モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語

みん

文字の大きさ
44 / 123
第一章ー婚約ー

(ある意味での)ハル無双

しおりを挟む
❋作者比で、砂糖過多になっています(ハルが)❋









*エディオル視点*


「ハル、大丈夫か?」

取り敢えず、ハルを部屋まで連れて戻って来た。

「ん─大丈夫ですよ?フワフワと良い気持ちです。ふふっ…ディだ─」

3人掛けのソファーに座らせたが、ハルはずっと俺に抱き付いたままだ。しかも、何かにつけて

「ディだ」

「好き」

と口にする。

ー可愛いな!ー

「エディオル様、失礼致します。」

ルナ殿が、水を持って来てくれた─のだが

「エディオル様、後は、宜しくお願い致します。ゼンさんは、騎士邸の方へ…行っています。シルヴィア様の指示で…。明日迄は…帰って来ないかと…。はい。では、失礼致します。」

ルナ殿はそれだけ言うと、ニッコリ微笑んで部屋から出て行った。

「───え?」

ハルは相変わらず俺に抱き付いたままで─

「ふふっ─ディ──好き─」

「─くっそ可愛いか!!」

と、ギュウッとハルを抱き締めると

「ふぐぅっ──苦しいけど…ふふっ…ディがあったかい──ふふっ─」

ーあ、これ、ヤバいなー

少し深呼吸をした後、ソロソロと腕の力を緩めてハルから体を離して、両手でハルの顔を挟んで上を向かせる。

「ハル。少し、俺から離れてくれるか?水を用意するから。水、飲めるか?」

「ディ、離れるの?──ヤダ」

と、更にギュウッとしがみついてきた。

「──くっ……」

ー落ち着け!俺!って、誰だ!?ハルに強いアルコールを飲ませたのは!!可愛いけど!ー

「ハル、俺は何処にも行かないから。兎に角、水を飲もうな?」

何とかハルに言い聞かせて水を飲ませた。












ーこれ以上は、俺が

と思って、ハルを寝かせよう!──と思った俺を…殴ってやりたい。



「ハル。俺は、ハルが寝るまでそこの椅子に座ってるから、この手を離そうか?」

流石に、ハルの寝室に入るのは駄目だろうと、ハルに寝室へ行くように言うと

「ヤダ!一緒に寝る!」 

と、またまた俺に抱き付いて来た。

ーハルは一体、俺をどうしたいんだ!!ー

「はぁ────」

自分を落ち着かせる為に、息を吐くと、ハルの体がビクッと反応する。それから、ソロソロと俺を覗く様に見上げて来た。

「ディ、怒ってる?ごめんなさい。」

シュンとするハル。

ーあぁ、もう、本当に可愛いなぁー

軽くキスをする。

「怒ってない。でも…一緒には寝れないから。俺はここに居るから、ハルはベッドに入って寝てくれ。良いな?」

「じゃあ、もう少しだけディと、ここで、一緒に居る。」

むぅっ─と、少し拗ねた様な顔をして、俺の服をギュッと握るハル。

「分かった。少しだけ─な?」

と言うと、ハルは嬉しそうに笑った。




ハルはやっぱり俺から離れないから、ハルをお姫様抱っこした状態で、俺はソファーに座った。




会話にならない会話をしているうちに、ハルがうとうとし出した。

「ハル、このままだと体が辛いだろうし、ちゃんと眠れないだろうから、ベッドに─」

「ディは…もう、黙って居なくなったりしない?」

「──え?」

、急に…会えなくなったりしない?」

?ー

「ディに会えなくなって……寂しくて…胸がね?ギュウッて痛くなってね?とは一緒に居るのに…何で私とは居てくれないのかな?─って。」

「──ハル」

のハルの気持ちは、青の庭園で聞いていた。でも、その時でさえ、ハルは少し困ったな─みたいな感じで軽く笑いながら話していた。それに、聖女様達に掬われたとも言っていたから、俺はそこから深く気に留めてはいなかった。でも─

今、目の前にいるハルは、今にも泣きそうな顔で俺の服をギュウッと握り締めている。きっと、俺が気に病まないように笑っていたんだろう。そんなハルが─そんなハルに更に愛おしさが増す。

「ハル、俺はもう、黙って何処かに行く事はないから。ずっとハルの側に居るから。ハルに“要らない”と言われても、離れないから。」

「私、“要らない”なんて言わない。ディが好き。」

ーあぁ、少し位…良いよな?ー

「俺も、ハルが好きだ。」

ハルの頬に手を当てて、啄む様に何度かキスをする。

「ふふっ─ディとのキス──好き──」

ふにゃっとハルが笑うから─ハルの後頭部に手を当てて、更に深く─キスをする。

「──っ!?」

ハルが逃げられないように─腰に回している腕に力を入れて引き寄せる。ハルが顔をズラそうとするのに合わせて、角度を変えて深いキスを繰り返す。

ーあぁ…本当にヤバいな…止まれる…のか?ー

と思った時、腕の中で可愛い抵抗をしていたハルの力がフッと抜けて、俺の方へと凭れ掛かって来た。

「ハル?」

どうした?と思い唇を離してハルを覗き込めば─

「────苦…しい……」

と、涙目で顔を真っ赤にして、肩で息をするハルがいた。

「ディの……バカ!息…苦しい………」

「ハル?」

その一言を最後に、スースーと寝息が聞こえて来た。

「…………は─────ぁ………」

ハルが寝てしまって残念な気持ちはあるが─

「寝てくれて…助かった…」

が、正直なところだ。

ハルは、本当に自分の負の感情を隠すのがうまい。そんな事は、解っていたし気を付けてもいたのに…

「俺も、まだまだ─だな。」

と、俺の腕の中で寝ているハルのオデコに、ソッとキスを落とした。












「ディの……バカ!」

うん。は…一段と可愛かった──







しおりを挟む
感想 134

あなたにおすすめの小説

喪女なのに狼さんたちに溺愛されています

和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です! 聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。 ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。 森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ? ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。

【完結】秀才の男装治療師が女性恐怖症のわんこ弟子に溺愛されるまで

恋愛
「神に祈るだけで曖昧にしか治らない。そんなものは治療とは言わない」  男尊女卑が強い国で、女であることを隠し、独自の魔法を使いトップクラスの治療師となり治療をしていたクリス。  ある日、新人のルドがやってきて教育係を押し付けられる。ルドは魔法騎士団のエースだが治療魔法が一切使えない。しかも、女性恐怖症。  それでも治療魔法が使えるようになりたいと懇願するルドに根負けしたクリスは特別な治療魔法を教える。  クリスを男だと思い込み、純粋に師匠として慕ってくるルド。  そんなルドに振り回されるクリス。  こんな二人が無自覚両片思いになり、両思いになるまでの話。 ※最初の頃はガチ医療系、徐々に恋愛成分多めになっていきます ※主人公は現代に近い医学知識を使いますが、転生者ではありません ※一部変更&数話追加してます(11/24現在) ※※小説家になろうで完結まで掲載 改稿して投稿していきます

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

元貧乏貴族の大公夫人、大富豪の旦那様に溺愛されながら人生を謳歌する!

楠ノ木雫
恋愛
 貧乏な実家を救うための結婚だった……はずなのに!?  貧乏貴族に生まれたテトラは実は転生者。毎日身を粉にして領民達と一緒に働いてきた。だけど、この家には借金があり、借金取りである商会の商会長から結婚の話を出されてしまっている。彼らはこの貴族の爵位が欲しいらしいけれど、結婚なんてしたくない。  けれどとある日、奴らのせいで仕事を潰された。これでは生活が出来ない。絶体絶命だったその時、とあるお偉いさんが手紙を持ってきた。その中に書いてあったのは……この国の大公様との結婚話ですって!?  ※他サイトにも投稿しています。

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる

藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。 将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。 入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。 セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。 家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。 得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。 はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

処理中です...