悪役を幸せにしたいのになんか上手くいかない ~推しは間もなく退場予定~

はかまる

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推し作品の書籍化決まった

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 世の中には『オタクであること』をまるで一つのステータスかのように考えている人間が存在している。
 学校のお昼の校内放送でわざと際どい歌詞の内容のアニソンを流し、困惑する一般人のリアクションをチラチラと見ては、身内で喜び合っている行動力は無駄にあるがTPOを知らない有害オタクや、流行であるという理由だけで原作の内容もろくすっぽ知らないくせに、主題歌にあわせて教室で踊りSNSに投稿する自称オタク(笑)の存在を俺は認めない。

「――」

 誰かと話す事もなく、小説投稿サイトにログインし休憩時間や昼休みと時間ができしだい新たな神作品を探す旅に出る。そして出会った神を全力で、推す。これがオタクのあり方というものではないだろうか。つまり、俺の事だ。高校に入ってから3年間、俺はこのルーティンを忘れたことはない。
 別に、自分に友達が出来ないから、なんだかんだとアニメやゲームを共通言語としてそれぞれ友人らと楽しんでいる彼らを僻んだり羨んでいるわけではない。そうだ、誰の迷惑もかけていないのだから静かにTPOを弁えているのは俺の方だし褒められるべきは俺である。

 ――――――――
【書籍化のお知らせ】
この度『有名魔法学校に入学したら王子様に溺愛されちゃいました』がXX出版様より書籍化となりました。
これも普段から応援してくださる読者の皆様のおかげです。
それに伴い掲載中の作品は順次非公開となります。
発売日は~~~
 ――――――――

「~~~ッ!?」

 たとえ滅茶苦茶読んでいたWEB小説の書籍化のお知らせを見てどれだけ悲鳴をあげそうになっても、声をかみ殺し興奮で震える手を使いなんとか発売日をスケジュール帳に書き込む。これも真のオタクの務めである。

 やった、嬉しい、まじか。いやー、出版社分かってるわ。マジでセンスある。この小説は紙に残してもっと多くの人間の目に触れるべきだし、後世に伝わるべき神作品だ。

 まぁ、WEBと書籍版だと構成や台詞の言い回しが変わってしまう事があるため、ファンとしては読み比べるために残して欲しいというのが想いとしてあるがそう我が儘は言ってられない。家に帰ってまずやることは第1話から作品を改めて読み返す事だ。
 この作品何がいいってまず恋愛ファンタジー小説だが、ヒロインが貴族だけどおてんばな性格の為コメディ調で話全体は進んでいき男の俺でも読みやすく、そんなヒロインを影ながら見守ってきていた第二王子がまた良い奴でそんな二人の恋愛模様がなんともで悪役となる男もまた色々共感が――……










「アーリア。 なんで、なんで君が殿下と……!」
「シルヴァくん……?」

 今、俺の目の前では、大好きだったWEB小説のヒロインと王子、そして悪役ポジションの男という三人が揃って、学園の中庭で言い争いを繰り広げている。

 これはなんらかの比喩でもなく、文字通り小説で読んでいた人物が目の前に居るのだ。

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