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第一章
優勝と小さな嫉妬5
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仕切りの向こうからも声が聞こえてきた。
「わぁ~」
「キレイ!」
「そっちもカッコいい!」
仕切りの向こうではテユノも衣装をお直ししていた。
どうやらテユノの方も終わったみたいで仕切りが開かれてテユノの衣装もお目見えとなった。
リュード側の女性からテユノに、テユノ側の女性からリュードにそれぞれ賞賛の声が飛ぶ。
「あ……あんまり見るなし…………」
その青い髪に合わせた淡いブルーカラーのドレスの緩く広がるスカートのウエストの少し下のところをギュッと掴み俯き加減で恥ずかしさに耐えるテユノはリュードから見てもとても綺麗だった。
キチンと髪もセットされ、うっすらと化粧もしてある。
普段動きやすい恰好ばかりしているテユノとはかなり印象が違っている。
「笑いたいなら笑えよ……」
恥ずかしさのあまりかテユノは泣き出してしまいそうにも見えた。
「男の子ならちゃんと褒めてあげなきゃ」
女性の1人がリュードを肘でつついて何か言うように促す。
嫌われている自分が褒めたところで逆効果なのではないかと思わないでもないけどジッと見惚れた上に無言じゃ不安にもなるかと思う。
ただどう言ったら良いのか分からない。
自慢じゃないが前の人生でもリュードは女っ気がなかった。
今の人生も顔はそこそこ良いはずなのにルフォン以外、というかルフォンとテユノ以外の女子とあまり話したこともないのだ。
なぜだろうかと思うが剣の訓練したりと意外とストイックな生活送っているせいかもしれない。
「テユノ」
リュードが声をかけるとテユノの体が一瞬震える。
「笑いなんかしないさ。その……とても綺麗だよ」
どストレートで飾り気のない言葉、もっとこう上手く言えたら良いのかもしれないと自分の語彙力の無さに辟易する。
もうどうにでもなれと思った通りに伝えるしかリュードに方法は無かった。
まだ子供なのだしこれで十分だろう。
「……ッ!」
リュードも照れて少し赤くなってるけどそれなんか比じゃないぐらい、こんなに人は赤くなれるのかというほどボッとテユノの顔が耳から首筋からと真っ赤になる。
ヒューゥと誰かが一度だけ茶化すように言った後その場は沈黙に包まれる。
息の荒い邪悪な視線をしている女性だけが息を殺して悶えていた。
「あの……その……」
「テ、テユノ?」
とうとうテユノが感情の波に負けた。
口を開くと同時にテユノの目からはポロポロと涙が溢れ出してこの場にいる全員が慌てる。
「えと…………ごれは……ぢがぐでぇ~」
子供のように(子供だけど)泣き出したテユノは別に泣きたくて泣いているのではなく感情がどうしようもなくなって溢れ出てきてしまった。
そっと背中を押すのはやめてくれとリュードは呆れる。
テユノを褒めなきゃといって背中をつついてきた女性が今度は強めにリュードの背中を押す。
テユノの後ろ、リュードからは見える位置にいる1人が抱きしめてキスの1つでもやれとジェスチャーしてくる。
たとえ男と女といえど12歳だぞ。
軽々しくそんなこと出来ない。
それにキスどころか抱きしめたことすら村長にバレたら殺される。
ただこの状況、見られたらどう見ても泣かせているのはリュードである。
仮にこのまま放置していても見られたら殺されるのではないか。
どっちにしろ殺される。
周りの女性たちも口が重そうには到底思えない。
何にしても終わったのではないかという考えが頭をめぐり固まってしまう。
そうしている間に後ろからグイグイと押されてテユノの目の前まで移動させられていた。
もうヤケクソだと腹をくくる。
「落ち着け……」
もうどうして良いかわからなくなったリュードはテユノを抱きしめた。
周りの女性陣が声にこそ出していないが黄色い悲鳴を上げているのが分かる。
殴られるくらいは覚悟していたがテユノは抵抗もしなければ大人しく抱きしめられたままリュードの胸に顔をうずめてすぐに落ち着いていった。
ルフォンが抱きついてきたことはあっても逆なんてしたことはないリュードの心臓の音は絶対にテユノにも聞こえるほど大きく鳴っている。
「落ち着いた?」
「うん……」
密着していると良い匂いがしてリュードの方も落ち着かない。
「りゅ……シューナリュードは……私のこと嫌いですか?」
「へっ? いや、俺は……」
「あのぅ~優勝者がおまちなのですがぁ~」
いつになくしおらしい態度でちゃんと名前を呼んで見上げてくるテユノ。
そんな色っぽい空気を壊すように事情を知るよしもない力比べの運営のやや間延びした話し方の男性が入ってきた。
「ん~? なにかありましたぁ~?」
その瞬間テユノはパッと振り返るようにしてリュードから離れた。
みんなリュードとテユノのことを見ていてしまってこうした邪魔を防ぐことを忘れていたと女性たちは失敗を察した。
「いえいえ、何もないですよ! もうほんの少しだけ準備したら行けますので」
「そんなに押さなくてもいいじゃないですか~?」
「キミちゃん、髪とかメイクとか直したげて!」
「はいはーい」
周りの女性たちがフォローに入る。
なんだかんだしているしている間に大人部門の優勝者は準備を終えていたのだ。
大人になると1着ぐらい正装を持っているもので仕立て直しが必要な子供部門の優勝者よりも準備が早い。
仕立て直しだけでない時間が取られてしまって外は何かあったのかとざわついていてる。
リュードは女性陣に椅子に座って待ってるように言われ、テユノは複数人に囲まれてメイクのお直しや乱れてしまった髪のセットなどされている。
「わぁ~」
「キレイ!」
「そっちもカッコいい!」
仕切りの向こうではテユノも衣装をお直ししていた。
どうやらテユノの方も終わったみたいで仕切りが開かれてテユノの衣装もお目見えとなった。
リュード側の女性からテユノに、テユノ側の女性からリュードにそれぞれ賞賛の声が飛ぶ。
「あ……あんまり見るなし…………」
その青い髪に合わせた淡いブルーカラーのドレスの緩く広がるスカートのウエストの少し下のところをギュッと掴み俯き加減で恥ずかしさに耐えるテユノはリュードから見てもとても綺麗だった。
キチンと髪もセットされ、うっすらと化粧もしてある。
普段動きやすい恰好ばかりしているテユノとはかなり印象が違っている。
「笑いたいなら笑えよ……」
恥ずかしさのあまりかテユノは泣き出してしまいそうにも見えた。
「男の子ならちゃんと褒めてあげなきゃ」
女性の1人がリュードを肘でつついて何か言うように促す。
嫌われている自分が褒めたところで逆効果なのではないかと思わないでもないけどジッと見惚れた上に無言じゃ不安にもなるかと思う。
ただどう言ったら良いのか分からない。
自慢じゃないが前の人生でもリュードは女っ気がなかった。
今の人生も顔はそこそこ良いはずなのにルフォン以外、というかルフォンとテユノ以外の女子とあまり話したこともないのだ。
なぜだろうかと思うが剣の訓練したりと意外とストイックな生活送っているせいかもしれない。
「テユノ」
リュードが声をかけるとテユノの体が一瞬震える。
「笑いなんかしないさ。その……とても綺麗だよ」
どストレートで飾り気のない言葉、もっとこう上手く言えたら良いのかもしれないと自分の語彙力の無さに辟易する。
もうどうにでもなれと思った通りに伝えるしかリュードに方法は無かった。
まだ子供なのだしこれで十分だろう。
「……ッ!」
リュードも照れて少し赤くなってるけどそれなんか比じゃないぐらい、こんなに人は赤くなれるのかというほどボッとテユノの顔が耳から首筋からと真っ赤になる。
ヒューゥと誰かが一度だけ茶化すように言った後その場は沈黙に包まれる。
息の荒い邪悪な視線をしている女性だけが息を殺して悶えていた。
「あの……その……」
「テ、テユノ?」
とうとうテユノが感情の波に負けた。
口を開くと同時にテユノの目からはポロポロと涙が溢れ出してこの場にいる全員が慌てる。
「えと…………ごれは……ぢがぐでぇ~」
子供のように(子供だけど)泣き出したテユノは別に泣きたくて泣いているのではなく感情がどうしようもなくなって溢れ出てきてしまった。
そっと背中を押すのはやめてくれとリュードは呆れる。
テユノを褒めなきゃといって背中をつついてきた女性が今度は強めにリュードの背中を押す。
テユノの後ろ、リュードからは見える位置にいる1人が抱きしめてキスの1つでもやれとジェスチャーしてくる。
たとえ男と女といえど12歳だぞ。
軽々しくそんなこと出来ない。
それにキスどころか抱きしめたことすら村長にバレたら殺される。
ただこの状況、見られたらどう見ても泣かせているのはリュードである。
仮にこのまま放置していても見られたら殺されるのではないか。
どっちにしろ殺される。
周りの女性たちも口が重そうには到底思えない。
何にしても終わったのではないかという考えが頭をめぐり固まってしまう。
そうしている間に後ろからグイグイと押されてテユノの目の前まで移動させられていた。
もうヤケクソだと腹をくくる。
「落ち着け……」
もうどうして良いかわからなくなったリュードはテユノを抱きしめた。
周りの女性陣が声にこそ出していないが黄色い悲鳴を上げているのが分かる。
殴られるくらいは覚悟していたがテユノは抵抗もしなければ大人しく抱きしめられたままリュードの胸に顔をうずめてすぐに落ち着いていった。
ルフォンが抱きついてきたことはあっても逆なんてしたことはないリュードの心臓の音は絶対にテユノにも聞こえるほど大きく鳴っている。
「落ち着いた?」
「うん……」
密着していると良い匂いがしてリュードの方も落ち着かない。
「りゅ……シューナリュードは……私のこと嫌いですか?」
「へっ? いや、俺は……」
「あのぅ~優勝者がおまちなのですがぁ~」
いつになくしおらしい態度でちゃんと名前を呼んで見上げてくるテユノ。
そんな色っぽい空気を壊すように事情を知るよしもない力比べの運営のやや間延びした話し方の男性が入ってきた。
「ん~? なにかありましたぁ~?」
その瞬間テユノはパッと振り返るようにしてリュードから離れた。
みんなリュードとテユノのことを見ていてしまってこうした邪魔を防ぐことを忘れていたと女性たちは失敗を察した。
「いえいえ、何もないですよ! もうほんの少しだけ準備したら行けますので」
「そんなに押さなくてもいいじゃないですか~?」
「キミちゃん、髪とかメイクとか直したげて!」
「はいはーい」
周りの女性たちがフォローに入る。
なんだかんだしているしている間に大人部門の優勝者は準備を終えていたのだ。
大人になると1着ぐらい正装を持っているもので仕立て直しが必要な子供部門の優勝者よりも準備が早い。
仕立て直しだけでない時間が取られてしまって外は何かあったのかとざわついていてる。
リュードは女性陣に椅子に座って待ってるように言われ、テユノは複数人に囲まれてメイクのお直しや乱れてしまった髪のセットなどされている。
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