人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

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第七章

おべんきょー2

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「対して神聖力での強化は相手に神聖力を送ることによって強化できるのです。とても単純で扱いやすく魔法によるものよりも効果が高い。効率もよくて素早く、強弱も自在です。だからといって魔力による強化に利点がないわけでもありませんよ」

 アルフォンスはコユキの様子を見ながらゆっくりと話してくれる。

「魔法の強化には一度強化をかけてしまえばしばらく効果が続く持続性があり、神聖力は送り続けなきゃ効果の持続性は弱いという点があります。魔法に対する耐性の向上や自己の治癒力強化も魔力による強化にはあります」

 知識派のアルフォンスだが、小難しい言葉を使うことなくよく噛み砕いて説明してくれて分かりやすい。
 リュードには扱えないものなのでこれまで興味を持ったこともなかったけれど、こうして魔力との比較で聞いてみると面白いものだと思う。

「そして神聖力と言えば治療、相手を癒す力でしょう。生きてさえいれば神聖力で相手を癒すことができます。例え体の欠損であっても神聖力さえあるなら治すことも可能です。時間が経ちすぎるとダメなこともありますが」

「へぇー……」

 思わず感心して声が漏れてしまう。

「しかし大きな弱点として神聖力による治療は自己に一切使えないということがあります。なので外で活動する時は聖職者は二人一組で互いがケガをしても大丈夫なように活動しているのです」

「あっ、そうなんだ」

 なぜ聖職者、特に聖者や使徒がペアで活動しているのかちょっとだけ気になっていた。
 自分を治せない。

 なので互いに治し合えるようにするためにペアでの活動が多いのである。

「あまりメジャーではない話として神聖力には呪いに対する力もあります」

「呪い……」

 呪いは魔力を利用はしているが、魔法とは異なった方法で発動するもので一般に忌避される。
 神聖力にはそうした呪いに対する抵抗力を持っていた。

「使徒は強い神聖力を持ちますが、同時に魔力も持ちます。魔力を持つので、魔力による自己強化で治癒力や魔法に対する抵抗力も高めながら、神聖力による強化も行えるので強力な戦士であるのです。対して聖者は神聖力しかないので直接の戦闘は苦手なのです」

「なーるほど……」

 コユキのついでに話を聞いていたリュードも授業内容が面白くてつい聞き入ってしまう。

「ん?」

 ふっと体が軽くなる。
 視線を落とすとコユキがニコッと笑ってリュードを見上げていた。

「人に神聖力を送るということに感覚的な苦労をする人もいますが、コユキはその点心配いりませんね」

 実際神聖力の支援を受けてみてその効果の高さを知った。
 なぜ冒険者が聖職者を引き入れたがる気持ちがよく分かる。
 
 そしてこうしてより学んでみると一パーティーに12人は聖職者が必要なのではないかと思えるほどだった。
 もしかしたら神様に押し付けられたイレギュラーはとんでもない贈り物になるかもしれない。
 
 そんな予感も感じさせていた。
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