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第393話 結果
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選挙当日。
セイヤの支援をする与党政治家である仁海は、緊張した面持ちでカレンダーを眺めていた。
「開票結果は今日の夜八時か……組織票により結果は決まった様なものだが……」
……些か心配だ。この所、SNS界隈が騒がしい。
一切、反応していないものの、炎上と呼ばれる現象が度々起こっている。
金に物を言わせ黙らせる事もできるが、こと今回に至っては、それもできずにいる。
テレビでは報道されていないが、元東京都知事の池谷の選挙演説には、連日警察が出動する程の人が集まっているという情報も入っているし……今回の選挙ははっきり言って異様だ。通常ではあり得ない程の熱を感じる。
「……万が一を考えておいた方が良いかも知れんな」
東京都知事の座については、どうとでもなる。
最悪、セイヤに使う予定の契約書を池谷に使えばいいのだ。
問題は落選した場合、どうやってセイヤにサインさせるか……
セイヤは用心深い。加えて、エレメンタルという超常の存在が護衛に付いている。
仁海はスマホを手に持つと、万が一に備え電話をかける。
「……私だ。仁海だ。実は君に頼みたい事があってね。都知事選挙に出ているセイヤ君がいるだろう? 開票結果次第だが、もし彼が落選する様な事があれば、マスコミに向かって敗戦の弁を述べた後、攫ってほしい」
エレメンタルは有能だが、使役者が命令しなければ自発的に動く事はまずない。
事実、帝国の皇子二人を捕らえた際も、警護についていたエレメンタルが自発的に動く様子はなかった。
問題は、エレメンタルに自動警護を依頼していた場合だが……これについては彼等を信じる他ない。
多少、犠牲が出るだろうが、高い金を出して雇うのだ。これ位の事はやって貰わねば困る。
「……方法は任せる。頼んだぞ」
そう言って電話を切ると、仁海は時計に視線を向ける。
時刻は十一時。
少々、長電話が過ぎたようだ。
しかし、準備は万全に整った。
後は開票結果を待つだけ……無事、セイヤが都知事選挙で勝てば、すべては杞憂に終わる。
さて、当確情報が出る前に、セイヤのいる事務所に向かわなくては……
そんな事を考えながら立ち上がる。
すると……「先生! 仁海先生! 大変です!」と言いながら、第一秘書が部屋に駆け込んできた。
ノックも無しに部屋に駆け込んでくるとは、何とも非常識な……
「……何だね。騒々しい」
「た、大変です。これを見て下さい!」
第一秘書はデスクに置かれたリモコンを手に取るとテレビの電源を付ける。
第一秘書に言われるまま、テレビに視線を向けると、そこには『当確』というテロップと共に映し出される池谷の姿があった。
「……はっ?」
意味が分からず、呆然としているとニュースキャスターが慌てた様子で速報を読み上げる。
『――速報です。前東京都都知事の池谷氏に当確情報が出ました! 池谷氏に当確情報が出ました!!』
な、なんだこれは……
「――な、なんだこれはァァァァ!?」
開票速報が始まって数時間で当確だとォォォォ!?
そんな馬鹿な! 一体、何がどうなっている!?
この選挙は市議会選挙ではない。
次代の東京都知事を選出させる為の選挙だ。
区ごとに開票される事から開票結果がこんなに早く出てくるなんてあり得ない。
『えー、前都知事である池谷氏に当確が出たようですが、解説の山元さん。要因をお聞かせ下さい』
『い、いや、ちょっと、開票と同時に当確情報が出るのは異例中の異例です。要因と言われましても、何と言ったらいいものか……』
セイヤに当確が出た際、都合の良いコメントをさせる為、用意したコメンテーターが池谷の当確情報を前に動揺している。
『と、とりあえず、池谷さん。当選おめでとうございます!』
仕込みのコメンテーターが池谷を褒めた所で怒りの限界を迎える。
「ふ、ふざけるなァァァァ! 何だこの結果は!」
開票速報で当確情報が出たという事は、期日前選挙で投票した都民の多さを物語っている。
仁海は憤然とした表情を浮かべると、セイヤの待つ選挙事務所へと向かった。
◆◆◆
同刻。仁海が用意した選挙事務所にいたセイヤは開票速報による当確情報を受け神妙な表情を浮かべていた。
「……おかしい。愚民共には我に投票するよう洗脳を施した筈。なのに、何故、我が負ける?」
……負ける道理など無かった筈だ。
闇の大精霊の力を借りた時点で我の勝ちは決まっていた。
可能性があるとすれば、都民の大半が期日前投票を行っていた位のものだが、そんな筈はない。
しかし、当確情報が出たという事は、都民の過半数が池谷に対して投票したという事……
とてもではないが、現実的ではない。
と、なると、考えられるのは、開票所における不正のみ……ふふふ、やってくれたな……つまり、これは出来レース。あの者はこの我を騙した訳か。
「……ちょっと失礼するよ」
そんな事を考えていると、憤然とした表情を浮かべた仁海が選挙事務所に入ってくる。
そして、開口一番信じられない事を口にした。
「……セイヤ。貴様、どう言うつもりだ。これでは話が違うではないか!」
……話が違う?
何のことだ?
それはこちらのセリフだ。
「……凡愚の分際で面白い事を言う。それはこちらのセリフだ。我は東京都民全員に対して、我に投票するよう洗脳を施した。にも関わらず、落選したと言うことは、開票所において何らかの不正があったという事だ。凡愚……貴様、我を謀ったな?」
「はぁ? 何を言っている。そんな筈がないだろう! 選管になど手を回していない。最初から私の言う通りにしていればいいものを……エレメンタルの力を過信するからこんな事になるのだ。お陰で計画に狂いが生じた。この責任……どう取ってくれる!」
すると、事務所の外に二台のハイエースが付く。
そして、スーツに身を包んだ男達がハイエースから降りて来ると、男達は仁海の背後に立った。
「……なんだ。貴様らは?」
セイヤの問いかけを受け、仁海は薄笑いを浮かべながら答える。
「彼らは千秋真理教団……まあ、君に伝わるよう分かりやすく言うと、宗教法人の皮を被った暴力のプロフェッショナルだ。本当は使う予定ではなかったのだがね。君にはこの契約書にサインして貰う。断ればどうなるか……わかるな?」
「……ふむ。なるほどな」
どうやらこの凡愚は、この我を契約書の力で強制的に従えようと考えていたらしい。
凡愚らしい実に浅はかな考えだ。
我には、闇の大精霊が護衛に付いているというのに……
「まあ、だが……そ奴等の狙いは、凡愚……貴様の様だぞ?」
「あ?」
仁海がそう呟くと、背後にいた男が仁海の肩を掴む。
そして――
「――始めまして、仁海さん。任侠会の若頭やらせて貰ってます新田柴申します。以後御見知りおきを……」
そう言うと、新田は深い笑みを浮かべた。
セイヤの支援をする与党政治家である仁海は、緊張した面持ちでカレンダーを眺めていた。
「開票結果は今日の夜八時か……組織票により結果は決まった様なものだが……」
……些か心配だ。この所、SNS界隈が騒がしい。
一切、反応していないものの、炎上と呼ばれる現象が度々起こっている。
金に物を言わせ黙らせる事もできるが、こと今回に至っては、それもできずにいる。
テレビでは報道されていないが、元東京都知事の池谷の選挙演説には、連日警察が出動する程の人が集まっているという情報も入っているし……今回の選挙ははっきり言って異様だ。通常ではあり得ない程の熱を感じる。
「……万が一を考えておいた方が良いかも知れんな」
東京都知事の座については、どうとでもなる。
最悪、セイヤに使う予定の契約書を池谷に使えばいいのだ。
問題は落選した場合、どうやってセイヤにサインさせるか……
セイヤは用心深い。加えて、エレメンタルという超常の存在が護衛に付いている。
仁海はスマホを手に持つと、万が一に備え電話をかける。
「……私だ。仁海だ。実は君に頼みたい事があってね。都知事選挙に出ているセイヤ君がいるだろう? 開票結果次第だが、もし彼が落選する様な事があれば、マスコミに向かって敗戦の弁を述べた後、攫ってほしい」
エレメンタルは有能だが、使役者が命令しなければ自発的に動く事はまずない。
事実、帝国の皇子二人を捕らえた際も、警護についていたエレメンタルが自発的に動く様子はなかった。
問題は、エレメンタルに自動警護を依頼していた場合だが……これについては彼等を信じる他ない。
多少、犠牲が出るだろうが、高い金を出して雇うのだ。これ位の事はやって貰わねば困る。
「……方法は任せる。頼んだぞ」
そう言って電話を切ると、仁海は時計に視線を向ける。
時刻は十一時。
少々、長電話が過ぎたようだ。
しかし、準備は万全に整った。
後は開票結果を待つだけ……無事、セイヤが都知事選挙で勝てば、すべては杞憂に終わる。
さて、当確情報が出る前に、セイヤのいる事務所に向かわなくては……
そんな事を考えながら立ち上がる。
すると……「先生! 仁海先生! 大変です!」と言いながら、第一秘書が部屋に駆け込んできた。
ノックも無しに部屋に駆け込んでくるとは、何とも非常識な……
「……何だね。騒々しい」
「た、大変です。これを見て下さい!」
第一秘書はデスクに置かれたリモコンを手に取るとテレビの電源を付ける。
第一秘書に言われるまま、テレビに視線を向けると、そこには『当確』というテロップと共に映し出される池谷の姿があった。
「……はっ?」
意味が分からず、呆然としているとニュースキャスターが慌てた様子で速報を読み上げる。
『――速報です。前東京都都知事の池谷氏に当確情報が出ました! 池谷氏に当確情報が出ました!!』
な、なんだこれは……
「――な、なんだこれはァァァァ!?」
開票速報が始まって数時間で当確だとォォォォ!?
そんな馬鹿な! 一体、何がどうなっている!?
この選挙は市議会選挙ではない。
次代の東京都知事を選出させる為の選挙だ。
区ごとに開票される事から開票結果がこんなに早く出てくるなんてあり得ない。
『えー、前都知事である池谷氏に当確が出たようですが、解説の山元さん。要因をお聞かせ下さい』
『い、いや、ちょっと、開票と同時に当確情報が出るのは異例中の異例です。要因と言われましても、何と言ったらいいものか……』
セイヤに当確が出た際、都合の良いコメントをさせる為、用意したコメンテーターが池谷の当確情報を前に動揺している。
『と、とりあえず、池谷さん。当選おめでとうございます!』
仕込みのコメンテーターが池谷を褒めた所で怒りの限界を迎える。
「ふ、ふざけるなァァァァ! 何だこの結果は!」
開票速報で当確情報が出たという事は、期日前選挙で投票した都民の多さを物語っている。
仁海は憤然とした表情を浮かべると、セイヤの待つ選挙事務所へと向かった。
◆◆◆
同刻。仁海が用意した選挙事務所にいたセイヤは開票速報による当確情報を受け神妙な表情を浮かべていた。
「……おかしい。愚民共には我に投票するよう洗脳を施した筈。なのに、何故、我が負ける?」
……負ける道理など無かった筈だ。
闇の大精霊の力を借りた時点で我の勝ちは決まっていた。
可能性があるとすれば、都民の大半が期日前投票を行っていた位のものだが、そんな筈はない。
しかし、当確情報が出たという事は、都民の過半数が池谷に対して投票したという事……
とてもではないが、現実的ではない。
と、なると、考えられるのは、開票所における不正のみ……ふふふ、やってくれたな……つまり、これは出来レース。あの者はこの我を騙した訳か。
「……ちょっと失礼するよ」
そんな事を考えていると、憤然とした表情を浮かべた仁海が選挙事務所に入ってくる。
そして、開口一番信じられない事を口にした。
「……セイヤ。貴様、どう言うつもりだ。これでは話が違うではないか!」
……話が違う?
何のことだ?
それはこちらのセリフだ。
「……凡愚の分際で面白い事を言う。それはこちらのセリフだ。我は東京都民全員に対して、我に投票するよう洗脳を施した。にも関わらず、落選したと言うことは、開票所において何らかの不正があったという事だ。凡愚……貴様、我を謀ったな?」
「はぁ? 何を言っている。そんな筈がないだろう! 選管になど手を回していない。最初から私の言う通りにしていればいいものを……エレメンタルの力を過信するからこんな事になるのだ。お陰で計画に狂いが生じた。この責任……どう取ってくれる!」
すると、事務所の外に二台のハイエースが付く。
そして、スーツに身を包んだ男達がハイエースから降りて来ると、男達は仁海の背後に立った。
「……なんだ。貴様らは?」
セイヤの問いかけを受け、仁海は薄笑いを浮かべながら答える。
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「……ふむ。なるほどな」
どうやらこの凡愚は、この我を契約書の力で強制的に従えようと考えていたらしい。
凡愚らしい実に浅はかな考えだ。
我には、闇の大精霊が護衛に付いているというのに……
「まあ、だが……そ奴等の狙いは、凡愚……貴様の様だぞ?」
「あ?」
仁海がそう呟くと、背後にいた男が仁海の肩を掴む。
そして――
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