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第三章
変態的な別れ1
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タコのクラーケンに関して他言しないようにかんこう令が敷かれて、クラーケン討伐のお祭りもゆっくりと熱が冷めつつあった。
そうこうしている間にも北側から進められていた犯罪者、魔物一掃作戦は順調に進んでいって多くの悪人が捕らえられた。
これは他から流れてきた、きていないを問わずに捕らえていた。
一掃作戦によりヘランド王国はクラーケン討伐と合わせて非常に平和で安定的な国となったといってもいい。
作戦も終わったので国境線の封鎖も解除された。
「私たち、ここに残ります」
リュードも入院していたのだけどルフォンの方が死にかけたということもあって長く病院にいることになった。
ようやくルフォンも退院して、国境封鎖も解かれたということで今後どうするかを話し合っていた。
そこでエミナが意を決したように切り出した。
「えっ、どうして……?」
予想もしていなかった言葉。
ルフォンは意外な言葉に驚きを隠すことができない。
すっかり一緒にいることに慣れてしまった。
本来どこか拠点となる場所を決めてそこで別れるという話だったことも忘れてこの先ずっと一緒に旅するつもりでいた。
リュードとしてもエミナたちと無理に別れようとは思っていない。
ルフォンのようにずっと一緒だとは思ってなくともまだ別れるような時じゃなさそうだと思っていた。
「私、クラーケンの討伐に参加して自分の無力さを改めて痛感しました」
けれどエミナの考えは違っている。
同じアイアン+でもリュードは今回の討伐の英雄。
魔法1つでクラーケンを翻弄してみせて、戦いを大きく優位なものへと導いた。
ルフォンもルフォンで目覚ましい活躍とは言えなくても確実にクラーケンの足を傷つけていて、タコが途中で襲ってくるなんてことがなければ危なげすらなかった。
対してエミナは魔法部隊として参加して、ドランダラスの指示のもとで魔法を放っていた。
しかしエミナの放つ魔法はリュードの魔法のような効果はなく、その他大勢の参加者の1人でしかなかった。
魔法でもダメージは与えていたので役に立っていないわけではなかったけれど、役に立っていると誇れるような成果は何一つない。
エミナは戦いの中で悔しさを覚えた。
「この先にお2人がどんな旅をしてくのか、それは私には分かりません。でもこのままだと、私がいるときっといつか2人の足を引っ張ってしまいます……」
「そんなこと……」
「待ってください。最後まで、私の話を聞いてください」
リュードもルフォンもきっと足手まといなんじゃないと言ってくれるし、困ったら仲間なんだから助けてくれると言ってくれる。
けれどそうじゃない。
「嫌なんです。私の力不足のせいで2人に苦労をかけたり、もしかしたらケガしちゃうことが。2人は大丈夫って言ってくれるけど私が大丈夫じゃないんです」
自分が足手まといになっている。
魔法の強さも立ち回りもまだ未熟で、何もかもが足りていない。
2人がどう思っているかではなく自分がどうなのかである。
「エミナちゃん……」
「これまでリュードさんとルフォンちゃんの強さと優しさに甘えてきてしまいました。でもそれじゃダメなんです。自分でなんとかしないと……またきっと2人に甘えちゃいます」
決意に満ちたエミナの目。
初めて出会った時の頼りなさげで自信のなさそうな少女だった頃の目とはだいぶ違っている。
リュードとルフォンが大好きで、強いとわかっているからこそ迷惑をかけたくないと思うのだ。
2人と一緒にいてエミナも強いということが分かってきた。
2人に頼ることのない環境に身を置いて努力を重ねなきゃいつまでも甘えてしまって、2人にふさわしい自分になることができなくなるとエミナは考えていた。
「2人はどうするんだ?」
ヤノチとダカンにも視線を向ける。
いきなりエミナだけ残るとは考えにくい。
3人で話し合ったようであるのでリュードには答えはわかっていた。
「私たちもここに残ってエミナと組んでパーティで活躍していくつもり。故郷も近いし、なんてたって困ったらこの国の王様が助けてくれるしね」
「俺はヤノチがいるところが俺のいるところだから」
3人でここを中心に活動する。
今は大干潮があるから少しだけ大変な時期になるけどそれを過ぎれば国内は犯罪者も少なく、魔物も程よいレベルになっているはずだ。
トキュネスやカシタコウも近く、何かあれば3人はすぐにでも国に帰れる。
今はクラーケンや一掃作戦で国内の話題は持ちきりなのでトキュネスやカシタコウの話が入ってきてエミナたちのことが身バレする可能性も低い。
ちょうど良い場所だろう。
3人で決めたことのようだし文句もない。
「でも…………」
声が震える。
泣かないと決めはずなのに。
我慢してもし切れない。
ググッと上がってきた感情と目に熱いものが溜まって視界がぼやける。
「もじ……わだしがもっど、強くなっで2人の、隣にだっでも、いいと、思えるどぎがきだら」
こぼれないようにと言葉を詰まらせながら言い進めるけれど、もう止まらなかった。
こんな情けなく言うつもりなんてなかった。
そうこうしている間にも北側から進められていた犯罪者、魔物一掃作戦は順調に進んでいって多くの悪人が捕らえられた。
これは他から流れてきた、きていないを問わずに捕らえていた。
一掃作戦によりヘランド王国はクラーケン討伐と合わせて非常に平和で安定的な国となったといってもいい。
作戦も終わったので国境線の封鎖も解除された。
「私たち、ここに残ります」
リュードも入院していたのだけどルフォンの方が死にかけたということもあって長く病院にいることになった。
ようやくルフォンも退院して、国境封鎖も解かれたということで今後どうするかを話し合っていた。
そこでエミナが意を決したように切り出した。
「えっ、どうして……?」
予想もしていなかった言葉。
ルフォンは意外な言葉に驚きを隠すことができない。
すっかり一緒にいることに慣れてしまった。
本来どこか拠点となる場所を決めてそこで別れるという話だったことも忘れてこの先ずっと一緒に旅するつもりでいた。
リュードとしてもエミナたちと無理に別れようとは思っていない。
ルフォンのようにずっと一緒だとは思ってなくともまだ別れるような時じゃなさそうだと思っていた。
「私、クラーケンの討伐に参加して自分の無力さを改めて痛感しました」
けれどエミナの考えは違っている。
同じアイアン+でもリュードは今回の討伐の英雄。
魔法1つでクラーケンを翻弄してみせて、戦いを大きく優位なものへと導いた。
ルフォンもルフォンで目覚ましい活躍とは言えなくても確実にクラーケンの足を傷つけていて、タコが途中で襲ってくるなんてことがなければ危なげすらなかった。
対してエミナは魔法部隊として参加して、ドランダラスの指示のもとで魔法を放っていた。
しかしエミナの放つ魔法はリュードの魔法のような効果はなく、その他大勢の参加者の1人でしかなかった。
魔法でもダメージは与えていたので役に立っていないわけではなかったけれど、役に立っていると誇れるような成果は何一つない。
エミナは戦いの中で悔しさを覚えた。
「この先にお2人がどんな旅をしてくのか、それは私には分かりません。でもこのままだと、私がいるときっといつか2人の足を引っ張ってしまいます……」
「そんなこと……」
「待ってください。最後まで、私の話を聞いてください」
リュードもルフォンもきっと足手まといなんじゃないと言ってくれるし、困ったら仲間なんだから助けてくれると言ってくれる。
けれどそうじゃない。
「嫌なんです。私の力不足のせいで2人に苦労をかけたり、もしかしたらケガしちゃうことが。2人は大丈夫って言ってくれるけど私が大丈夫じゃないんです」
自分が足手まといになっている。
魔法の強さも立ち回りもまだ未熟で、何もかもが足りていない。
2人がどう思っているかではなく自分がどうなのかである。
「エミナちゃん……」
「これまでリュードさんとルフォンちゃんの強さと優しさに甘えてきてしまいました。でもそれじゃダメなんです。自分でなんとかしないと……またきっと2人に甘えちゃいます」
決意に満ちたエミナの目。
初めて出会った時の頼りなさげで自信のなさそうな少女だった頃の目とはだいぶ違っている。
リュードとルフォンが大好きで、強いとわかっているからこそ迷惑をかけたくないと思うのだ。
2人と一緒にいてエミナも強いということが分かってきた。
2人に頼ることのない環境に身を置いて努力を重ねなきゃいつまでも甘えてしまって、2人にふさわしい自分になることができなくなるとエミナは考えていた。
「2人はどうするんだ?」
ヤノチとダカンにも視線を向ける。
いきなりエミナだけ残るとは考えにくい。
3人で話し合ったようであるのでリュードには答えはわかっていた。
「私たちもここに残ってエミナと組んでパーティで活躍していくつもり。故郷も近いし、なんてたって困ったらこの国の王様が助けてくれるしね」
「俺はヤノチがいるところが俺のいるところだから」
3人でここを中心に活動する。
今は大干潮があるから少しだけ大変な時期になるけどそれを過ぎれば国内は犯罪者も少なく、魔物も程よいレベルになっているはずだ。
トキュネスやカシタコウも近く、何かあれば3人はすぐにでも国に帰れる。
今はクラーケンや一掃作戦で国内の話題は持ちきりなのでトキュネスやカシタコウの話が入ってきてエミナたちのことが身バレする可能性も低い。
ちょうど良い場所だろう。
3人で決めたことのようだし文句もない。
「でも…………」
声が震える。
泣かないと決めはずなのに。
我慢してもし切れない。
ググッと上がってきた感情と目に熱いものが溜まって視界がぼやける。
「もじ……わだしがもっど、強くなっで2人の、隣にだっでも、いいと、思えるどぎがきだら」
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こんな情けなく言うつもりなんてなかった。
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