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第一章ー婚約ー
宮下香
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『これで…分かった?この世界は、あなたが思っている─知っている世界では無いことを。この世界が、あなたを必要としていない事を。あなたには……日本であなたを待っている人達が居るから…安心して日本に還ってちょうだい。』
ー嫌だ!嫌だ!怖い!怖い!ー
あいつに婚約者が居たなんて知らなかった。彼女はいるかな─とは思っていたけど。あいつはお金持ちで、何でも買ってくれたから…何度か関係を持っただけだった。
学校での苛めは…やられたからやり返しただけ。相手が…二度と私に手を出さない─出せないように。
気に入らない子の男に手を出した─事もあったけど、それは全部あいつらの自業自得じゃない!私が悪いわけじゃない!
異世界に召喚されて、この世界で私はイケメン達に囲まれて、幸せになる筈だったのに。なのに!
聖女としての力は使えないし、攻略対象者は私のモノにならないどころか近寄っても来ない。おまけにあの薬師とか言う女が、私のエディオルとレフコースを縛り付けていた。モブですらない女。
ー許せないー
あのモブが居なくなった─と聞いた時は胸がすく思いだった。
なのに─
皆があのモブを必死に探し、あのモブの為に動いた。エディオルもレフコースも、更に私を見なくなった。そして、私をこの世界に召喚して、唯一の私の味方だった筈の魔法使い─リュウまでもが…私を裏切り、今、私を日本へ還そうとしている。
ー止めて!嫌だ!日本になんて還りたくない!ー
叫びたいのに声が出せない。逃げたいのに体が動かない。
魔法陣の展開が乱れたような気がしてホッとしたが─そこから一気に光が溢れ出して、眩しくてギュッと目を瞑った─その瞬間、久し振りの浮遊感に襲われた。
ーっ!!ー
この感覚を覚えている。召喚された時に感じたものだ。
ーあぁ…………ー
浮遊感がなくなり、目を開けると──
「………ここ……何処?」
人の姿どころか住宅も見当たらない。木々が生い茂っているだけ。遠くに、電気の明かりがポツポツと見える。
「え?日本…なんだよね?」
体が動きそうだったから、立ち上がろうとした時
「──っ!?」
身体中が千切られるかの様な痛みに襲われた。
ー痛い!痛い!助けて!誰かー
助けてと叫びたいのに、痛みが酷くて声が出ない。息をするだけで精一杯な程の痛み。
ー誰か……助け………て………ー
そこで、私の意識は途切れた。
*****
次に目を覚ました時は、ベッドの上だった。
「あなたは、宮下香さん─ですね?」
目を覚ましてから3日程経った日。私の元に警察の人が来た。私が行方不明になってから半年以上過ぎていたのだ。今迄何処に居たのか等訊かれたが“異世界に行っていた”なんて言える筈もなく──
「記憶が無くて…」
としか言えなかった。
「こんな状態の時に言うのもなんだが…君にはいくつかの訴訟が起こされている。」
“こんな状態”
あの、引き千切られる様な痛みで気を失った後、発見される迄数日掛かったそうだ。あの場所は、普段から人が通るような場所ではなかったらしい。
目が覚めてからも痛みは続いていたが、検査をして調べても原因は判らず。2日程して治まって来たのだが、両足に麻痺が残り歩けない状態になってしまったのだ。
あいつの婚約者は死に、あいつ本人も精神的に病んでしまい、自力で立つことすらできないらしい。
ー因果応報、自業自得ー
とは…こう言う事を言うのだろう。
ゲーム通り、ただひたすら苛めに耐えていたら?
聖女としてもっと頑張っていたら?
リュウのくれたラストチャンスを頑張っていたら?
「──ふっ…今更遅いよね。」
もう、悲しみの感情すら─沸かなかった。
❋話が短目なので、今日はもう1話投稿します❋
ー嫌だ!嫌だ!怖い!怖い!ー
あいつに婚約者が居たなんて知らなかった。彼女はいるかな─とは思っていたけど。あいつはお金持ちで、何でも買ってくれたから…何度か関係を持っただけだった。
学校での苛めは…やられたからやり返しただけ。相手が…二度と私に手を出さない─出せないように。
気に入らない子の男に手を出した─事もあったけど、それは全部あいつらの自業自得じゃない!私が悪いわけじゃない!
異世界に召喚されて、この世界で私はイケメン達に囲まれて、幸せになる筈だったのに。なのに!
聖女としての力は使えないし、攻略対象者は私のモノにならないどころか近寄っても来ない。おまけにあの薬師とか言う女が、私のエディオルとレフコースを縛り付けていた。モブですらない女。
ー許せないー
あのモブが居なくなった─と聞いた時は胸がすく思いだった。
なのに─
皆があのモブを必死に探し、あのモブの為に動いた。エディオルもレフコースも、更に私を見なくなった。そして、私をこの世界に召喚して、唯一の私の味方だった筈の魔法使い─リュウまでもが…私を裏切り、今、私を日本へ還そうとしている。
ー止めて!嫌だ!日本になんて還りたくない!ー
叫びたいのに声が出せない。逃げたいのに体が動かない。
魔法陣の展開が乱れたような気がしてホッとしたが─そこから一気に光が溢れ出して、眩しくてギュッと目を瞑った─その瞬間、久し振りの浮遊感に襲われた。
ーっ!!ー
この感覚を覚えている。召喚された時に感じたものだ。
ーあぁ…………ー
浮遊感がなくなり、目を開けると──
「………ここ……何処?」
人の姿どころか住宅も見当たらない。木々が生い茂っているだけ。遠くに、電気の明かりがポツポツと見える。
「え?日本…なんだよね?」
体が動きそうだったから、立ち上がろうとした時
「──っ!?」
身体中が千切られるかの様な痛みに襲われた。
ー痛い!痛い!助けて!誰かー
助けてと叫びたいのに、痛みが酷くて声が出ない。息をするだけで精一杯な程の痛み。
ー誰か……助け………て………ー
そこで、私の意識は途切れた。
*****
次に目を覚ました時は、ベッドの上だった。
「あなたは、宮下香さん─ですね?」
目を覚ましてから3日程経った日。私の元に警察の人が来た。私が行方不明になってから半年以上過ぎていたのだ。今迄何処に居たのか等訊かれたが“異世界に行っていた”なんて言える筈もなく──
「記憶が無くて…」
としか言えなかった。
「こんな状態の時に言うのもなんだが…君にはいくつかの訴訟が起こされている。」
“こんな状態”
あの、引き千切られる様な痛みで気を失った後、発見される迄数日掛かったそうだ。あの場所は、普段から人が通るような場所ではなかったらしい。
目が覚めてからも痛みは続いていたが、検査をして調べても原因は判らず。2日程して治まって来たのだが、両足に麻痺が残り歩けない状態になってしまったのだ。
あいつの婚約者は死に、あいつ本人も精神的に病んでしまい、自力で立つことすらできないらしい。
ー因果応報、自業自得ー
とは…こう言う事を言うのだろう。
ゲーム通り、ただひたすら苛めに耐えていたら?
聖女としてもっと頑張っていたら?
リュウのくれたラストチャンスを頑張っていたら?
「──ふっ…今更遅いよね。」
もう、悲しみの感情すら─沸かなかった。
❋話が短目なので、今日はもう1話投稿します❋
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