人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

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第六章

共に生きる6

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 そんな戦いがあってハチの頬にはルフォンの肉球の跡がついていたのだ。

「いい、命だけはお助けを!」

 事の次第を全てリュードに話されてしまった。
 結果的にルフォンに敗北したハチはルフォンにも逆らえなくなってただ全てバラされるのを黙って聞いているしかなかった。

 ハチはリュードの足にしがみついて命乞いする。
 なんとか笑顔で乗り切ろうとしているハチを見て、こんな魔物のせいでドワガルが大騒ぎになっていたのかと思うと情けなくなってくる思いがする。
 
「そうだな、お前の処遇はルフォンに任せることにするよ」

 ルフォンも勝ったならルフォンにも従わなきゃいけない。
 ここまできて殺す気はリュードにないけど、ルフォンがそうしたいなら止めるようなつもりもなかった。

「どうするかはルフォン次第だけどもう二度とこんなことはするなよ?」

 実際のところ酒で深く寝ている間のことなので実感がなく、怒りもそんなにわかない。
 殺そうとしたっていうなら話は別だけど、性的に襲われかけたというのは何とも事を荒げるには難しいラインの話だ。

 ルフォンの方が怒ってくれているのでそれも怒りにくい理由である。

「どうする?」

 リュードはルフォンに視線を向ける。
 寝起きで殺生はしたくないけど、やり過ぎたことをしたのはハチだ。

「……もう二度としないって約束するなら許してあげる」

 ルフォンはちょっとだけむくれたように答えた。
 気に入らないけどルフォンも殺すつもりはない。

 リュードが生かしているならその意味があるのだ。
 殺すつもりならハチはとっくに死んでいるだろうし、手加減して肉球の跡で済ませたなら殺さないとリュードも分かってはいた。

「ほほ、本当!? もちろん、勝手に子種を頂くことは二度としないよ! ただもらえるなら……はい、大人しくする……」

 ルフォンに睨まれてハチはしゅんとする。
 やろうとしたことはやや悪質であるけれど悪意を持ってやろうとしていたわけではない。

 ルフォンが許すならリュードが罰することもない。

「これでこの話は終わりだ。……優しいな、ルフォンは」

 リュードはむくれた顔をするルフォンの頭を優しく撫でてやる。
 ルフォンは頬を赤らめて尻尾を振る。

「守ってくれたんだろ? ありがとう」

 守られたのは貞操である。
 そんな大切に守っておくもんじゃないかもしれないけど、寝ている間に奪われるのはリュードも勘弁したい。

 人生はゆるく生きたいけどそこらへんをゆるくいくつもりもない。

「えへへっ……えいっ、じゃあこれぐらいはいいかな?」

 ルフォンがリュードの腕に抱きつく。
 自分も子種は欲しいとは流石に言えないけど密着するぐらいなら許されるだろう。

「あんたはダメ!」

「ふええ~」

 ハチはこっそりとルフォンが抱きついたのと逆の腕に手を伸ばしていたところ、ルフォンに諌められてしょんぼりした顔をする。
 酒が入って吐いてしまったとはいえ、そのまま勝負を続けていても勝てなかったことはハチにも分かる。

 負けを認められなければ死ぬまで戦うことになる。
 だからハチは負けを認めざるを得ない。

 伸ばした手をさっと戻して、ハチは羨ましそうにルフォンを見ていたのであった。
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