モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語

みん

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第一章ー婚約ー

宴会

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*本日、2話目の投稿になります*














「お…お祝い…ですか?」

「えぇ。“お祝い”です。」

目の前でニッコリ笑うゼンさん。

「この世界から、あのクズ聖─あの元凶が居なくなったんですから。お祝いをしなければいけませんよね?」

いや、しなければいけない事ではないと思うけど…。そんな事、この笑顔のゼンさんには言えない─よね。

「えっと…ご馳走?楽しみにしてますね。」

と言うと、「お任せ下さい」と言って、ゼンさんはエディオルさんと私にお茶を淹れると、そのまま部屋から出て行った。

「ゼン殿は…ミヤシタが還った事が、よっぽど嬉しいんだな。」

隣に居たエディオルさんが苦笑する。

ゲームのヒロインが、還って喜ばれるって…。まぁ、彼女の場合は自業自得なんだけど。せめて…少しでも、日本で更正してくれたら…良いけど。

チラリとエディオルさんに視線を向けると、エディオルさんと目があった。

「ん?」

首を傾げて、優しく笑うエディオルさん。

「えっと…ディが…彼女に惹かれなくて良かったなって。」

と、素直に口にする。

「…ハル?」

優しく腰を引き寄せられて、顎に手を添えられてそのまま顎を持ち上げられた。

「何度でも言うが─俺は、ハル以外は要らないから。ハルしか要らないから。ハルが嫌だと言って泣いても──離す気はないから。」

「はぅ───っ」

ー恥ずかし過ぎる!!ー

エディオルさんの胸にグリグリと頭を擦り付ける。

「ははっ─本当に、ハルは可愛いな。でも─」

エディオルさんはそのまま口を噤んで

「これからの事を考えて─には、早く慣れないとな?」

と、私の耳ともで囁く。

「ふぁい!?────っ!???」

ビックリして、変な声と共に顔を上げると、透かさずキスをされた。

慣れないとな?」

オデコをくっつけたままだ。

「なっ─────慣れませんよ!!」

「ははっ。」

と、エディオルさんは嬉しそうに笑って、私をギュッと抱き締めた。


ー誰か、エディオルさんから少し─少しだけでもいいので、砂糖を抜いて下さい!心臓が持ちません!ー














そうして、ズラリとご馳走が並んだ夕食は

「無礼講だ」

パルヴァン様のこの一言で始まった。

ー宴会になってるよね?ー

彼女に関しては、“聖女”である事以外は極秘扱いになっている為、実は彼女の悪行?は知られていない。彼女が元の世界に還った事も、まだ公表されていない。なので、この本邸での宴会?には知っている人だけしかいない。それでも、騎士様達の邸ででも理由は言わず、ご馳走が準備されているそうだ。



「リュウ、身体は大丈夫なの?」

「あぁ、全然問題は無い。何なら、もう1人位召喚できるかもね?」

と、肩を竦めて苦笑するリュウ。

「なら良いけど…リュウも、結構な魔力持ちだったのね?」

どうやら、ミヤさんは気付いてなかったようだ。

『ふん。最後にあの女の、あの顔を見れた故…少しだけ…ほんの少しだけ、お前を赦してやろう。少しだけ─』

「くくっ─。それは…ありがとうございます。」

擬人化して参加しているネージュが、擬人化しているノアの隣でツンデレ?を発動させている。そんなネージュを優しく見つめるノア─。

「はぅ──っ」

ー美魔女&イケオジ、ありがとうございます!ー

そんな2人を見て悶えているハルを、蕩けた顔で見つめるエディオル。

「…ミヤ様、これ、いつもこんな感じなのか?」

「そうね。こんな感じよ。見てると癒されるから─不思議なのよね──。」

「癒される──あぁ、ハルだからか?」

「多分ね。でも、それ、リュウが言うのは─」

「分かってる。“アウト”だろ。絶対、エディオルの前では言わないよ。」

と、ミヤとリュウは笑った。









そうして、無礼講と言う宴会は夜遅く迄続いていた。








いつからか、男性陣と女性陣に別れて話が盛り上がっていたのだが─

「エディオル様、お話中すみませんが、よろしいでしょうか?」

と、ルナがエディオルに声を掛けて来た。

「あの…ハル様が…」

「ハル?」

と、少し言葉を濁すルナを不思議に思いながらも、エディオルはハルの方へと足を向けた。




「ハルがね、間違えて…強いアルコールを飲んじゃったみたいなのよ。」

と、そこにはハルに抱き付かれているミヤ様が、困ったように笑っていた。

「もしかして…酔ってます?」

「そうなのよ。まぁ…めちゃくちゃ可愛いんだけどね。」

「可愛い?」

「ハル?ほら、エディオルさんが来たから、部屋迄送ってもらいなさい。今日はもう、休んだ方が良いわよ。」

と、ミヤが抱き付いているハルの肩を軽く揺する。

「ん?ディ?」

と、ハルがミヤから身体を離し、後ろを振り返る。

「ハル、部屋まで送るから──」

「ふふっ─ディだ。ディが居る─。」

と、ハルは満面の笑顔でエディオルに抱き付いた。

「────えっ?」

「ふふっ。ディだね…ディの良い匂いがする。大好き──。」

と、更にギュウギュウと抱き付いて来た。

「え????」

「ね?可愛いでしょう?」

と、ミヤをはじめ、ルナとリディとネージュが笑っている。

『騎士よ、早く主を部屋に連れて行って、休ませてやってくれぬか?あぁ、我も、今日はノアの所で休む故…気にしなくて良いぞ?』






ーえ?何?俺は試されているのか?それとも…ご褒美なのか?ー





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