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第七章
祝福あれ!1
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リュードたちがケーフィランドに帰ってくると、ケーフィランドにも雪が積もっていた。
そんなに長いこと離れていたのでもないのに、白い町は雪でさらに白く染まっていたのだ。
「よく戻ってくれた! 君たちの功績は語り継がれていくことでしょう!」
熱烈な歓迎を受けることは、ケラフィスについた時点で分かっていた。
ソワソワとした町を守る聖騎士がリュードたちを見て嬉しそうに走り去った。
どこへ行き、何を伝えたのか丸わかりである。
教会となっている城に着くと、その前にはずらっと聖職者たちが並んでいた。
熱い歓迎である。
事前に神物を取り戻した一報は入れてあるので、リュードたちと神物がいつ戻ってくるのかと首を長くして待っていたのだ。
ちなみにケーフィス教だけでなく他の聖教の聖職者もお祝いに出てきてくれている。
枢機卿のヒョルドや大司教のオルタンタスももちろんいる。
「まだちゃんと報告はしていませんよ?」
軽く一報を飛ばしただけ。
だから何かが起きてちゃんと神物をここまで持って帰ってきたかも分からない。
ウィドウが悪戯っぽく笑う。
もしかしたら何かの理由で神物はまだ……なんてこともあり得る。
そんなみんな集めて大見栄切っていいのか。
「ふふ……ウィドウ、我々にはあなた方の成功が分かります。なぜだと思いますか、ダリル」
「わ、私ですか?」
「ふふふ……教えて差し上げましょう」
オルタンタスの隣に立っていたフードを被った人が前に出た。
パサリとフードを下ろして真っ直ぐにダリルの方を向く。
「あ……あぁ…………」
ヤバいと思った。
その場にいた人がみな一様に耳を塞いだ。
「テレサ!」
ダリルが叫ぶ。
フードを下ろしたその人はテレサであった。
リュードはコユキの耳を塞ぎ、ケフィズサンのみんなは知らなかったのでモロにダリルの叫びを聞いてしまった。
ダリルがフラフラとテレサに近づく。
テレサは優しく微笑み、同じくゆっくりとダリルの方に向かう。
「ほ、本当にテレサ……なのか」
「本当よ。ほら、生きているでしょう?」
テレサは震えるダリルの手を取った。
その手は温かく、確かな命を感じさせた。
テレサはそのままダリルの手を引き寄せて甲にキスをする。
全身が冷たくなっていたのに、今は熱いくらいに熱を持っている。
「本当、本物」
「痛いところはないか? 辛いところはないか? もう動いても大丈夫なのか? 眠くはないのか?」
「そんなにいっぺんに聞かれても困るわ。でももう大丈夫よ。痛くも辛くもない。夜は眠いけど朝から起きていられるわ」
「よかった……」
「ええ……私はもう大丈夫。だから分かったの。あなたが神物を取り戻してくれたって。私のことを救ってくれたってことを」
「テレサ……テレサ!」
「病み上がりよ、優しくね」
優しく、それでいながら力強くダリルはテレサを抱きしめた。
感情が抑えきれずに頬を喜びの涙が伝う。
「神よ! 感謝いたします!」
子供のように泣きじゃくるダリル。
周りにいたみんなも心温まる感動的な光景に涙を浮かべる。
テレサも目に涙を流しながらダリルの背中をゆっくりとさすってあげていた。
ーーーーー
変化はおそらく神物を取り戻した時から始まっていた。
これまでの睡眠時間の流れからすると、まだ起きないはずのテレサはおもむろに目を覚ました。
まだ快方とはいかなかったがスッと起きられた。
起きている時も頭にモヤがかかったようなスッキリしない気分だったのに、気づいたら気分も良く起きていられるようになっていた。
歌って踊りたいほど頭が軽くなっていき、抗いようのない意識の混濁が無くなっていったのだ。
「ダリル……?」
意識がしっかりしている今のうちに食事でもしようと思っていたテレサはふとダリルのことを思い出した。
調子が良くなったことをダリルが聞いたら喜ぶだらうと思ったのだ。
この状況があるのはダリルのおかげではないかと半ば確信めいてそう思った。
今隣にいないダリルはテレサを治す方法を探し、そして神物を見つけ出せばよいことを知った。
神物の場所も見つけて、神物を取り戻しにいった。
急に体の調子が良くなってきたのでダリルが神物を持って帰ってきたのではないかなんて考えた。
気だるげで生気のなかったテレサが元気に部屋から出てきたことで、城はちょっとした騒ぎになった。
死者ではないが死者が歩いているみたいな、そんな感じである。
オルタンタスが飛んできてテレサに話を聞いた。
にわかには信じがたいが、テレサの体調が回復の兆しを見せている。
ダリルが神物を持って帰ってきたのではないかとテレサは主張したが、まだダリルは帰ってきておらず、神物を取り戻したかどうかの情報もなかった。
しかし偶然の出来事にも思えずオルタンタスも調査した。
すると攻略不可ダンジョンの攻略についての情報を掴み、その後すぐに神物を取り戻した一報も到着した。
「やはり神の導き、みんながやってくれたのか」
オルタンタスも神の導きに感謝せずにはいられなかった。
そうしている間にもテレサの体調はますます回復していった。
長かった睡眠時間が段々と短くなり、起きている間も精力的に活動できるようになった。
まさか神物を持って帰ってくるまでもなくテレサの回復が始まるとは嬉しい誤算だった。
けれどテレサの体調の回復のおかげで、早くに情報をキャッチして準備することができた。
ほとんど回復したテレサはダリルを迎えるためにサプライズ的に登場したのである。
ーーーーー
そんなに長いこと離れていたのでもないのに、白い町は雪でさらに白く染まっていたのだ。
「よく戻ってくれた! 君たちの功績は語り継がれていくことでしょう!」
熱烈な歓迎を受けることは、ケラフィスについた時点で分かっていた。
ソワソワとした町を守る聖騎士がリュードたちを見て嬉しそうに走り去った。
どこへ行き、何を伝えたのか丸わかりである。
教会となっている城に着くと、その前にはずらっと聖職者たちが並んでいた。
熱い歓迎である。
事前に神物を取り戻した一報は入れてあるので、リュードたちと神物がいつ戻ってくるのかと首を長くして待っていたのだ。
ちなみにケーフィス教だけでなく他の聖教の聖職者もお祝いに出てきてくれている。
枢機卿のヒョルドや大司教のオルタンタスももちろんいる。
「まだちゃんと報告はしていませんよ?」
軽く一報を飛ばしただけ。
だから何かが起きてちゃんと神物をここまで持って帰ってきたかも分からない。
ウィドウが悪戯っぽく笑う。
もしかしたら何かの理由で神物はまだ……なんてこともあり得る。
そんなみんな集めて大見栄切っていいのか。
「ふふ……ウィドウ、我々にはあなた方の成功が分かります。なぜだと思いますか、ダリル」
「わ、私ですか?」
「ふふふ……教えて差し上げましょう」
オルタンタスの隣に立っていたフードを被った人が前に出た。
パサリとフードを下ろして真っ直ぐにダリルの方を向く。
「あ……あぁ…………」
ヤバいと思った。
その場にいた人がみな一様に耳を塞いだ。
「テレサ!」
ダリルが叫ぶ。
フードを下ろしたその人はテレサであった。
リュードはコユキの耳を塞ぎ、ケフィズサンのみんなは知らなかったのでモロにダリルの叫びを聞いてしまった。
ダリルがフラフラとテレサに近づく。
テレサは優しく微笑み、同じくゆっくりとダリルの方に向かう。
「ほ、本当にテレサ……なのか」
「本当よ。ほら、生きているでしょう?」
テレサは震えるダリルの手を取った。
その手は温かく、確かな命を感じさせた。
テレサはそのままダリルの手を引き寄せて甲にキスをする。
全身が冷たくなっていたのに、今は熱いくらいに熱を持っている。
「本当、本物」
「痛いところはないか? 辛いところはないか? もう動いても大丈夫なのか? 眠くはないのか?」
「そんなにいっぺんに聞かれても困るわ。でももう大丈夫よ。痛くも辛くもない。夜は眠いけど朝から起きていられるわ」
「よかった……」
「ええ……私はもう大丈夫。だから分かったの。あなたが神物を取り戻してくれたって。私のことを救ってくれたってことを」
「テレサ……テレサ!」
「病み上がりよ、優しくね」
優しく、それでいながら力強くダリルはテレサを抱きしめた。
感情が抑えきれずに頬を喜びの涙が伝う。
「神よ! 感謝いたします!」
子供のように泣きじゃくるダリル。
周りにいたみんなも心温まる感動的な光景に涙を浮かべる。
テレサも目に涙を流しながらダリルの背中をゆっくりとさすってあげていた。
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変化はおそらく神物を取り戻した時から始まっていた。
これまでの睡眠時間の流れからすると、まだ起きないはずのテレサはおもむろに目を覚ました。
まだ快方とはいかなかったがスッと起きられた。
起きている時も頭にモヤがかかったようなスッキリしない気分だったのに、気づいたら気分も良く起きていられるようになっていた。
歌って踊りたいほど頭が軽くなっていき、抗いようのない意識の混濁が無くなっていったのだ。
「ダリル……?」
意識がしっかりしている今のうちに食事でもしようと思っていたテレサはふとダリルのことを思い出した。
調子が良くなったことをダリルが聞いたら喜ぶだらうと思ったのだ。
この状況があるのはダリルのおかげではないかと半ば確信めいてそう思った。
今隣にいないダリルはテレサを治す方法を探し、そして神物を見つけ出せばよいことを知った。
神物の場所も見つけて、神物を取り戻しにいった。
急に体の調子が良くなってきたのでダリルが神物を持って帰ってきたのではないかなんて考えた。
気だるげで生気のなかったテレサが元気に部屋から出てきたことで、城はちょっとした騒ぎになった。
死者ではないが死者が歩いているみたいな、そんな感じである。
オルタンタスが飛んできてテレサに話を聞いた。
にわかには信じがたいが、テレサの体調が回復の兆しを見せている。
ダリルが神物を持って帰ってきたのではないかとテレサは主張したが、まだダリルは帰ってきておらず、神物を取り戻したかどうかの情報もなかった。
しかし偶然の出来事にも思えずオルタンタスも調査した。
すると攻略不可ダンジョンの攻略についての情報を掴み、その後すぐに神物を取り戻した一報も到着した。
「やはり神の導き、みんながやってくれたのか」
オルタンタスも神の導きに感謝せずにはいられなかった。
そうしている間にもテレサの体調はますます回復していった。
長かった睡眠時間が段々と短くなり、起きている間も精力的に活動できるようになった。
まさか神物を持って帰ってくるまでもなくテレサの回復が始まるとは嬉しい誤算だった。
けれどテレサの体調の回復のおかげで、早くに情報をキャッチして準備することができた。
ほとんど回復したテレサはダリルを迎えるためにサプライズ的に登場したのである。
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