人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

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第四章

次の旅へ3

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「ラスト、お前は真っ直ぐに育ってくれた。だから今度はそのまま大きく育って欲しいのだ。リュード君とルフォン君、君たちは強く、柔軟でありながら成長の途中にいる。ラストにもきっと良い刺激になる。どうか、我が娘の成長に一役買ってくれないか」
 
 ベギーオはあまりにも視野が狭くなってしまった。
 王座に固執して周りが見えなくなった結果、暗い考えも平気で持つようになってしまった。

 ラストにはもっと世界を見て、自由に物事を考えてもらいたい。
 その過程で王への自覚や心構えが出来てくればよいなとは思うが、そうではない道を選ぶこともヴァンはよいのではないかと考えていた。

「……大領主としての仕事はどうするんですか?」

 一瞬ニヤつきかけた顔を引き締めてラストが問う。
 現在もラストに与えられていた領地は緊急措置として直轄地になっている。

 けれどラストは大領主の座を剥奪されたわけでもなく、未だに大領主である。

「こたびバロワも大領主の座から退くことになった。ラストが持つ領地以外は大領主の座が空席となってしまう。しかし次から次へと任せられるほど大領主の座も軽くはないし、未だにベギーオやプジャンの領地では混乱が続いている。
 そしてさらに事の真相が混乱を避けるために伏せられているためにベギーオの母方の一族が口を出してきていてな。このままでは何をしでかすか分からない」

 この期に及んでラストに手を出すことはないと思うけれど、ベギーオの復讐だとラストに手を出してる可能性は排除できない。
 領地問題もベギーオの一族についても時間が必要となる。

 ラストが国内で大領主として仕事をするより一度国を離れた方がさまざまな事でいいだろうとヴァンは考えていた。

「大領主は剥奪はしないがしばらくは大領主としての仕事は休んでもらう。その間に今一度制度も見直すつもりだ」

 バロワの出自についても公表せねばならない。
 モノランの件にも手をつけなきゃいけなくてやることはまだまだ山のようにある。

 ラストには世界を見てもらういい機会だし、ヴァンとしてはラストのために国内の色々なところを見直すいい機会なのである。
 外の世界が安全とは言えないが、経験が積める分外の世界にいる方がよっぽどいい。

「正直男の側に置いておくことは気が進まないが……」

 リュードは実力もあって、大人の試練で非常に多くのことに貢献してきたので信頼もしていい。
 しかしながら男女的なことを考えてしまうと果たして信頼してもよいものかとヴァンは悩む。

 滅多に人を褒めない堅物のコルトンが誉めていた人物を疑いたくはないのだけど、やはり男親としての心配はある。

「これは国としての頼みではなく、私個人の頼みだ」

 立ち上がってゆっくりとリュードに頭を下げるヴァン。
 こんな風に頭を下げるのは子供の頃に母に怒られた時ぐらいのものだった

「俺はこのお願い聞き受けても大丈夫だ。二人はどう思う?」

 一緒に旅することについてはよほど変なやつでもないなら旅してもいいと思う
 ただしそれはちゃんと本人が希望していることが前提だ。

 ヴァンからのお願いではあるがラストにとっては寝耳に水な話であったようだし意思確認は必要である。

「私は……二人と旅したい! ……かな?」

 まず答えたのはラストだった。
 ヴァンの話を聞きながら思わずニヤニヤとしてしまっていた。

 大領主の仕事も大切であるけれどリュードとルフォンと旅ができたらどれだけ幸せなことかと思うのだ。
 行けるなら、行きたいというのがラストの本音である。

「……うん、私もラストならいいかな」

「ほ、本当!?」

「でも言っておくよ」

「な、何でしょうか!」

「第一夫人は、私だよ?」

「へっ?」

 これは暗にルフォンがラストのことを認めたと言ってもよかった。
 ラストの顔が真っ赤になっていく。

 第一夫人は私ということは第二夫人ならいいともとらえられる。
 つまりはラストがリュードのそばにいることをルフォンは許容するということなのだ。

「べ、別にそんなんじゃないって!」

「もう! 分かってるよ!」

「うぅ~!」

 リュードには言ってなくてもルフォンにはもう知られてしまっている思いがある。
 旅を共にするということはそうしたちょっと男女的なこともやるのだろうかなんてラストは少しだけ考えてしまった。

「お父さんは認めませんからね!」

 ラストのリュードを見る目がどうにもおかしい。
 頼んだ手前撤回することも出来ないけれどヴァンの中にある不安がより一層大きくなってしまった。

 ということで、ドワーフの国であるドワガルにはリュードとルフォン、そしてラストの三人で向かうことになったのであった。
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