉も発することができない。
「ママ、それはママ」
圭の意識が遠のきかけた。
するとシャリンがツノの悪魔の手を掴んだ。
「……ふう、そうね」
ツノの悪魔が圭から手を放した。
「ゲホッ……!」
圭は慌てて息を吸い込む。
首には手の形がくっきりと残っていてあと少しでも掴まれたままだったら気を失っていたところだった。
「急に彼は帰ってこなくなった……どこからか死んだのだと噂が流れていて、私も死んだんだと思っていたわ。なぜあなたが彼の力を持っているのかしら?」
ダンテとジャンのことはルシファーが手で戦わないように制していた。
今のところ話し合う意思はあるように見えるのでここで攻撃して怒らせると止めることは難しくなってしまう。
「この目のことを言っているのか?」
「そうよ」
「ママの力を感じる」
どうやら圭の真実の目のことを言っているようだ。
「……この目は……」
圭は真実の目を手に入れた経緯を説明した。
なんてことはない。
圭のことを襲ったヘルカトが事故で死んで、ヘルカトから取れたスキル石を偶然使ってしまって圭が真実の目を手に入れた。
「………………あのバカ。弱っていたのだから油断なんかしなければよかったのに。子供だっていたのに」
「なるほどな」
ツノの悪魔と同じく話を聞いていたルシファーが納得したように頷いた。
「どういうことだ?」
「言っただろう? 悪魔も子をなすことがある、そして子をなすと子に力が奪われるということを」
「そういえばそんな話していたな」
「おそらくあのシャリンとかいう悪魔はお主が力を得た悪魔の子なのだ」
「えっ……」
「ヘルカト……名前は知らぬが悪魔種のモンスターに偽装していたその悪魔はシャリンという子をもうけて力を失っていたのだ。人を襲っていたのも快楽のためもあるのだろうが力を取り戻そうとしたのかもしれん。
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「そんな、ことが……」
ここにきて明かされる衝撃の事実に圭は驚くことしかできない。
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