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第六章
共に生きる1
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ハチと何を話し合っていたのか知らなかったが、後々ハチに聞いたところ大キラービーがやっていたのは命乞いだった。
ハチの親蜂である女王蜂の最側近も務めていた長命なキラービーで人で言えば乳母のような存在である。
人を襲ったり傷つけたのは大キラービーでハチではないのでハチの命は助けてほしい、殺すなら自分を殺してほしいと言っていたらしい。
知性的にはあまり高くないキラービーではあるけれど、大キラービーはそれなりに長生きしてきたので通常の個体よりも知恵があった。
ハチは進化を遂げてキラービーの新たなる可能性となっている。
そして幼い頃より面倒を見てきて娘のような存在のハチを守ろうとただ一匹だけ犠牲になろうとしていた。
ただし言葉がわからないのでリュードにその熱い思いは伝わっていなかったし、ハチと大キラービーが互いに互いを庇い合いながらすがりついて来ているだけだった。
「なんだかどっと疲れた感じがあるな」
そしてリュードがどうしたかというと、ドワガルに戻ってきていた。
心配そうに門のところで待っていたドワーフたちはリュードを見て大慌てで逃げていった。
なぜならリュードはハチと大キラービーを一緒に連れて帰ってきていたからである。
人とは明らかに違う見た目をした大キラービーは遠くからでもよく目立つ。
リュードたちより先に大キラービーを見つけたドワーフたちはキラービーが攻めてきたと騒ぎなっていた。
開いて待っていた門が閉められて、盾を構えたドワーフたちがザッと出てきた。
当然なんだけどほんのりとした物悲しさがあるのは仕方ない話だ。
ただドワーフたちが自分たちの力で防衛しようとする姿には感心してしまう。
「テメェバカじゃねえのか! 何町中に魔物招き入れてんだよ!」
激怒するドゥルビョ。
怒る理由も間違ってないので止められもしない。
怒っているのはリュードたちが大キラービーを連れてきたからである。
ハチはルフォンの服を渡されて嫌々ながら着ているのでなんとかギリギリ人のように見えているけれど、大キラービーは完全アウトである。
隠しようもないので堂々としている他に方法もない。
デカいキラービーが来ているので町中は大パニック。
なのだけどリュード効果は恐るべし。
リュードに会いたいとか、リュードが連れているなら安全だろうとか落ち着き始めるのもとても早かった。
一人でブチギレているドゥルビョをよそに、他のドワーフたちは距離を取りながらも大キラービーとハチを見物していたりしていた。
お馴染み話し合いの場にはデルデとドゥルビョも含めた四人のドワーフが集まっていてリュードたちもそこにいた。
もちろんハチと大キラービーもである。
「これがキラービーってのかい。この辺りにはいないしこんな近くで見たことないね。こんな体の作りしてんのかい……甲冑を作るときの参考になるかね」
「ホッホッホ、そちらの綺麗なお嬢さんは何者かな?」
サッテとゾドリアズムは思いの外のんびりとしていた。
「何があったのか説明します」
まずは報告をする。
毒から復帰したばかりだけど、冒険者の代表者なのでリザーセツが前に出て何があったのかを説明する。
ミスリルリザードがいた鉱山にはキラービーが棲みついていたこと、そしてリュードがその女王を倒したこと、そして最後にはキラービーの支配権を得たことを報告した。
「だからって連れてくるもんがあるか!」
リュードとしても目立ちにくいハチだけを連れてくるつもりだった。
だけれども大キラービーが譲らなかった。
騒ぎなると分かっていても勝手についてくるし、それぐらいならしっかりと勝手なことをしないように言い聞かせて監視下に置いた方がマシだと思ったのだ。
「まあ、そう興奮しなさるな。もういる以上はなんともならんし、話は進まん。肝心なのはどうして連れてきたかじゃないか?」
「むむむ……そうかもしれないが……」
「それについての説明はリュードから……」
実際リザーセツもリュードになんの目的があるのか分かっていない。
キラービーたちを全滅させるつもりがないことは分かっているが、だからといって魔物であるキラービーたちをどうするのか予想もつかなかった。
「じゃあ俺から。キラービーの処遇についてなんですが、一つドワーフに提案したいことがあるんです」
「提案だと?」
「はい。キラービーと共生してみるつもりはありませんか?」
「なんだと?」
今回ドワーフたちはその弱さを露呈してしまうことになった。
他種族に理由もなく手を出すことを禁じられた世の中になって久しいためにドワーフたちの戦闘技術は著しく衰えていた。
これまではよかった。
だがしかしこれからもこのままでいけるとは言えなくなってしまった。
ドワーフたちが強くなって防衛できることが望ましく、強くなることは急務であるけれど一朝一夕で強くなれるものではない。
当面の間の防衛力を確保する必要がある。
一方で今回の件に関して、全ての原因はキラービーにある。
ハチの巣立ちが一連の騒動の根幹にあったのだ。
ウメハトの件も鉱山には魔物が押し寄せた件もハチが巣立ってお家を探し始めたことが元凶なのである。
お家を探しながらも女王を守ろうとしたキラービーがウメハトのところに現れて襲いかかった。
キラービーが通常の生息域を出てお家を探しているので、押されるように逃げ出した魔物たちが行き場を探して鉱山に棲みついた。
たまたま鉱山の方に逃げてきたのだろうけど、ハチがいなきゃ起こらなかったことだ。
ミスリルリザードの異常な移動もハチがさらにお家を探して鉱山まで来たので逃げたのだ。
強力な集団の魔物であるキラービーが来たから他の魔物は相手にできなかった。
しかもキラービーのトップには人化したハチがいた。
なので突き詰めるとハチに責任があるといえる。
ハチをこれからどうするか問題を考えた時にリュードは思いついた。
殺さず、平和的に、かつ利益を生みつつ、ハチに責任を取らせて、ドワーフの防衛力も強化する方法がある。
それはハチとドワーフの共存共生である。
ハチの親蜂である女王蜂の最側近も務めていた長命なキラービーで人で言えば乳母のような存在である。
人を襲ったり傷つけたのは大キラービーでハチではないのでハチの命は助けてほしい、殺すなら自分を殺してほしいと言っていたらしい。
知性的にはあまり高くないキラービーではあるけれど、大キラービーはそれなりに長生きしてきたので通常の個体よりも知恵があった。
ハチは進化を遂げてキラービーの新たなる可能性となっている。
そして幼い頃より面倒を見てきて娘のような存在のハチを守ろうとただ一匹だけ犠牲になろうとしていた。
ただし言葉がわからないのでリュードにその熱い思いは伝わっていなかったし、ハチと大キラービーが互いに互いを庇い合いながらすがりついて来ているだけだった。
「なんだかどっと疲れた感じがあるな」
そしてリュードがどうしたかというと、ドワガルに戻ってきていた。
心配そうに門のところで待っていたドワーフたちはリュードを見て大慌てで逃げていった。
なぜならリュードはハチと大キラービーを一緒に連れて帰ってきていたからである。
人とは明らかに違う見た目をした大キラービーは遠くからでもよく目立つ。
リュードたちより先に大キラービーを見つけたドワーフたちはキラービーが攻めてきたと騒ぎなっていた。
開いて待っていた門が閉められて、盾を構えたドワーフたちがザッと出てきた。
当然なんだけどほんのりとした物悲しさがあるのは仕方ない話だ。
ただドワーフたちが自分たちの力で防衛しようとする姿には感心してしまう。
「テメェバカじゃねえのか! 何町中に魔物招き入れてんだよ!」
激怒するドゥルビョ。
怒る理由も間違ってないので止められもしない。
怒っているのはリュードたちが大キラービーを連れてきたからである。
ハチはルフォンの服を渡されて嫌々ながら着ているのでなんとかギリギリ人のように見えているけれど、大キラービーは完全アウトである。
隠しようもないので堂々としている他に方法もない。
デカいキラービーが来ているので町中は大パニック。
なのだけどリュード効果は恐るべし。
リュードに会いたいとか、リュードが連れているなら安全だろうとか落ち着き始めるのもとても早かった。
一人でブチギレているドゥルビョをよそに、他のドワーフたちは距離を取りながらも大キラービーとハチを見物していたりしていた。
お馴染み話し合いの場にはデルデとドゥルビョも含めた四人のドワーフが集まっていてリュードたちもそこにいた。
もちろんハチと大キラービーもである。
「これがキラービーってのかい。この辺りにはいないしこんな近くで見たことないね。こんな体の作りしてんのかい……甲冑を作るときの参考になるかね」
「ホッホッホ、そちらの綺麗なお嬢さんは何者かな?」
サッテとゾドリアズムは思いの外のんびりとしていた。
「何があったのか説明します」
まずは報告をする。
毒から復帰したばかりだけど、冒険者の代表者なのでリザーセツが前に出て何があったのかを説明する。
ミスリルリザードがいた鉱山にはキラービーが棲みついていたこと、そしてリュードがその女王を倒したこと、そして最後にはキラービーの支配権を得たことを報告した。
「だからって連れてくるもんがあるか!」
リュードとしても目立ちにくいハチだけを連れてくるつもりだった。
だけれども大キラービーが譲らなかった。
騒ぎなると分かっていても勝手についてくるし、それぐらいならしっかりと勝手なことをしないように言い聞かせて監視下に置いた方がマシだと思ったのだ。
「まあ、そう興奮しなさるな。もういる以上はなんともならんし、話は進まん。肝心なのはどうして連れてきたかじゃないか?」
「むむむ……そうかもしれないが……」
「それについての説明はリュードから……」
実際リザーセツもリュードになんの目的があるのか分かっていない。
キラービーたちを全滅させるつもりがないことは分かっているが、だからといって魔物であるキラービーたちをどうするのか予想もつかなかった。
「じゃあ俺から。キラービーの処遇についてなんですが、一つドワーフに提案したいことがあるんです」
「提案だと?」
「はい。キラービーと共生してみるつもりはありませんか?」
「なんだと?」
今回ドワーフたちはその弱さを露呈してしまうことになった。
他種族に理由もなく手を出すことを禁じられた世の中になって久しいためにドワーフたちの戦闘技術は著しく衰えていた。
これまではよかった。
だがしかしこれからもこのままでいけるとは言えなくなってしまった。
ドワーフたちが強くなって防衛できることが望ましく、強くなることは急務であるけれど一朝一夕で強くなれるものではない。
当面の間の防衛力を確保する必要がある。
一方で今回の件に関して、全ての原因はキラービーにある。
ハチの巣立ちが一連の騒動の根幹にあったのだ。
ウメハトの件も鉱山には魔物が押し寄せた件もハチが巣立ってお家を探し始めたことが元凶なのである。
お家を探しながらも女王を守ろうとしたキラービーがウメハトのところに現れて襲いかかった。
キラービーが通常の生息域を出てお家を探しているので、押されるように逃げ出した魔物たちが行き場を探して鉱山に棲みついた。
たまたま鉱山の方に逃げてきたのだろうけど、ハチがいなきゃ起こらなかったことだ。
ミスリルリザードの異常な移動もハチがさらにお家を探して鉱山まで来たので逃げたのだ。
強力な集団の魔物であるキラービーが来たから他の魔物は相手にできなかった。
しかもキラービーのトップには人化したハチがいた。
なので突き詰めるとハチに責任があるといえる。
ハチをこれからどうするか問題を考えた時にリュードは思いついた。
殺さず、平和的に、かつ利益を生みつつ、ハチに責任を取らせて、ドワーフの防衛力も強化する方法がある。
それはハチとドワーフの共存共生である。
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